前回の続きを述べます。
④ リチウムについて
・ リチウムは、釉の光沢や、機械的強度を増し、風化に対しても、強い物質です。
・ 更に、熔融剤としても強いので、珪酸、アルミナ、石灰を多量に使う釉に対して、有効です。
・ 酸化リチウム(Li2O)を、0.5 % 入れると釉の流動性を増し、光沢が出ると伴に、
ピンホールの予防にも成ります。
・ 又、釉を安定化させ、銅の色釉では、美しい青色が出ます。
・ 釉の原料として、ペタライト(Li2O・Al2O3・8SiO2)や、炭酸リチウムが有ります。
・ クロム緑やピンク釉に、亜鉛華(ZnO)は使えず(発色を阻害)、貫入が出や易いですが、
リチウムを入れる事によって、貫入を予防出来ます。
⑤ 石灰について
石灰は、殆どの釉に使われています。それは、
・ 硬度を増し、磨耗に強く、耐水性に優れ、更に風化に対しても強いからです。
・ 又 他の熔融剤と比較すると、引っ張り強度を増し、熱膨張(収縮)率を著しく、低くします。
・ 石灰の量が、ある範囲以上に成ると、耐火度が増し、冷却時、灰長石と言う結晶が
細かく分離し、マット釉に成ります。
マット釉を作る際、この石灰を多く入れる方法が、一般的です。
但し、過剰に入れると、結晶が気泡化を起こします。その際には、珪酸を少量入れると、
気泡を抑える事が出来ます。
・ 石灰石は比重が軽く、釉薬中で他の原料を浮かせる、役目もします。
⑥ マグネシア(MgO)について
・ マグネシアは、高温で強力な熔融剤に成り、流動性を増大させ、他の熔融剤より、
膨張係数を低下させます。貫入防止剤にも成ります。
・ 低温では、逆に難熔性で、1100 ℃以下では、0.2 ~ 0.4 モル程度で半艶消し~艶消し釉
(マット)に成ります。
・ 釉の原料としては、マグサイト(MgCO3)、安価なドロマイト(MgCO3・CaCO3)、滑石(タルク)
を使います。
・ マグネシア釉の、表面張力の大きさを利用した、装飾方法として、以下の方法が有ります。
素焼素地に、光沢色釉を全面塗り、その上から、マグネシア釉をスプレー掛けし、焼成すると、
下掛け釉が、熔けて流れ、マグネシア釉が熔ける際、下の釉に引っ張られ、色々の場所に、
貫入の様な筋が出来ます。
⑦ 酸化バリウムについて
他の成分との化学反応が弱く、更に耐火度が高い(熔け難い)為、あまり利用されませんが、
熔け難い事から、逆に艶消し(マット)釉として利用できます。
以下次回に続きます。
④ リチウムについて
・ リチウムは、釉の光沢や、機械的強度を増し、風化に対しても、強い物質です。
・ 更に、熔融剤としても強いので、珪酸、アルミナ、石灰を多量に使う釉に対して、有効です。
・ 酸化リチウム(Li2O)を、0.5 % 入れると釉の流動性を増し、光沢が出ると伴に、
ピンホールの予防にも成ります。
・ 又、釉を安定化させ、銅の色釉では、美しい青色が出ます。
・ 釉の原料として、ペタライト(Li2O・Al2O3・8SiO2)や、炭酸リチウムが有ります。
・ クロム緑やピンク釉に、亜鉛華(ZnO)は使えず(発色を阻害)、貫入が出や易いですが、
リチウムを入れる事によって、貫入を予防出来ます。
⑤ 石灰について
石灰は、殆どの釉に使われています。それは、
・ 硬度を増し、磨耗に強く、耐水性に優れ、更に風化に対しても強いからです。
・ 又 他の熔融剤と比較すると、引っ張り強度を増し、熱膨張(収縮)率を著しく、低くします。
・ 石灰の量が、ある範囲以上に成ると、耐火度が増し、冷却時、灰長石と言う結晶が
細かく分離し、マット釉に成ります。
マット釉を作る際、この石灰を多く入れる方法が、一般的です。
但し、過剰に入れると、結晶が気泡化を起こします。その際には、珪酸を少量入れると、
気泡を抑える事が出来ます。
・ 石灰石は比重が軽く、釉薬中で他の原料を浮かせる、役目もします。
⑥ マグネシア(MgO)について
・ マグネシアは、高温で強力な熔融剤に成り、流動性を増大させ、他の熔融剤より、
膨張係数を低下させます。貫入防止剤にも成ります。
・ 低温では、逆に難熔性で、1100 ℃以下では、0.2 ~ 0.4 モル程度で半艶消し~艶消し釉
(マット)に成ります。
・ 釉の原料としては、マグサイト(MgCO3)、安価なドロマイト(MgCO3・CaCO3)、滑石(タルク)
を使います。
・ マグネシア釉の、表面張力の大きさを利用した、装飾方法として、以下の方法が有ります。
素焼素地に、光沢色釉を全面塗り、その上から、マグネシア釉をスプレー掛けし、焼成すると、
下掛け釉が、熔けて流れ、マグネシア釉が熔ける際、下の釉に引っ張られ、色々の場所に、
貫入の様な筋が出来ます。
⑦ 酸化バリウムについて
他の成分との化学反応が弱く、更に耐火度が高い(熔け難い)為、あまり利用されませんが、
熔け難い事から、逆に艶消し(マット)釉として利用できます。
以下次回に続きます。