ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

がんばってる現場に『原発賛成、反対』を切り離した援助を!

2011年06月24日 | 日本とわたし
ふんばろう東日本支援プロジェクト 
家電を被災地に送ろう!

↑このふたつのプロジェクトは、西條剛央氏(構造構成主義を体系化した日本の心理学者であり哲学者。早稲田大学大学院専任講師)が、次々に浮かび上がるアイディアをツィッターに流し、そこからのつながりによって立ち上げられたものです。

3月11日から30日までの間は、仙台にある実家がとりあえず無事だったということを確認し、教えることと書くことを続けておられたのですが、
16日にとうとう、被災地に向かうことを心の中で決められたそうです。

土地勘のあるお父様と一緒に向かった始めの被災地が、南三陸町でした。
以下は、糸井さんとの対談(ほぼ日刊イトイ新聞)からの抜粋です。


『そのときは、こんなプロジェクト(ふんばろう東日本プロジェクト)をやろうなんて、まったく思ってませんでした。
とにかく、やれることをやんなきゃと思って、バンを荷物いっぱいにして行ったんです。

被災地は南北400キロにも及んでいるわけだから、ふつうに考えたら、ものが足りてるなんてことあり得ない。
絶対、人が行ってないところがあるはずだ、と。

でも、それにしても、あまりにもすべてが、破壊されていました。
その場に降り立ったら、すぐに、言葉を失ってしまいました。
ふらふらと、被災地をさまよい歩いてる感じだったです。

でも、たまたま、現地の三浦さんという方と知り合いまして、
「大きな避難所はすでに物資が山積みになってるから、小さな避難所を案内するよ」と。
それが、4月1日のことだったんです』


被災地を自分の足で回り、目で見、肌で感じた彼は、自分の学問がこの混沌とした世界に役立てることに気がつきました。


『「ある特定の状況」のもとで「ある目的を達成する手段」のことを「方法」と呼びますが、
これって「例外」がないんです、定義上。
ようするに、考えればいいポイントはふたつしかない。
それは「状況」と「目的」です。
今はどういう状況で、何を目的にしてるのか。

今回の場合は「被災者支援」ですけれども、このふたつを見定めることで「方法」の有効性が決まってくるんです。
方法化して、ツイッターでつぶやいて、あるていどまとまったら、ブログに載せました。

そんなことを、ほとんど寝ないでやってたら、1時間に1000人ぐらい、フォロワーがどんどん増えてって。
次の日の昼にはもう、サイトが立ち上がっていたんです。
みんなが、方向性の分からないベクトルみたいなものを持っていて、手をつなぐ先を探してたんですよね、きっと』


西條氏が立ち上げた『ふんばろう東日本支援プロジェクト』のことをわたしが知ったのも、ツィッターでした。
見知らぬ人とネットを通じて知り合い、知り合った後も会えるかどうかも定かでなく、どうしてそんな人達を信用できるのか、家族や友人から問われたことがあります。
わたしはいつもそういう時に、答が浮かんできません。
でも、それぞれが持つ、方向性が分からないベクトルみたいなものが、自分のそれと合っている、という直感、
そして、もちろんバーチャルな世界の中での会話でも、続けているうちに、そこにその人の思いや人となりが透けて見えてきます。

阪神大震災の時にはなかった新しい世界が、この震災を新しい形に導いてくれるかもしれません。
きっかけがネットであれなんであれ、最後には人の手から手に渡されるところにつながっていくのだと思います。
さあ、わたしもまたがんばるぞ!

立ち上がった子供たち!

2011年06月24日 | 日本とわたし
『郡山の児童・生徒ら、学校の疎開求め仮処分申し立て』 

えらいぞあんたら!
みんな、これ↓に続け!

<共同通信>

『福島第1原発事故で放射線被害の恐れが強いとして、福島県郡山市の児童と生徒計14人が24日、市に学校ごと疎開する措置を求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申し立てた。
原発事故による子どもの被曝(ひばく)をめぐり、司法判断を求めた初のケースとみられる。

児童生徒の被曝放射線基準をめぐっては、文部科学省が4月、校庭の利用制限基準を年換算で20ミリシーベルトと通知したが、
保護者らの反発を受け、5月末に年1ミリシーベルト以下に抑える目標を示している。

申立書によると、14人が通う小中学校7校の積算放射線量は、爆発事故があった3月12日からの75日間だけで3.8~6.67ミリシーベルト。
既に目標値を大きく上回り、校庭や通学路の除染だけではもはや不十分としている。

郡山市の原正夫市長は「内容を把握していないので、現段階ではコメントを控える」との談話を出した』

中学生以下28万人、線量計配布にもの申す!

2011年06月24日 | 日本とわたし
雨雨雨。←続けて並べるとちょっとおもしろい!話にはなんにも関係ないけど……。

それにしてもよう降ります。
ほんまに呆れるほどよう降ります。
おかげでお肌は乾燥せず、けれどもネチョネチョ、しっとりを超えてます。

そんな天気が続いているので、ピアノの調子が二台とも良くありません。
湿度を自動で調整する機械を入れてある方のピアノでさえ、かなり音程が狂ってきました。

そこで、いつもお願いしている調律師のアルバートに来てもらいました。

カルロスさんから受け継いだピアノは、鍵盤が膨張してしまっていて、またまた手間のかかる作業が必要なことがわかりました。
ますます夏のバカンス計画が遠のいていきます。(もともとほぼゼロに近かったのですが……)おぉ~いっ!

調律が始まる前に、アルバートが眉根を寄せて、こんなことを聞いてきました。
「まうみ、日本の家族や友達は大丈夫かい?」
「ほとんどの人は関西方面で暮らしてるけども、数人の親戚や友達は関東で暮らしていて、汚染がずっと続いている今、彼らの身体はもちろんのことやけど、精神的な負担も心配やねん」
「でも、政府は汚染の度合いを計って、それをもとに、疎開が必要な人達を安全な地域に移動させてるんだろ?」
「全然」
「え?!」
「だから、全然って言うたん」
「そんな……まさか……」

長身の彼が、大げさではなく、少しよろつくほどにショックを受けていました。
彼にも小さな息子がいます。

「もしボクが今、東京に家族と暮らしているとしたら、もうなにがなんでも関西の方に逃げると思う。ボクはいいんだ。もうこの年だからね。けど、息子の未来を壊すわけにはいかない。そんなことをする自分を許すわけにはいかない」
「あなたとおんなじように考えてる人もいっぱいいはると思うけど、いろんなしがらみ抱えて、なかなか実行に移せへんねん」
「だからこその政府じゃないか!」
「みんな怒ってるよ。泣いてるよ。もう100日以上も経ってるのに、国が先頭に立ってやってることってなんもないもん」
「ここでそんなことしてたら、後で子供がどんどん病気になったり大人になってから発病したりしたら、ものすごい量の訴訟が起こる」
「日本でも起こるよきっと」
「けど、訴えても、国はあらゆる手を使って勝とうとするはず。病気の子供と生活を抱えて、証明が難しい発病の因果関係についての闘いに、素人がどれだけの時間とエネルギーを費やせるか、そこまで国はちゃんと計算済みのはず」
「……」

彼は黙っているわたしを哀しそうな目で見ながら、それでもブツブツと「学童疎開がまだなんて……」とつぶやいていました。

やっと、三ヶ月後の今日、『積算放射線量を測る小型線量計を子供に配布する市町村に、費用の全額を補助する方針を決めた。対象は0歳から中学生までの約28万人』という報道を見つけました。

線量計なんかに巨額なお金を使うくらいなら、その子らを即刻、線量計なんか必要のないとこに移住させてあげてください!
その子らや、その子らの親が必要なのは、線量計なんかじゃなくて、普通に暮らせる毎日です!
まず、放射線が降り注いでいる地域に、福島県だけに限らないすべての地域にまだ生活を続けている人達を、
とにかくひとまず、息をしても、水を飲んでも、ものを食べても大丈夫な場所に移動させてあげてください!
ほんの1ヶ月だけでも、体調がかなり回復すると聞いてます。
息を吸い込むたび、水や食べ物が喉を通るたび、いちいち不安になることの辛さを、想像してあげてください!
子供が子供らしく、遊んだり、こけたり、怪我をしたり、いろんな物に興味をもって触ったりできる場所に移してあげてください。

町の、市の、村の長たる方々にお願いします。
どうか、まず、とにかく一日も早く、普通に暮らせる所に、ひとまず移動できる環境を整えてあげてください!
線量計なんかいらん!
そう突っぱねるぐらいの勢いで、政府に楯突いてください!
本当に今、誰もが持ち歩かなければならないほどに必要になった線量計……どこの国にそんな非常識な必要性があるというんですか?
それはチェルノブイリの事故で充分に学んだことではなかったのですか?
どうして今までのこの、完全無視を続けられるんですか?
恥ずかしくないんですか?
罪の意識はないんですか?