わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬の調合 (ジェーゲル式2)

2008-12-17 23:24:23 | 釉薬の調合と釉を掛ける
前回の続きを述べます。説明がダブりますけれど、ご容赦下さい。

 前回ジェーゲル(ゼーゲル)式は、以下の式で示される事を、説明しました。

   R O・m Al2 O3・n Si O2

R O 1モルに対して、Al2 O3 が m モル、Si O2 が n モル、の関係にある事を示しています。

 ① R O を構成する酸化物は、以下の様な原料が有ります。

    K2O1、Na2O、CaO、MgO、BaO、ZnO、FeO、MgO、PbO、CdO、CuO、NiOなど

 ② Al2 O3 を構成する原料は

    Al2O3、B2O3、Fe2O3、Sb2O3、Cr2O3、Mn2O3 など

 ③ Si O2 を構成する原料は

    SiO2、TiO2、SnO2、MoO2 などが有ります。

1) この式の利用方法

  この式から、以下の事が解かります。

 ① ジェーゲル番号(SKで表される)から、m、n の数値が決まり、溶ける温度が、推定できる。

 ② 釉が透明か、不透明か、光沢釉か、マット釉かが推測れきる。

 ③ 原料の割合が計算でき、容易に調合する事が出来る。


イ) では①から詳細を述べたいと思います。

  ジェーゲル錐(コーン)は SK-022(600℃)~Sk-42(2,000℃)まで作られています。

  陶芸で(特に本焼き)必要な範囲は、SK-5a(1180℃)~SK-10(1,300℃)位です。

  但し、ジェーゲル錐が倒れる温度では、釉薬は十分溶けません。溶ける温度で調合するには、

   ・100℃程度低い温度の、ジェーゲル錐の番号を選びます。

  ・ 即ち 1,230℃の釉薬を作るには、SK-2a の数値を使います。
     

  この範囲の数値を入れて見ましょう。(単位はモルです)

            MgO  CaO  Na2O  K2O  B2O3  Al2O3  SiO2

SK-01a(1,080℃) 0.151  0.541  0.134   0.174   0.268   0.625   4.931

SK-1a(1,100℃)  0.122   0.571   0.109   0.198   0.217   0.639   5.320

Sk-2a(1,120℃)  0.096   0.599  0.085   0.220   0.170   0.652   5.687

Sk-3a(1,140℃)  0.067   0.630   0.059   0.244   0.119   0.667   6.083

Sk-4a(1,160℃)  0.048   0.649   0.043   0.260   0.086   0.676  6.339

SK-5a(1,180℃)  0.032   0.666   0.028   0.274   0.056   0.684   6.565

Sk-6a(1,200℃)   0.014  0.685  0.013   0.288   0.026   0.693   6.801

SK-7 (1,230℃)   ----   0.7    ----   0.3   ----     0.7     7.0

Sk-8 (1,250℃)   ----   0.7    ----   0.3   ----     0.8    8.0

SK-9 (1,280℃)   ----   0.7    ----   0.3   ----     0.9    9.0

SK-10(1,300℃)  ----   0.7    ----   0.3   ----    1.0    10.0


以下次回に続きます。

 陶芸釉薬の調合 ゼーゲル式   
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