わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(作品の振れ11)

2011-02-22 20:57:35 | 轆轤の上達方法
轆轤作業中に、作品が振れる事は、「悪い事」との前提で、お話して来ましたが、ある部分では、「振れ」

即ち、歪み(ゆがみ)を、歓迎する作品もあります。特に茶道の抹茶々碗は、歪みが大切な要素(見所)と

なります。茶碗だけでなく、花生けや、水指なども、歪みが珍重されます。

昔の轆轤は、電動轆轤の様に、ボールベアリングを、使用せず、動きも重く、スムーズに回転し難い物で

作品も、自然に歪む傾向にありました。その事が、幸いしたとも、言われています。

・ 電動轆轤は、回転が滑らかな為、綺麗に出来すぎる、嫌いが有ります。

  その為、わざと歪ませる為に、横から軽く叩いて、「振れ」を起こさせる事もありますし、口縁に

  凹凸(山道)をつける為、部分的に、切り取ったりもします。

前置きが長くなりましたが、本日のテーマに付いてお話します。

 ⑪ 径を狭める時の問題 

   轆轤は、背を高くする事と、直径を広げる事、そして狭める事で、作品を形作る道具です。

  ) 径を狭めるには、外側から、中心に向かって、力を入れます。

     但し、ある程度の、理屈を理解しないと、径を細く出来ませんし、「振れ」も発生します。

   ・ 垂直の壁に水平方向から、中心に向かい、力を加える事で、最も力を有効に、使う事が出来ます。

     それ故、細くしたい場合には、径をやや太くしてでも、土を垂直にすると、良いでしょう。

  ) 径を細くする場所は、口縁の近辺、高さの中ほど(胴の部分)、底の周辺などが、あります。

  ) 口縁の周辺を、細めるとは、首や口作りの場合です。

   a) ここで、注意する事は、細くしようとする部分の、肉厚をある程度、厚くしておく、必要がある

     事です。肉が厚ければ、厚いほど、外側の力で、容易に細く出来ます。

     肉厚が薄く「ぺらぺら」の場合は、いくら力を加えても、径を細く出来ません。

   b) 径を細くすると、肉厚が厚く成ります。この状態で、更に細くしようとすると、拠れが発生

     します。 一度薄く延ばしてから、再度径を細める作業を、繰り返しながら、徐々に細めます。

   c) 径を細める時の、もう一つの大事な事は、細める部分の土に、逃げ場を作らない事です。

     両手で輪が出来る程度の径の場合、土が完全な円になる様に、細めます。

    ・ 初心者に多い現象は、細めるべき土が、外に逃げ、土が楕円系になる事です。

      即ち、楕円の長径方向に、土が逃げ、中々径を細くする事が、出来ません。

    ・ 径が細くなるに従い、指との抵抗を少なくする為、6本指、4本指と指の本数を、少なくして

      行きますが、その場合でも、各々の指の間隔を、一定にする事で、確実に細める事が、出来

      ます。間隔に広い狭いが有ると、広い部分に、土が逃げます。

   d) 鶴首の様に、細長い首を作る場合にも、「振れ」が発生し易いです。

     台形型の首ならば、さほど問題になりませんが、同じ太さの長い首になると、一度にこの形に

     すると、「振れ」が発生します。まずは、台形型にしてから、徐々に細めて行きます。

     b)でも述べた様に、細くする時は、肉を薄くしながら、細めて下さい。その結果、首はどんどん

     長くなります。中に指が入らない場合は、細い「柄こて」を使います。

 ) 胴の部分を細くするのは、さほど難しく、ありません。

    但し、極端に細い場合には、上下別々に作って、乾燥後接着した方が、安全です。

 ) 下部の径を細くする事は、「振れ」が発生しやすく、なるべく行わない様にすべきです。

    底削りの際、余分な土を、削り取る事で、径を細く出来ますので、あえて冒険は、しないほうが

    良いでしょう。

 ⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題

以下次回に続きます。

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