引き続き、轆轤作業で起きる、作品の「振れ」について、お話します。
⑩ 形を作る際の問題
作品の形を作る際、土を、出来るだけ、薄く延ばしてから、形作りに入る方法と、土を薄く延ばし
ながら、形を作る方法があります。後者は、比較的小さな、茶碗や鉢、皿等を作る際、取る方法です。
土を斜め上方に、延ばす事になるので、技術的にも、やや難しく、十分土が、薄くならない、恐れも
ありますが、慣れれば、簡単に対処できます。
) 小さな力で、形は変わります。
形を作る際、土の厚みは、薄くなっているはずです。それ故、弱い力で、変形出来ます。
径を大きくするには、当然、内側の手(右回転=時計方向では、右手)の力が、外側より強く
なければなりません。急に強い力を加えると、その部分のみが、外側に飛び出します。
) 内側から押されたら、外側の手は、土に触れながら、外に逃げます。
初心者に多い現象ですが、外側の手は、しっかり固定しなさいと、指導している為か、外に逃げず、
その位置を保持しようとします。こうなると、径を大きくする事は、出来ません。
押された分だけ、外側に逃げる必要があります。
) 形作りで、「振れ」が発生するのは、以下の場合です。
a) 極端な下膨れの形状の時。
底の外径に対して、急に外に張り出す場合には、上の土を保持出来ずに、土が潰れます。
同様な事は、瓢(ひさご)型で、胴のくびれが、極端に細くした場合にも、くびれの上が、「振れ」
ます。
・ どうしても、この様な形にしたい場合には、底の径を、広げるか、下膨れや胴のくびれの形を、
作品が出来上がる、直前に行う事です。要は、不安定な状態で、長く置かない事です。
b) 形を作る順序
作品の形は、必ずしも、下、中、上の順序で作るとは、限りません。
中、上、下の順や、上、中、下の順、又は上、下、中の順など、作品の形状に合わせて、選択します。
・ 口径の比較的大きな、容器(ご飯茶碗、鉢類)は、口即ち上部から形作ります。
口径を所定の寸法まで、「逆ハの字」型に開きます。その後、この傾斜部に、丸みを持たせ、
最後に、内側の底周辺の形を、整えます。
下、中と形を付けて行くと、口の土が、内側に折れ下がります。
・ 袋物と呼ばれる、徳利、一輪挿し、壷などは、口径は手の入る程度とし、胴の一番膨らんだ位置
まで、下から徐々に、形を作ります。下部は、上の土を支える為、やや直線的にして置きます。
その後、胴から口に掛けて、形を整えます。ここで注意する事は、極端に、肩を張らない事です。
強く肩が張ると、口の部分の土が、中心に向かって、落ち込みます。
肩が張るとは、首の径と、肩の径の差が大きく、且つ、両方の高さにも、差が少ない状態です。
・ 上記は、ほんの一例です。作品の形に応じて、形作る順序を、変える事により、「振れ」を発生
させずに、形を作る事も、可能ですので、臨機応変に形を、作って下さい。
・ 底が極端に狭く、口径の大きな作品などは、上下逆に作る事により、解決する場合があります。
どうすれば、「振れ」を起こさない様に、形を作れるかを、常に考えて置くと、良いでしょう。
) 「こて」の使用について。
・ 「こて」は、形作る際、広い範囲を、手や指に代わり、確実に押さえ込む事が出来る、道具です。
・ 「柄こて」は、口径の狭い、袋物の形を作る際、手が中に入らない為、手の代用に使います。
いずれの「こて」を使う時は、「こて」をしっかり握り、「ぶれ」ない様にします。
・ 「こて類」は、初心者は、なるべく使わない方が、良いでしょう。
轆轤作業では、手や指の感覚が、大切です。「こて」は間接的に、土に触る事になりますので、
ある程度の、技術を習得後に、使う事を薦めます。
以下次回に続きます。
⑩ 形を作る際の問題
作品の形を作る際、土を、出来るだけ、薄く延ばしてから、形作りに入る方法と、土を薄く延ばし
ながら、形を作る方法があります。後者は、比較的小さな、茶碗や鉢、皿等を作る際、取る方法です。
土を斜め上方に、延ばす事になるので、技術的にも、やや難しく、十分土が、薄くならない、恐れも
ありますが、慣れれば、簡単に対処できます。
) 小さな力で、形は変わります。
形を作る際、土の厚みは、薄くなっているはずです。それ故、弱い力で、変形出来ます。
径を大きくするには、当然、内側の手(右回転=時計方向では、右手)の力が、外側より強く
なければなりません。急に強い力を加えると、その部分のみが、外側に飛び出します。
) 内側から押されたら、外側の手は、土に触れながら、外に逃げます。
初心者に多い現象ですが、外側の手は、しっかり固定しなさいと、指導している為か、外に逃げず、
その位置を保持しようとします。こうなると、径を大きくする事は、出来ません。
押された分だけ、外側に逃げる必要があります。
) 形作りで、「振れ」が発生するのは、以下の場合です。
a) 極端な下膨れの形状の時。
底の外径に対して、急に外に張り出す場合には、上の土を保持出来ずに、土が潰れます。
同様な事は、瓢(ひさご)型で、胴のくびれが、極端に細くした場合にも、くびれの上が、「振れ」
ます。
・ どうしても、この様な形にしたい場合には、底の径を、広げるか、下膨れや胴のくびれの形を、
作品が出来上がる、直前に行う事です。要は、不安定な状態で、長く置かない事です。
b) 形を作る順序
作品の形は、必ずしも、下、中、上の順序で作るとは、限りません。
中、上、下の順や、上、中、下の順、又は上、下、中の順など、作品の形状に合わせて、選択します。
・ 口径の比較的大きな、容器(ご飯茶碗、鉢類)は、口即ち上部から形作ります。
口径を所定の寸法まで、「逆ハの字」型に開きます。その後、この傾斜部に、丸みを持たせ、
最後に、内側の底周辺の形を、整えます。
下、中と形を付けて行くと、口の土が、内側に折れ下がります。
・ 袋物と呼ばれる、徳利、一輪挿し、壷などは、口径は手の入る程度とし、胴の一番膨らんだ位置
まで、下から徐々に、形を作ります。下部は、上の土を支える為、やや直線的にして置きます。
その後、胴から口に掛けて、形を整えます。ここで注意する事は、極端に、肩を張らない事です。
強く肩が張ると、口の部分の土が、中心に向かって、落ち込みます。
肩が張るとは、首の径と、肩の径の差が大きく、且つ、両方の高さにも、差が少ない状態です。
・ 上記は、ほんの一例です。作品の形に応じて、形作る順序を、変える事により、「振れ」を発生
させずに、形を作る事も、可能ですので、臨機応変に形を、作って下さい。
・ 底が極端に狭く、口径の大きな作品などは、上下逆に作る事により、解決する場合があります。
どうすれば、「振れ」を起こさない様に、形を作れるかを、常に考えて置くと、良いでしょう。
) 「こて」の使用について。
・ 「こて」は、形作る際、広い範囲を、手や指に代わり、確実に押さえ込む事が出来る、道具です。
・ 「柄こて」は、口径の狭い、袋物の形を作る際、手が中に入らない為、手の代用に使います。
いずれの「こて」を使う時は、「こて」をしっかり握り、「ぶれ」ない様にします。
・ 「こて類」は、初心者は、なるべく使わない方が、良いでしょう。
轆轤作業では、手や指の感覚が、大切です。「こて」は間接的に、土に触る事になりますので、
ある程度の、技術を習得後に、使う事を薦めます。
以下次回に続きます。
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