轆轤作業中に、作品が振れる事は、「悪い事」との前提で、お話して来ましたが、ある部分では、「振れ」
即ち、歪み(ゆがみ)を、歓迎する作品もあります。特に茶道の抹茶々碗は、歪みが大切な要素(見所)と
なります。茶碗だけでなく、花生けや、水指なども、歪みが珍重されます。
昔の轆轤は、電動轆轤の様に、ボールベアリングを、使用せず、動きも重く、スムーズに回転し難い物で
作品も、自然に歪む傾向にありました。その事が、幸いしたとも、言われています。
・ 電動轆轤は、回転が滑らかな為、綺麗に出来すぎる、嫌いが有ります。
その為、わざと歪ませる為に、横から軽く叩いて、「振れ」を起こさせる事もありますし、口縁に
凹凸(山道)をつける為、部分的に、切り取ったりもします。
前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いてお話します。
⑪ 径を狭める時の問題
轆轤は、背を高くする事と、直径を広げる事、そして狭める事で、作品を形作る道具です。
) 径を狭めるには、外側から、中心に向かって、力を入れます。
但し、ある程度の、理屈を理解しないと、径を細く出来ませんし、「振れ」も発生します。
・ 垂直の壁に水平方向から、中心に向かい、力を加える事で、最も力を有効に、使う事が出来ます。
それ故、細くしたい場合には、径をやや太くしてでも、土を垂直にすると、良いでしょう。
) 径を細くする場所は、口縁の近辺、高さの中ほど(胴の部分)、底の周辺などが、あります。
) 口縁の周辺を、細めるとは、首や口作りの場合です。
a) ここで、注意する事は、細くしようとする部分の、肉厚をある程度、厚くしておく、必要がある
事です。肉が厚ければ、厚いほど、外側の力で、容易に細く出来ます。
肉厚が薄く「ぺらぺら」の場合は、いくら力を加えても、径を細く出来ません。
b) 径を細くすると、肉厚が厚く成ります。この状態で、更に細くしようとすると、拠れが発生
します。 一度薄く延ばしてから、再度径を細める作業を、繰り返しながら、徐々に細めます。
c) 径を細める時の、もう一つの大事な事は、細める部分の土に、逃げ場を作らない事です。
両手で輪が出来る程度の径の場合、土が完全な円になる様に、細めます。
・ 初心者に多い現象は、細めるべき土が、外に逃げ、土が楕円系になる事です。
即ち、楕円の長径方向に、土が逃げ、中々径を細くする事が、出来ません。
・ 径が細くなるに従い、指との抵抗を少なくする為、6本指、4本指と指の本数を、少なくして
行きますが、その場合でも、各々の指の間隔を、一定にする事で、確実に細める事が、出来
ます。間隔に広い狭いが有ると、広い部分に、土が逃げます。
d) 鶴首の様に、細長い首を作る場合にも、「振れ」が発生し易いです。
台形型の首ならば、さほど問題になりませんが、同じ太さの長い首になると、一度にこの形に
すると、「振れ」が発生します。まずは、台形型にしてから、徐々に細めて行きます。
b)でも述べた様に、細くする時は、肉を薄くしながら、細めて下さい。その結果、首はどんどん
長くなります。中に指が入らない場合は、細い「柄こて」を使います。
) 胴の部分を細くするのは、さほど難しく、ありません。
但し、極端に細い場合には、上下別々に作って、乾燥後接着した方が、安全です。
) 下部の径を細くする事は、「振れ」が発生しやすく、なるべく行わない様にすべきです。
底削りの際、余分な土を、削り取る事で、径を細く出来ますので、あえて冒険は、しないほうが
良いでしょう。
⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題
以下次回に続きます。
即ち、歪み(ゆがみ)を、歓迎する作品もあります。特に茶道の抹茶々碗は、歪みが大切な要素(見所)と
なります。茶碗だけでなく、花生けや、水指なども、歪みが珍重されます。
昔の轆轤は、電動轆轤の様に、ボールベアリングを、使用せず、動きも重く、スムーズに回転し難い物で
作品も、自然に歪む傾向にありました。その事が、幸いしたとも、言われています。
・ 電動轆轤は、回転が滑らかな為、綺麗に出来すぎる、嫌いが有ります。
その為、わざと歪ませる為に、横から軽く叩いて、「振れ」を起こさせる事もありますし、口縁に
凹凸(山道)をつける為、部分的に、切り取ったりもします。
前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いてお話します。
⑪ 径を狭める時の問題
轆轤は、背を高くする事と、直径を広げる事、そして狭める事で、作品を形作る道具です。
) 径を狭めるには、外側から、中心に向かって、力を入れます。
但し、ある程度の、理屈を理解しないと、径を細く出来ませんし、「振れ」も発生します。
・ 垂直の壁に水平方向から、中心に向かい、力を加える事で、最も力を有効に、使う事が出来ます。
それ故、細くしたい場合には、径をやや太くしてでも、土を垂直にすると、良いでしょう。
) 径を細くする場所は、口縁の近辺、高さの中ほど(胴の部分)、底の周辺などが、あります。
) 口縁の周辺を、細めるとは、首や口作りの場合です。
a) ここで、注意する事は、細くしようとする部分の、肉厚をある程度、厚くしておく、必要がある
事です。肉が厚ければ、厚いほど、外側の力で、容易に細く出来ます。
肉厚が薄く「ぺらぺら」の場合は、いくら力を加えても、径を細く出来ません。
b) 径を細くすると、肉厚が厚く成ります。この状態で、更に細くしようとすると、拠れが発生
します。 一度薄く延ばしてから、再度径を細める作業を、繰り返しながら、徐々に細めます。
c) 径を細める時の、もう一つの大事な事は、細める部分の土に、逃げ場を作らない事です。
両手で輪が出来る程度の径の場合、土が完全な円になる様に、細めます。
・ 初心者に多い現象は、細めるべき土が、外に逃げ、土が楕円系になる事です。
即ち、楕円の長径方向に、土が逃げ、中々径を細くする事が、出来ません。
・ 径が細くなるに従い、指との抵抗を少なくする為、6本指、4本指と指の本数を、少なくして
行きますが、その場合でも、各々の指の間隔を、一定にする事で、確実に細める事が、出来
ます。間隔に広い狭いが有ると、広い部分に、土が逃げます。
d) 鶴首の様に、細長い首を作る場合にも、「振れ」が発生し易いです。
台形型の首ならば、さほど問題になりませんが、同じ太さの長い首になると、一度にこの形に
すると、「振れ」が発生します。まずは、台形型にしてから、徐々に細めて行きます。
b)でも述べた様に、細くする時は、肉を薄くしながら、細めて下さい。その結果、首はどんどん
長くなります。中に指が入らない場合は、細い「柄こて」を使います。
) 胴の部分を細くするのは、さほど難しく、ありません。
但し、極端に細い場合には、上下別々に作って、乾燥後接着した方が、安全です。
) 下部の径を細くする事は、「振れ」が発生しやすく、なるべく行わない様にすべきです。
底削りの際、余分な土を、削り取る事で、径を細く出来ますので、あえて冒険は、しないほうが
良いでしょう。
⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題
以下次回に続きます。
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