わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 菓子器 1

2010-06-30 22:24:26 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
菓子器について、お話致します。

  茶事に於いて、お菓子もまた重要な物となります。

  菓子は、抹茶を頂く前に、胃を保護し、お茶をより美味しするの物で、味覚を楽しむ為に出されます。

  四季折々の、菓子を用意し、客をもてなす事は、もてなす側の、センスと腕の、見せ所と成ります。

 ・ お抹茶を頂く前には、必ず和菓子を、頂いてから、お抹茶を頂きます。

   そのお菓子を入れる容器は、焼き物の鉢や、漆器のお重の様な物など、色々あります。

 ・ 菓子器には、濃茶用の主菓子器と、薄茶用の干菓子器が有ります。

   主菓子(おもがし)と、干菓子(ひがし)では、使われる菓子器の種類が違います。

   主菓子は、陶器や塗りの深めの器で、干菓子は、籠や塗りの皿など、平らな菓子器が使われます。

 ・ 現在では、薄茶に主菓子や干菓子を、組み合わせて、出される事もあります。

1) 主菓子器

   焼き物と、塗り物があります。一般的には、焼き物は、風炉の時期に、塗り物は炉の時期に

   使います。

   主菓子は、懐石同様に、一人一器を原則とし、最も正式な主菓子器は、菓子椀を用います、

   一椀ごとに、杉楊枝と、黒文字を箸一膳として添えます。

   又、改まった折に、使われる縁高(後述)、朱三足高杯(たかつき)等や、蓋のある食籠(じきろう)も

   あります。

   主菓子は生菓子ともいい、饅頭や餅菓子、羊羹(ようかん)、練切などの、ボリュームのある

   お菓子が使われます。

2) 干菓子器(ひがしき)

   塗り物、金属製、木、竹などで、蓋の無い物もあり、形も様々です。 

   干菓子用には、塗物や木地物が多く使われます。焼き物は、少ない様です。

   干菓子とは、乾いた菓子の事で、有平糖(ありへいとう)、煎餅(せんべい)、打物(落雁など)、

   押物などがあります。 (上記菓子が、どの様な物かの説明は、省略します。)

   干菓子の盛り込みは、一種、二種、三種類を盛る事があります。

   二種あれば二種、三種あれば三種を、一つ一つ取ります。

   客の人数よりも、多目に盛って客に出します。客は手で菓子を取るります。

3) 菓子器には、様々な色や、形(デザイン)、更に、素材がり、茶道具と、どう合わせるかを

   考えるのも楽しみの、一つです。

  ① 食籠(じきろう): 客数の菓子を盛り入れ、菓子箸、又は、黒文字箸を、蓋上に一膳置いて

    取り回します。

    主に表千家が、使用する菓子器で、漆塗りですが、陶磁器や、籠地の蓋付きの菓子器です。

   ・ 食籠は温かい菓子の時、又は、腰掛などで出す際に、使用するのが良い様です。

  ② 縁高(ふちだか): 菓子器の縁が、高くなっているので、縁高と言います。

   ・ 五段重ね(重箱形)の器です、一番上の段には蓋がついています。 

     6寸の長めの、黒文字楊枝を、一人一本、人数分つけます。

   ・ 正客 は、最下段から順番に採り、次客へ送ります。

     五重(五人分)が正式で、菓子は 一重に一個ずつ入れます。

     客数が増えると、一重に、複数盛ります。

  ③ 菓子碗: 朱塗縁金の、やや低目の蓋付椀です。最も正式な、菓子器とされる物です。

    又、焼き物の、蓋付きの、円形の菓子碗も、有ります。

  ④ 銘々皿: 菓子椀と縁高の扱いを、簡略した物で、銘々盆と皿があり、一客一器に菓子を盛り、

    楊枝か、黒文字を一本ずつ添えます。

  ⑤ 更に略して、盛込鉢や盛皿があります。

    「盛込鉢」は、1つの鉢に、客の人数分の、主菓子を盛り合わせて、勧める鉢です。

   ・ 大寄せの茶会の時は、主菓子器に数個盛り合わせます。

     平たい鉢や、深鉢など、お菓子が映える物を、使います。

     但し、 大広間の大寄せの茶会でも、大鉢に、たくさん盛り込むのは、避けます。

 以下次回に続きます。

菓子器
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