、ジェーゲル(ゼーゲル)式を基にした、釉薬の例として、Sk-8(1250℃)の釉薬を調合します。
釉薬としては、ジェーゲルコーンのSK-8よりも、5番少ない番号Sk-3a(1140℃)を使う様にと、
前回まで述べて来ました。
・ 但し、ジェーゲルコーンは、1時間当たり100℃の割合で、温度上昇させ、その温度で、
コーンが軟らかく成り、頭が床に着くと言う事を意味しています。
・ 即ち、Sk-8(1250℃)は12時間30分の焼成の結果です。
上昇温度は、窯の大きさ、作品の量、燃料の違い、粘土の違い、その他の条件によって、
窯毎に違います。
現在の市販されている窯は、もっと短時間で、焼成する窯が一般的です。
それ故、更に溶けやすくする為に、もう1番下の番号を、選んだ方が無難です。
・ 結論として、Sk-8で溶ける釉薬は、Sk-2a(1120℃)のジェーゲル式を使う事です。
1) では実際の調合例を述べます。
① SK-2a のジェーゲル式は、(前々回述べましたが、)以下の様になります。
MgO=0.096 CaO=0.599 Na2O=0.085 K2O=0.220 B2O3=0.170
Al2O3=0.652 SiO2=5.687
・ 1R O の成分は簡単にするため、CaO = 0.6 K2O、Na2O = 0.4 とします。
・ 即ち 1R O ・ 0.652 Al2O3 ・ 5.687 SiO2 と成ります。 (単位はモル)
(石灰系の釉薬に成ります)
(注: R O に相当する成分は各種有りますが、溶媒(=溶け易くする物質)と言います。
溶媒としての働きは、同じ様ですが、色釉の着色金属との反応や、酸化、還元焼成では、
各々独自の作用が有ります。 詳細は、後日説明致します。)
② 釉薬の原料として、福島長石(カリ=正長石)、福島珪石、朝鮮カオリン、石灰石を
使い、釉を調合します。
・ 上記物質の、100g当たりの、化学分析値、及びモル数を記します。
Al2O3 SiO2 FeO3 CaO MgO K2O Na2O
長石 18.57 66.74 0.18 0.24 ー 10.42 3.48
モル数 0.182 1.111 0.111 0.056
珪石 0.56 98.62 0.03 0.39 ー 0.05 0.28
モル数 1.643
カオリン 37.27 45.82 0.58 0.60 0.25 0.54 0.46
モル数 0.366 0.764
石灰石 0.20 0.40 0.02 55.05 0.04 0.05 0.20
モル数 0.983
(前回紹介した「入門やきものの科学」より)
以下 次回に続きます。
陶芸釉薬の調合
釉薬としては、ジェーゲルコーンのSK-8よりも、5番少ない番号Sk-3a(1140℃)を使う様にと、
前回まで述べて来ました。
・ 但し、ジェーゲルコーンは、1時間当たり100℃の割合で、温度上昇させ、その温度で、
コーンが軟らかく成り、頭が床に着くと言う事を意味しています。
・ 即ち、Sk-8(1250℃)は12時間30分の焼成の結果です。
上昇温度は、窯の大きさ、作品の量、燃料の違い、粘土の違い、その他の条件によって、
窯毎に違います。
現在の市販されている窯は、もっと短時間で、焼成する窯が一般的です。
それ故、更に溶けやすくする為に、もう1番下の番号を、選んだ方が無難です。
・ 結論として、Sk-8で溶ける釉薬は、Sk-2a(1120℃)のジェーゲル式を使う事です。
1) では実際の調合例を述べます。
① SK-2a のジェーゲル式は、(前々回述べましたが、)以下の様になります。
MgO=0.096 CaO=0.599 Na2O=0.085 K2O=0.220 B2O3=0.170
Al2O3=0.652 SiO2=5.687
・ 1R O の成分は簡単にするため、CaO = 0.6 K2O、Na2O = 0.4 とします。
・ 即ち 1R O ・ 0.652 Al2O3 ・ 5.687 SiO2 と成ります。 (単位はモル)
(石灰系の釉薬に成ります)
(注: R O に相当する成分は各種有りますが、溶媒(=溶け易くする物質)と言います。
溶媒としての働きは、同じ様ですが、色釉の着色金属との反応や、酸化、還元焼成では、
各々独自の作用が有ります。 詳細は、後日説明致します。)
② 釉薬の原料として、福島長石(カリ=正長石)、福島珪石、朝鮮カオリン、石灰石を
使い、釉を調合します。
・ 上記物質の、100g当たりの、化学分析値、及びモル数を記します。
Al2O3 SiO2 FeO3 CaO MgO K2O Na2O
長石 18.57 66.74 0.18 0.24 ー 10.42 3.48
モル数 0.182 1.111 0.111 0.056
珪石 0.56 98.62 0.03 0.39 ー 0.05 0.28
モル数 1.643
カオリン 37.27 45.82 0.58 0.60 0.25 0.54 0.46
モル数 0.366 0.764
石灰石 0.20 0.40 0.02 55.05 0.04 0.05 0.20
モル数 0.983
(前回紹介した「入門やきものの科学」より)
以下 次回に続きます。
陶芸釉薬の調合