まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

俺は不死身のイケメンだ!

2024-06-16 | 日本映画
 「ゴールデンカムイ」
 日露戦争の帰還兵である杉元は、大金を稼ごうと北海道で砂金を採っていた。そんな中、アイヌが秘蔵していた金塊の情報を得た杉元は、ヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。利害が一致した杉元とアシリパは、共に金塊の行方を追うが…
 日本にも大好きなイケメン俳優はいっぱいいるのですが。残念ながら、そのほとんどが観たい!と思える映画やドラマには出てくれません。山﨑賢人もその一人です。賢人くんの出演作って、よく考えたら映画は「羊と鋼の森」とTVで観た「キングダム」、ドラマは「トドメの接吻」と「グッドドクター」ぐらいだわ。賢人くん、ほんとカッコカワイイですよね~。昔から好き。女よりきれいで可愛い顔!けど全然キャマっぽくない涼しげで凛とした男らしさ!汚れない透明感!メイク感のないナチュラルさ!無駄な肉なんか一片もなさそうなほっそりした長身!抱かれたい男というより、こんな男の子に生まれ変わりたいと思わせるイケメンです。あの容姿だけでもう人生勝ち組ですよ。そんな賢人くんですが、今やすっかり漫画俳優になってしまってるようです。彼のファンなら、それでも問題なし、不満なしなのでしょうか?彼の映画を観に行くことは、私のようなおっさんにはハードルが高い。若くてきれいな時にしかできない役や演技に挑戦してほしい!まあ漫画映画の主役も、若くてきれいなうちにしかできないとは思うけど、それにしても漫画実写に偏り過ぎてるような気もします。本人の意向なのか事務所の戦略なのかは知るよしもありませんが、もったいないなとは思います。彼の最新作であるこの作品も、人気漫画の実写でした。

 原作漫画についてはほぼ無知なのですが、うう~ん…やっぱ内容が漫画すぎるというか…わしのようなおっさんが楽しめる映画ではないですね~。まあ、それは想定内。いろいろツッコミどころの多いところは楽しめました。すごい低予算映画なのかな?と思うほど、CGと合成だらけなのが返って新鮮でした。戦場シーンやヒグマとか狼とか、もうちょっとリアルにできなかったのでしょうか。明らかにセットな雪山と小樽の町にも失笑。雪や水の中など、極寒さが全然伝わってこなかった。巨額の制作費をかけた洋画と比較はしたくないけど、最近は「オッペンハイマー」や「哀れなるものたち」「関心領域」など、映像もセットも圧巻の作品を観続けてるので、そのショボさ雑さに邦画の貧しさと限界を思い知らされ、ちょっと悲しくなってしまいました。

 まあ、内容も映像も私には二の次三の次。目当てはオンリー山﨑賢人なのだから賢人くん、やっぱキレイカワイイですね~ルックスだけなら、わし的には今の日本の芸能界ナンバーワンかも。顔がキレイカワイすぎて、「キングダム」もそうでしたが、戦場の猛者には1ミリも見えませんでしたタイマン張ったら吉田沙保里や伊調馨のほうが勝ちそうです。ワイルド&タフなキャラも、野郎っぽい言葉づかいも男臭さがなく、ただもう可愛い。凄んでみてもちっとも怖くも迫力もなく、ただもう可愛い。たまに語尾が『~だよ』とか『~だね』だったり、年下の少女を呼び捨てにせず『アシリパさん』と呼んだりする賢人くんの口調には、野卑にも粗野にもなれない地の優しさ、品のよさが出てしまっていて可愛かったです。

 この映画最大の見どころは、山﨑賢人の肉体美でしょう。ガリガリに近いほど細いイメージの賢人くんなので、彼主演で映画化が発表された時はかなり批判や失望の声があがったみたいですね。否定派に挑むかのように、役作りでかなり鍛えたみたいな賢人くん。序盤の銭湯シーンで、上半身裸に。ハリウッドや韓流俳優みたいなムキムキバキバキじゃないけど、しなやかに引き締まった美しい裸体でした。あれぐらいが理想的

 賢人くん、アクションや格闘などは正直かなり稚拙なので、すごいことやってます!みたいな宣伝はやめたほうがいいのでは、と思いました。でも、コメディ演技はチャーミングでした。カワウソやリスを食べる時の様子とか、ほっぺに串をブスっと刺されるシーンとか、おバカワイくてキュンキュンしました原作漫画もギャグ寄りなのかな?おバカなシーンが多かった。

 賢人くんas杉元、ほんとんど野良生活、闘いまくってるのに、まったく汚れないし破れもしない軍服やマフラーや、無精ひげひとつ生えないキレイな顔なども、微笑ましいツッコミどころでした。それにしても。どんな傷もすぐに治る杉元、なぜあんな不思議な体質になったの?戦争に行く前の、明治の書生っぽい賢人くんも可愛かったです。三島由紀夫の「春の雪」は、ブッキーじゃなくて10年前ぐらいの賢人くんにやってほしかったかも。

 若い出演者はみんな学芸会でした。脱獄囚の白石役の俳優、「Gメン」にも出てたけど、ああいう俺うまいでしょアピールが強い悪目立ち演技は苦手。中堅の玉木宏、ベテランの舘ひろしは、楽しそうにコスプレコント。キングダムみたいに、こっちもシリーズ化するみたいですが。金塊の行方とかまったく気にならないので、私はもういいです賢人の全裸とか濡れ場があれば観ます
 
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イケメン刑事に調教されたい♡

2024-05-26 | 日本映画
 久々に庭いじりを楽しみました(^^♪
 春の花はほとんど姿を消してしまい、ちょっと寂しくなっているマイリトルガーデンです。

 シネラリア、また種まきに失敗して、たったこれだけしか咲きませんでした。でも大好きなので、懲りずにまた秋に蒔きます。

 数年前の引っ越し祝いに老母が買ってくれた食虫植物も、枯れずに元気いっぱいです。

 アーティチョークも元気いっぱい。今年も存在感抜群です。

 このナスタチウム、花色が独特で好きなんです。

 ブータンルリマツリが咲くと、近づく夏に揺れる想い~♬by ZARD

 「湖の女たち」
 琵琶湖の近くにある高齢者施設で、入居者の不審死事件が発生する。事件を捜査する刑事の圭介は、施設の介護職員である加代との歪んだ愛欲に溺れていくが…
 吉田修一の小説って、たくさん映像化されてますが。残念ながら、特にすぐれた作品はないように思われます。「悪人」と「怒り」は悪くなかったけど、傑作とは言い難い。妻夫木聡が出てた、ブッキーがいっぱい脱いでた、ぐらいしか印象にない修一センセイおん自ら監督した短編「Water」がいちばんの秀作かも。この映画も、観に行く前に原作小説を読みました。正直あんまし面白くなかったけど、主人公の若い刑事役が福士蒼汰だったのでスルーできませんでした。福士くん、昔すごく好きだったんですよ。爽やかでカッコカワいかったわ~。でも、実力の伴わないゴリ押しが祟って映画もドラマも大コケ連発。同世代の若手俳優との競争は熾烈で、いつしか山崎賢人や菅田将暉、竹内涼真らの後塵に。そんな中、だらしない女性関係をスッパ抜かれたこともイタかった。私の中ではいつの間にか自然消滅してた福士くんが、脱カッコカワイイだけのイケメンを目論みアダルティな役に挑んだ!福士くんももう(まだ、とも言えるが)30歳。よい役者になれるかどうかの瀬戸際。本気モードの演技で魅せてくれるはず!そう信じて観に行きました。

 どうだったかというと…ビツクリしました!予想通り過ぎて!期待はしつつも、どうせ大したことはしてないんだろうな、という予想通りでガッカリよ確かに人気があった頃の福士くんが好きだった人が見たら、あの福士くんが…と驚かされる役ではあったんです。性関係でも尋問でも女をサディスティックに扱う刑事の役…なんだけど、何だろう、ぜんぜん怖くなかったというか…どんなに凄んでも異様なことをしても、ヤバい人感が希薄、どころか、まったくないんですよ目つきと表情も、狂気的というより眠そうなだけ、みたいな。劇中、容疑者役の財前直見が、あんな若い刑事にスゴまれても全然怖くないと言ってましたが、ほんとその通りだと思ったし。もうイケメンとは言い難い顔になってる福士くんですが、でもやっぱ可愛いく見えることもあるので、それも敗因のひとつになってしまったようです。公開2日目、週末の夕方なのに、観客は私だけ!というガラガラっぷりにもビツクリでした。

 加代との歪んだ性関係の描写も、ビツクリするほど大したことなし。『濡れてんのか』とか『性器を触れ』『ケツの穴もっと広げろや』などなど卑猥な台詞を口にしたり、車内で自慰行為をしたりする福士くんはかつてない彼でしたが、大胆な濡れ場などには挑戦してませんでした。セックスシーンなんて、一回もなかったし。原作ではあったはずだけど。全裸の濡れ場どころか、風呂上りシーンが唯一の脱ぎってバスタオルが落ちて一瞬ケツ見せ、というファンサービスはありましたが。若い頃に比べるとゴツくなってガッチリムッチリした、程よく脂ののった裸にはなかなか色気があったので、濡れ場で活かさないなんてもったいないなと思いました。

 圭介と加代の関係が、そんなに異常に見えなかったのも致命的。あれぐらいの変態行為、許容範囲ですよ殴ったり蹴ったりするわけじゃないし、若いカップルのソフトなSMプレイみたいで、むしろ楽しそうだったような私も福士くんみたいなイケメン刑事になら、あれぐらいOKだわあれがもし千原ジュニアとか日村みたいな刑事だったら超怖いし、即訴えますが。観客に衝撃を与え動揺させるほど病的で破滅的な堕落の悦び、死と隣り合わせのような性愛の深淵をのぞいてみたかった、けど、まあ今の邦画でそれは期待しずぎというもの。
 加代役の松本まりか、苦手かも…声がちょっと…全体的に軽いので、病的マゾの深刻さが感じられませんでした。あの役で脱いでなかったのもビツクリ。エマ・ストーンとかチョン・ドヨンみたいな大物女優でも、必要とあらばスパっと脱いでるのに。
 高齢者施設の事件と戦時中の731部隊がつながるミステリー部分も、ちょっと強引だし浅い薄い。だいたい、あんな女子高生みたいな記者に、関係者があっさりと秘密を打ち明け情報を提供するなんて、ありえないでしょ。それはそうと原作ではあの記者、若い男だったはずだけど。パワハラ先輩刑事役の浅野忠信も、もっと陰湿で卑劣だったらよかったんだけど。ことあるごとに福士くんの頭をはたく浅野氏、何だかドツキ漫才のツッコミ役みたいで笑えたし。学生時代に何度も行った琵琶湖が懐かしかったです。
 修一センセイ原作の最新映画「国宝」は、吉沢亮と横浜流星の美男競演。これは楽しみ。同性愛的な心理や関係性も、ちゃんと描いてほしいけど…
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シネマみたいなBLをした

2023-11-13 | イタリア映画
 秋の夜長の国際BL映画祭③ イタリア
 「ニュー・オリンポスで」
 1970年代のローマ。映画館で出会ったエネアとピエトロは、すぐに激しい恋に落ちる。しかし、思わぬ事態により二人は離れ離れになってしまう。会いたいと願いながら年月は過ぎ、エネアは映画監督、ピエトロは医師としてそれぞれの人生を歩んでいたが…

 BLといっても多種多様で、腐にとっても好みが別れます。私も三度の飯よりBL好きですが、男同士の恋愛ものなら何でもOK!ではなく、かなり偏ってます。まず絶対条件は、イケメンや男前の俳優主演好きな俳優がBLしてくれた時の至福ときたら。次は、適度な性愛シーンがあること。セックス?何それ?な乙女すぎるBLはダメ。かといって、生々しすぎるポルノみたいなBLも苦手。そして、ありえなさすぎる設定やキャラのファンタジー系BLも個人的にはNGです。社会問題を描くことに重きを置いてるBLもしんどい。このイタリア映画は、そういった私の要求をかなり満たしているBLになっていました。

 まず、主人公の二人がイケメンです。イタリアはほんと美男の国。互いに一目ぼれ、どっちかがブサイクだと成り立たない話は、ルッキズムだ!と不快に思う人もいるかもしれませんが、現実世界はともかく、映画の中の美しい人たちを崇め讃えることまで批判するのはお門違いのように思われます。とにかくエネアとピエトロ、どこで何をしていても絵になる美しいカップル!ゲイのハッテン場である映画館のトイレでさえ、ロマンチックな恋の舞台にしてしまうイケメンマジック!

 大事なポイントその2である、適度な性愛シーン。この映画ぐらいのラブシーンが、ほんと丁度いいんですよね~。全裸での絡みや行為はかなり大胆なんだけど、全然いやらしくなくて、求め合ってる愛し合ってる姿は若々しい情熱と優しさにあふれていて素敵でした。主演の二人の脱ぎっぷりがスゴすぎ。ボカシなし、デカいアソコ丸出しなのは、セックス中、セックス後の姿としては自然なんだけど、ちょっと目のやり場がばっちり見せるのは、お尻だけでいいかもそれにしても。コンプラ、ポリコレの悪しき風潮が、どんどん映画をつまんなくしてると、あらためて思いました。いやらしく撮らなければ、全裸も濡れ場も映画を美しく感動的なものにする大事な要素ですよね。

 ありえないファンタジーBL、男女の恋愛と変わらないようなBLではなく、ゲイならではの困難や苦悩と直面するBLだったのも、私の好みに合ってました。ライトでハッピーなBLも悪くないのですが、やっぱ男同士の愛には秘してこそ花な禁断感、深い悲しみと苦しみを求めてしまうんですよね~。でもこの映画、ドラマティックな展開と切ない悲恋が、ちょっと韓流ドラマっぽいんですよ。生き別れとか偶然すぎる再会とか、もろに韓流でした(笑)。ラストはイタリア映画の名作「ひまわり」へのオマージュみたいでした。70年代に吹き荒れた政治運動や映画撮影の現場なども、ラブストーリーの背景に巧く活用されていました。

 エネア役のデミアン・カヴィーノ、ピエトロ役のアンドレア・デイ・ルイジの好演を讃えたい。イケメン俳優がBLに挑戦するならこれぐらいは、と思える理想的な演技でした。どちらも存じ上げなかった俳優さんたちですが、二人とも美男子!そして大胆!デミアンはスマートで可愛いイケメン。アンドレアは朴訥な感じの男前。どっちもさすがイタリア男な色気。どっちもちょっと濃ゆいので、濃密系が苦手な人は胸やけ注意かも。エネアとピエトロは同い年という設定なのですが、そうは見えないのが気になった。出会った25歳の時のパートでは、ピエトロが老けて見えたけど熟年になってからは自然なイケオジに。逆にエネアは熟年になってからの老けメイクがちょっと不自然だった。実際のデミアンは現在22歳、アンドレアは28歳だって。若っ!二人の70年代ファッションがおしゃれでした。

 映画館の受付熟女、エネアの親友、ピエトロの妻、女性キャラも印象的でした。よく考えたらBLに関わる女性たちのほうが、より深刻な苦痛を味わってるんですよね~。男たちは恋に酔ってるだけでいい気なもんだよ。怒りや悲しみ、屈辱に苛まれても、地に足をしっかりつけて生きる女たち。女性のほうが現実的で、精神が強靭!
 ローマの街並みも魅力的!ピエトロとエネアが愛を交わす家も素敵だった。家のベランダから見渡せる風景が美しかった。「異人たちの棲む館」や「ナポリ 熟れた情事」など、イケメン映画の名手であるフェルザン・オズペテク監督、今回もオープンゲイならでの作風でした。日本でぜひリメイクしてほしいわ。ピエトロは竹内涼真か吉沢亮、エネアは横浜流星か山崎賢人がいいかも。「アキラとあきら」やキングダムシリーズよりも、断然こっちのほうがファンにとってはジョイフルですし
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墨色ながれぼし

2022-11-06 | 日本映画
 「線は、僕を描く」
 大学生の青山霜介は、バイト先で出会った高名な水墨画家、篠田湖山から弟子になるよう誘われる。ためらいながらも霜介は湖山に師事することになるが…
 次から次へと出現し、もう誰が誰だかわかんないほどひしめいてる若いイケメン俳優。今まさにイケメン群雄割拠。ポッと出やすいけど、生き残りはシビア。ただ若くてイケメンなだけなら、代わりはいくらでもいる。強い個性と確かな演技力がないと、加齢とともにあの人は今になってしまう宿命を負ってる彼らなので、私が好きなあのイケメンたちもこの先どうなることやらと、余計なお世話な心配をしてしまいます。そんな中、特に好きでもなく、どちらかと言えば苦手だった横浜流星の台頭に瞠目しています。流星くん、間違いなく美男なのですが、きれいすぎるというか。ちょっとイモっぽかったりサルっぽかったり系という私のタイプとは真逆で、酷薄そうな爬虫類っぽい顔が苦手だったですが、そんな顔だけで抱いてた偏見や独断は、いい役者じゃん!と驚嘆させた「流浪の月」の彼を見て払拭されました。

 「流浪の月」ではDV彼氏を怪演熱演した流星くんですが、この主演作では優しく穏やな好青年役で、すごく可愛かったです。フツーっぽく化けてたのも見事でした。あの顔でフツーっぽく見せるのは、なかなか至難の業だと思う。そういうところも、流星くんの演技力の高さの証になってました。フツーの青年役、フツーっぽい見た目と雰囲気、とはいえ、やっぱフツーじゃないところも彼の特異な魅力です。あんな顔の若い男、一般ピープル界にはまずいませんし。美しいと思った時の彼は、やはりどこか薄気味悪い酷薄さが。いい人の役よりも、悪役や異常者の役で活きそうな美しさ。それって他の同世代イケメン俳優と十把一絡げにはできない個性と魅力で強みになるはず。それらを大切にして、今後は某事務所のタレントでもできるような役ではなく、よりハイレベルな仕事に挑んでほしいと期待できる数少ない若手イケメン俳優と、いま私は流星くんのことを見なしてます。

 優しいけど内に暗い苦しみと痛みを秘めている霜介は、流浪の月の亮くんとカブるところもあり、そういうガラス細工の繊細さも秀逸な流星くんですが、どことなく退廃的なところにも惹かれる。きれいな薄い顔だけど、それとギャップのある髭剃りあとの濃さが男の色気を感じさせます。流浪の月では顔とそぐわぬスネ毛の濃さがちょっとエロかったし。若いけど何となく頽れた感じがするところが好きです。ゲゲゲの鬼太郎みたいな髪型がちょっと気になった。髪、切れよ!それじゃ描きにくかろう!と笑えたが。

 お話は、いい人しか出てこないNHKのドラマみたいでした。非現実的なほど汚さがないメルヘン、ファンタジー風味の設定やシーンなど、少女漫画みたいでもあった。山崎賢人の「羊と鋼の森」もそんな感じでしたね。画家とか芸術家って、あんな清らかで美しい生活や人間関係、創作活動してないと思う。湖山先生、霜介の才能を見出したというより、可愛いから親しくなりたかった、みたいな感じだったような。もし霜介が横浜流星みたいな美男子ではなくバナナマンの日村みたいなキモブサだったら、先生ぜったいスカウトなんかしなかったと思うソフトに強引なスカウトといい、優しい指導や特別待遇といい、先生もしかして霜介のこと狙ってる?!とも勘繰られる怪しさでした。先生の孫娘の千瑛とよりも、霜介には先生と素敵な恋愛関係になってほしかった!湖山先生役の三浦友和、孫がいる年齢の役でもまだラブシーンとか全然イケそうな可愛いおじさま!

 湖山先生の下男?かと思ったら、実は一番弟子のスゴい人だった江口洋介は、キャラも演技もまんま懐かしの「ひとつ屋根の下」のあんちゃん。顔は柳沢慎吾みたいになってたけど、非メタボなスタイルのいい長身はカッコいい。一緒だと横浜流星が小柄に見えた。千瑛役の清原果耶は、宮崎あおい+多部未華子、みたいな風貌?少女のような透明感とか森ガールなファッションとか、私が苦手なタイプすごい棒読み、あれはわざと?千瑛はいっそ男にしたほうが、ガラスの仮面の北島マヤと姫川亜弓みたいで面白くなってただろうな。ブロマンスな内容にもなって、腐やイケメン俳優好きな女性をドキドキキュンキュンさせたでしょうし。霜介が大した努力や情熱もなく、常に優しい人たちにチヤホヤされて画家になる順風満帆さもリアリティに欠けてました。水墨画の描き方や美しさは興味深く、何か一枚いい絵を部屋に飾りたいと思いました。

 ↑ 舞台「巌流島」では宮本武蔵役、「ヴィレッジ」「春に散る」など映画も面白そうだし、来年ますます躍進しそうな横浜流星くんです
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ロリコンだと思ってた…

2022-05-27 | 日本映画
 「流浪の月」
 親戚の家での暮らしを厭う小学生の少女更紗は、公園で出会った青年文の部屋に招き入れられる。そこで文と共に幸せな日々を送る更紗だったが、やがて未成年誘拐の罪で逮捕された文とは引き離されてしまう。大人になった更紗は恋人の亮と同棲していたが、カフェを営む文と再会し…
 人気BL作家、凪良ゆうの非BL小説の映画化。原作を読んだ時以上に、映画の中の文と更紗を見ていてつくづく思いました。誰かと深い関係や感情を抱きあうことって、本当にしんどいことなんだな~と。その辛苦の中にも確かに歓びや希望はあるのだけど、苦痛や絶望のほうがはるかに強大。そんな愛の経験もなく、この先も無縁に違いない私は寂しい虚しい人間なんだろうな~と自己憐憫すると同時に、文や更紗みたいに身も心もボロボロになることもなく、平穏に無傷に生きていける我が人生に安堵もしてしまいます。

 まさに運命の人、この人に出会うために生まれたかのような文と更紗でしたが、ちっとも羨ましくない運命ですね~。とにかく二人とも不幸すぎます。あんな形、あんな関係の運命だなんて、神さまって残酷。でも、運命の愛は不幸や逆境のほうが、ドラマティックで美しい。映画のラブストーリーは断然、問題だらけ傷だらけのアンハッピーなほうが面白い。文と更紗の愛は、不幸を通り越してほとんどホラーでしたが。そして、ほとんどおとぎ話でもあった。セックスできない男とセックスしたくない女が出会って、セックスを必要としない愛で結ばれる、なんてファンタジーに近い。
 お化けとかサイコ殺人鬼とか、非現実的なホラーよりも怖い、現代社会や人間の狭隘さイヤらしさに戦慄。この映画、悪人はひとりも登場しません。でも悪人よりも怖い、悪意のない鈍感で無神経な人々、他人の不幸を面白がる卑しい人々、自分本位すぎる人々ばかり出てきて、心底ゾっとしました。更紗の職場のパートおばさんたちとか、亮くんの姪とか、善意ぶって嬉々として余計なことを言ったりしたりする人たち。正義の名のもとに文の生活をネットにさらす人々とか、表面的には善行なのが悪質で卑劣。咎められない形で、自分より弱い立場の人たちを貶めることで安心したり、ストレスを解消してる人々のほうが、悪いことだと責めることができる亮くんのDVより怖かったです。

 それにしても更紗の不幸っぷり、一歩間違えればギャグの域なほど壮絶。あんな災厄まみれな人生、私だったらきっと耐えられなくて自殺か発狂してます。いつも薄ら笑いを浮かべてスルーしてる更紗、そのメンタルの強さに驚嘆。単にモテるのとは違う、薄幸が甘い蜜になっておかしな男たちを引き寄せる美人って、ほんと大変ですね。更紗の曖昧すぎるスキがありすぎるユルい部分も、男の執着や狂気を誘引する不幸の要因。同僚の幼い娘を預かり、文と二人っきりにするとか、ありえんでしょ。更紗も文のことロリコンだと思い込んでたのに。世間から異常者扱いされる文と更紗ですが、二人の事情や関係を知らない他人からすると当然の反応かも。文の不幸も悲痛すぎ、重すぎ。でも、美男子に成長できたのは不幸中の幸い。美男なおかげで有利なことも多々あったし。同じ障害をもつ人たち、文みたいなイケメンばかりじゃないと思うので。
 メインキャストは、想定外の好演でした。広瀬すずは、あまたいる苦手女優のひとりだったのですが、大いに見直しました!まずやっぱ、可愛いですね。大人っぽくなってきれいになった。ふっくらむっちりした顔や体型が肉感的で、細すぎて色気のない女優よりも魅力的。亮くんにボコボコにされて血とアザだらけになったり、亮くんとのセックスシーンでは舌もからめるディープキスや乳もまれ、ク〇ニなど、脱ぎはしなかったけど他の人気若手女優がやらない頑張りに、評価爆上げです。甘えたような声はやっぱ苦手。台詞が少な目だったおかげで、それもあまり気にならなかったです。

 文役の松坂桃李、やっぱ他の人気若手俳優とは一線を画す存在ですね。イケメンなだけ俳優じゃない!とう気概が、今回も感じられました。痛々しくも不気味なトーリ、大きな瞳がギョロギョロ怖く、そして美しい!ラストの全裸が衝撃的。素晴らしい演技、存在感でしたが、原作の文とは風貌がかなり違うような気がして。岡田将生とか山崎賢人みたいな中性的な俳優のほうが、見た目的には文に適してたと思うけど。文は男でも女でもない、性のない無色透明なイメージだったのですが、トーリは十分に男。濃ゆい髭剃りあととか太い喉ぼとけとか、文じゃないな~と違和感を覚えてしまいました。19歳の文の時も、かなり無理があった。肌が10代じゃないし。でも、少女にも大人の女性にも性的な欲望のない雰囲気は、すごくよく出してました。既婚者のトーリですが、いまだに私、疑ってます

 すずちゃんとトーリよりもインパクトがあったのは、亮くん役の横浜流星です。原作の亮くんは表面的には朴訥な感じ、私のイメージだと仲野太賀とか岸優太とかだったので、映画を観る前は横浜流星!?ないわ~と思ってしまったのですが、どうしてどうして。流星くん、いい役者じゃん!脱イケメンな怪演!気のいいフツーの青年風で登場しますが、冷酷そうな顔と目つきははじめっから何かヤバさを匂わせてる。その不穏さが秀逸でした。ぷっつん寸前の表情も胸ザワ。ブッコワレてDVストーカー男と化した姿、言動もホラーでしたが、私が感嘆したのは性愛演技の巧さ。キスや愛撫、服の脱ぎ方もリアルに猥雑で素敵でした。機会を与えたら、すごいエロ演技できそう。すね毛の濃さもエロかったです。

 文と交際する大人の女性役の多部未華子はゲスト出演的。ラストにチョコっと出てくる文の母役は、樹木希林の娘(もっくん嫁)でママそっくり。でも女優さんだったの?更紗の働くレストランの店長役の俳優、ぽっちゃりした男前。誰?かと思ったら、三浦貴大だった。少女時代の更紗役の女の子が、可愛くて演技上手。どっかで見たことあるなと思ったら、ドラマ「テセウスの船」に出てた子!彼女の更紗は声も喋り方もドライな感じだったのに、すずちゃんの更紗は甘えたような舌ったらずだったので、ほとんど別人格みたいでした。
 「悪人」「怒り」も非ポリコレな秀作だった李相日監督、撮影監督は「哭声 コクソン」や「パラサイト 半地下の家族」と同じ、だからかもしれませんが、最近の邦画らしからぬシビアさイタさは、どことなく韓流映画を彷彿とさせます。韓流映画っぽい邦画を喜ぶなんて、よく考えたら情けない事態ですね。悲しいメルヘン的で透明感ある映像も美しかったです。
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運命から瞳そらさないで

2021-01-12 | ドイツ、オーストリア映画
 「ある画家の数奇な運命」
 ナチス政権下のドイツ。少年クルトは美しい叔母の影響で芸術になじむが、精神を病んだ叔母はナチスの安楽死政策によってガス室送りとなる。戦後、クルトは美術学校で出会ったエリーと恋に落ちる。エリーの父は、クルトの叔母のガス室送りを決定した元ナチスの医師だった…
 「善き人のためのソナタ」のフローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督作。数年前のアカデミー賞で、外国語映画賞と撮影賞にノミネートされたドイツ映画。ずっと気になって観たいと思ってたのですが、上映時間が3時間以上あると知り、ちょっと引いてしまいました。長い映画が苦手なんです私。迷った末に観に行ったのですが、観に行ってよかったです!3時間が全然苦痛じゃなかったです。それは、2時間でもキツい映画が多い中、この作品が稀有な佳作である証です。
 主人公が愛と芸術に生きるのが、ナチスと冷戦というドイツの暗黒時代。本当に起きたこと、同じ人間同士がやったこととは信じられない、信じたくない悲劇の数々に暗澹となってしまいましたが、この映画は不思議と暗くも重苦しくもなく、とにかく物語を進める演出と映像がめくるめく流麗さ。オスカー候補も納得の撮影の素晴らしさに感嘆。ヨーロッパの風景って本当にフォトジェニック。暗い時代を感じさせない美しさ、輝きに魅せられました。建物も趣深くて、病院とか大学も由緒と歴史を感じさせます。美しい演出も少なくなく、夜空から銀の神が降ってくる爆撃シーンが特に好き。死と恐怖が、あんなにも幻想的で神秘的に。青年クルトが初登場する草原を走るシーンも印象的でした。

 激動の時代を生き抜く人物たちも、それぞれ個性的で魅力的でした。主人公のクルトは、芸術家にありがちなエキセントリックすぎ、破滅的なキャラではなく、ほどよく情熱的でかなり常識的、現実的な若者だったのがよかったです。壮絶な時代で少年、青年期を送ったクルトですが、クルト自身にはそんなに不幸も悲劇も起こらず、愛にも芸術にもわりと順風満帆。大した辛酸もなめず、苦労といえば病院で掃除のアルバイトするぐらい。彼の代わりに周囲の人々が残酷な時代の生贄になってた、そのコントラストが悲しかったです。特にクルトの若く美しい叔母の末路ときたら、あまりにも無残でトラウマ級です。断種とか淘汰とか、おぞましすぎる狂気の沙汰。今の時代に生まれて本当によかった、と痛感しました。
 
 ナチス時代ほどの残虐さはないけど、冷戦時代もかなり非道。とにかく窮屈で不自由。西ドイツに亡命するシーンが、なかなかスリリングでした。意外とあっけなく成功したけど、あれはベルリンの壁ができて厳しくなる前のことだったからですね。その点でもクルトは幸運でした。クルトが学ぶ美術大学で行われてるアート活動や作品が、凡人には理解不可能だけど珍奇で面白かったです。
 クルトが光の主人公なら、ゼーバント教授は影の主役でしょうか。二人の因縁こそ数奇。とにかくゼーバントの生きざまと所業が罪深く忌まわしかった。本当に恐ろしい男。悪いと思ってないところが怖い。暗黒時代における彼なりのサバイバルでもあったんだろうけど、本性は真性ナチス。あんな人が戦後も社会的に高い地位を保ち権力を振るい、安らかに天寿をまっとうするなんて、ほんと不公平で理不尽。そんな自分たちの暗部を映画やドラマのネタにし続けるドイツ人、そのたくましいメンタルに畏怖。

 クルト役のトム・シリング、初めて知りましたがいい役者ですね!はじめは地味だな~ヤニス・ニーヴナーだったらよかったのに、なんて不満だったけど、見慣れてくるとすごくカッコカワいい♡たま~に、若い頃のブノワ・マジメル、ゴツくなった山崎賢人に見えたり。山崎賢人ほどイケメンではないけど、山崎賢人には絶対にできない役と演技でした。とにかく脱ぎっぷりがよかった。ラブシーンでのすっぽんぽんっぷりは、お見事の一言。恋人の部屋の窓から外の木に飛び移って逃げるシーンの、全裸猿っぷりが可愛かった。画家にしてはマッチョすぎ、でも私好みのガチムチ裸体は眼福。
 恋人役のパウラ・ベーアは、オゾン監督の「婚約者の友人」でヒロインを演じた女優ですね。すごい美女ではないけど、媚び媚なブリっこ女優にはない人間味と怜悧さ、そして大胆さに好感驚嘆。トム・シリングに勝るとも劣らない脱ぎっぷりで、ラブシーンだけでなく大学の階段で全裸モデルになるシーンには圧倒されました。何度かある全裸ラブシーンは、大胆だけどイヤらしさは全然なく、愛し合ってる感が温かく優しく伝わる素敵なメイクラブでした。ゼーバント役は「善き人のためのソナタ」にも出ていたセバスチャン・コッホ。鬼畜なのに立派な人物然としている複雑な演技もインパクトあり。ちょっとアントニオ・バンデラス似?クルトの子ども時代を演じてた子役が、か、可愛い!あと、クルトのアート仲間たちがみんなイケメン!その中で非イケメンな、芸術家には見えないゴツい野郎系男がいて、どっかで見たことあるな~と思ったら、「Freier Fall」で同性愛に溺れる刑事役を演じたハンノ・ホフラーでした。すごくイイ奴な役でした。

 ↑ トム・シリング、1982年生まれの現在38歳。嵐とかと同世代ですね。松じゅんとか二宮とか、今後役者を自称するならトム・シリングぐらいの役者魂見せてほしいものです
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絶海に咲いた百合

2021-01-08 | フランス、ベルギー映画
 「燃ゆる女の肖像」
 18世紀のフランス。島にある屋敷に令嬢エロイーズの肖像画を描くためやって来たマリアンヌは、モデルになることを拒否し続けているエロイーズに画家であることを隠し、彼女の話し相手や散歩を共にしながらひそかに肖像画を描き進める。エロイーズとマリアンヌはしだいに惹かれ合うようになるが…
 昨年「パラサイト 半地下の家族」と並んで高く評価されたフランス映画。日本でもやたらと批評家や意識高い系映画ファンから賞賛されたので、そんなに秀作ならスルーはできんな、でも百合映画だしな~…と、映画館に行くに当たって揺れる想い~♪by ZARD だったのですが、この映画も観にいってよかったと心から思いました!今まで観た百合映画の中ではいちばん好きかも。ご存じの通り私は、三度のメシよりBL好きな腐。でも女性同士の恋愛ものは苦手。それも一種の性差別だよな~と、常々気になってました。でもどうしても、女性同士の恋愛には違和感や抵抗感を覚えてしまうのです。でも嫌悪感とか、絶対あり得ない!許せない!なんて狭量な気持ちは微塵もありません。

 女性同士の性愛シーンは見たくない…と観る前は気重でしたが、いざ観てみると評判通りの佳作でした。憂慮していた性愛シーンも、扇情的に激しくも生々しくもなく、何よりヒロイン二人が女にありがちなヒステリックさとか忍耐しすぎとかがなく、感情に流されることなく自分たちの想いに冷静に正直に従うところがカッコよかったです。親密だけど狎れ合わない関係。甘く切なくなりがちなBLと違って、理性的で現実的なヒロインたちでした。今まで観た百合映画の女たちは、どちらかといえば女性特有の病っぽいヤバいイカレ系が多かったので、暴走しないクールなエロイーズとマリアンヌは新鮮でした。

 肉体的にも結ばれるエロイーズとマリアンヌですが、なにげない会話や一緒にいる時の安らかな雰囲気が培う友愛、信頼が素敵でした。気のきいた台詞や愉快な軽口をたたくわけではなく、二人とも寡黙で内省的、でも正直で誠実。人間関係にもミニマリズムって必要。相手の顔色をうかがって忖度ばかり、心にもない追従やくだらない戯言ばかりな自分が嫌になりました。
 社会的、肉体的精神的な女性の生きづらさも、声高に訴えるのではなく、さりげないシーンで描いていたのもよかったです。生理痛には温めたさくらんぼの種をおなかに当てる、とか興味深い当時の治療法でした。母上の留守中はメイドのソフィーを加えた3人で、身分差のない交流を楽しむ姿も微笑ましかったです。それにしても。望まない結婚、生理、妊娠・中絶と、ほんと女性は大変。呪縛のような辛苦を抱えながらも、弱音を吐かず絶望もせず強く優しく生きることができたら…
 
 毅然と気高い二人のヒロインと、それらを演じた女優たちが魅力的でした。エロイーズ役のアデル・エネルは、今やフランス映画界屈指の実力派女優。まだ若いのに、すごい貫禄と風格。ケイト・ウィンスレット系?ニヒルな演技、たくましい風貌といい、男より男らしいです。媚び媚なぶりっこ女優とはまさに真逆な女優。ふれくされたような表情だけど、屈折してるのではなく超絶冷静沈着。要らんことは言わないしないので、誤解されやすいタイプだけどそんなことどうでもいい、みたいな孤高がカッコいいです。フテ顔だけど、笑ったらあどけなくて可愛い。マリアンヌ、ソフィーと3人でトランプしてるシーンの笑顔が無邪気で可愛かった。マリアンヌ役のノエミ・メルランは、ちょっとエマ・ワトソンに似てる?アデルもノエミも脱ぎっぷりがいい。ナチュラルな脱ぎに好感。アデルのワイルドな腋毛に圧倒されました

 絶海の孤島の風景が美しかったです。生きるために最低限度のものしかないけど、ああいうシンプルライフには憧れます。余計なものがない屋敷内もミニマリズムのお手本でした。衣装も派手さはないけど、やはりシンプルかつ清らかな色合いで素敵でした。でもドレスとかコルセットとか、しんどそう~。普段はジャージが、やっぱいちばん楽で幸せ
 佳い映画でしたが、でもやっぱ百合より薔薇のほうがいいなイギリスならハリス・ディキンソンとビリー・ハウル、フランスならグザヴィエ・ドランとピエール・ニネ、ドイツならルイス・ホフマンとヤニス・ニーヴナー、韓国ならキム・スヒョンとパク・ソジュン、が理想かな(^^♪条件は20代か30代前半の脱げる男優!日本は、うう~ん、山崎賢人と池松壮亮がいいかも(^^♪
 
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未来永劫の罪!

2020-11-23 | ドイツ、オーストリア映画
 「コリーニ事件」
 ドイツの高名な実業家マイヤー氏が殺害される事件が起きる。新米弁護士のカスパーが被告人のイタリア人コリーニの弁護を担当することになるが、コリーニは頑なに黙秘を続ける。事件の調査を開始したカスパーは、やがてナチスに関わるマイヤーとコリーニの過去を探り当てるが…
 第二次世界大戦が終わってから80年近くも経っているというのに、いまだに消えることも癒されることもない戦禍の傷跡や痛み。特にナチスドイツの罪は未来永劫の、人類史上最悪の汚点でしょうか。ナチスの非道さを描いた映画やドラマは枚挙にいとまなしですが、当時の悲劇に加えて長い年月を経ても晴れない遺恨、という現代の悲劇にも胸が塞がります。今回もですが、ナチスの悪魔の所業を見て思ったのは、戦争を知らない世代のドイツ人が、自分たちの国と国民がかつて犯したあやまちを突きつけてくる映画を、どんな気持ちで観ているのか…ということです。加害者側にせよ被害者側にせよ、ナチスに関わった祖父母や父母をもつドイツ人たちの心境はいかばかりか。

 この映画でも、裁判でマイヤーとコリーニの関係が暴かれた時の裁判官と傍聴者のショックや困惑など、何ともやりきれなさそうな様子が印象的でした。断罪したくても簡単にはできない複雑で重すぎる真実。ナチスに蹂躙されたフランス人やイタリア人のように、堂々と声高に憎悪や怒りを訴えられない、なるべく沈黙するしかないドイツ人もまた苦しいだろうな~。日本もドイツに負けず劣らず非道いことをしたようですが、それをガンガン突きつけてくるような映画は、これでもか!とばかりに量産されるナチスドイツのそれほどはお目にかかることはない。ハリウッドやヨーロッパ各地で絶えることなく作られる極悪ナチス映画。言い方は不適切かもしれませんが、格好のネタになってる感じです。

 事件を調査する主人公、やがて明るみになる社会の闇や悪…松本清張みたいな社会派ミステリー映画なのですが、わりとあっさりと新事実や衝撃的事実を見つけちゃうのが、ちょっと肩透かしでした。もっと真相が深く埋もれてたり、主人公に危機が、みたいな設定にしてほしかったです。怖かったのは、元ナチスが戦後も狡猾に生き残って、重要人物として戦後の政界や経済界でも権力を握っていたという事実。法律まで自分たちを守るために改悪してたんですね。魔物とは死滅せず形を変えて、弱い人間を不幸にし続けるものなのですね。

 主人公のカスパー役は、ドイツでは人気俳優らしいエリアス・ムバラク。いかにもトルコ人系な濃ゆい風貌。イケメンではないけど、真面目そう優しそうな好男子って感じ。ドイツには黒人よりも中東系、インド系のスターが多いみたいですね。コリーニ役は、かつてマカロニウェスタン映画で人気を博したフランコ・ネロ。イケジジ(イケてる爺)!今でも全然カッコいいです!シブい!哀愁!抱かれるなら嵐とかよりもネロ爺です。シワも年齢を重ねた男の魅力です。残酷な運命の辛酸をなめつくした重さ、悲しみにが静かに悲痛でした。おっさんなのにいつまでも若者ぶってて軽薄なキムタクとか、ネロ爺を見習ってほしいものです。
 私がこの映画を観たのは、もちろんヤニス・ニーヴナー目当てです(^^♪大きな銀幕で初めてヤニヴとランデヴー

 ヤニヴ、後半になってやっと出てきます。コリーニが少年の時に、イタリアのモンテカティーニで虐殺を指揮するナチス将校役のヤニヴ。白人のドイツ人俳優が避けて通れない仕事であるナチス役に、ヤニヴもついに挑みました。仕事とはいえ、演じてて気が滅入ることだろうな~。絵に描いたような冷酷非情な役。ほとんどサイコパスでしたが、軍服が似合っててとにかく見目麗しい!なかなか鬼気迫る演技、凄みがありました。悪魔のような役は、やはりブサイクよりも美男子のほうが怖くて魅力的。特にナチス軍人役は、ブサメン禁止なイケメンだけに許される役。悪魔なヤニスの登場時間が短かったのは、物足りなかったようなホっとしたような。それにしても。ヤニヴが年取ってあんなフィリップ・シーモア・ホフマンみたいな老人になるとか、ありえんわ~。例えて言うなら、山崎賢人が西田敏行になるに近い違和感でした。

 ヤニヴ同様に出番は少ないけど、おや♡誰?♡と目を惹くイケメンが。マイヤー氏の孫息子フィリップと、カスパーの友だちの一人が、薄くて涼しげで長身骨太という典型的なドイツイケメンで、チョイ役ながら目立ってました。
 裁判所がまるで貴族の館みたいな壮麗さで、さすがヨーロッパな歴史を感じさせる美しさ。日本とはかなり違う法廷内の様子も興味深かったです。

 ↑ ヤニヴ~バリバリの主演映画、早く日本でも公開されないかな~
 
 ↑ 左がフィリップ役のルドウィック・サイモン、右がカスパーの友人役のフレデリック・ゲッツ。ドイツも探せばザクザクと出てくるイケメン大国
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ガラスのBL仮面

2019-12-19 | 韓国映画
 「メソッド」
 舞台俳優のジェハは、新作の相手役であるアイドルのヨンウのやる気のなさに苛立つ。役にのめりこむジェハの影響を受け、しだいにヨンウも真剣に取り組むように。破滅的な男同士の愛に溺れる役を演じる二人は稽古以外でも親密な関係となり、やがて激しく求め合うようになるが…
 役者さんって、ほんと大変な仕事なんですね!役にのめり込み過ぎると、身も心も私生活も性生活も影響を受けて、しっちゃかめっちゃかになってしまうんですね~。まあ、CMレベルのタレント男優女優だとそんなことにはならないのでしょうけど。天才型の役者って、どこか破綻していて不幸な人が多いけど、さもありなんって感じです。でも、恐ろしいまでの才能ゆえの不幸って、凡人からすると輝かしく羨ましいです。

 この映画の主人公であるジェハは、本当にヨンウのことを愛してしまったのか、それとも入魂演技ゆえの錯覚だったのか。もちろん腐としては前者のほうが萌える設定ですが、ジェハの様子やラストからして、どうやら後者のほう。恋人同士を演じているうちに本当に愛し合う仲になることってよくあるみたいですが、さすがにノンケの妻帯者が同性愛の役だからといって男に恋したり、セックスしたりはしないと思うので、ジェハの役になりきってしまうメソッド演技ってスゴすぎます。夫が若い男と密会したり逃避行したり、ジェハの奥さん可哀想!自分自身だけでなく、演技のためなら愛する人をも傷つけることさえ厭わない、役者の業の深さにも畏怖。

 ヨンウのほうは逆に、本気になってしまってたのが哀れで痛ましかったです。ストーカー化したり、舞台の本番中に自殺未遂とか、狂気の命がけLOVEがヤバすぎです。思い込みにしても本気にしても、現実と虚構の区別がつかなくなる危険な心理が演技を研ぎ澄ませ、舞台を大成功に導くという結末は、悲劇であると同時にハッピーエンドでもあったのではないでしょうか。
 ジェハ役は、韓流映画やドラマの売れっ子バイプレイヤーであるパク・ソンウン。主演作を観たのはこれが初めてかも。決して美男ではない、どちらかといえばブサイクなのですが、すごくいい男に見える不思議な俳優。大柄でたくましい体躯も、男らしくてカッコいいです。ヨンウ役のオ・スンフンが、ちょっと個人的には残念だったかも。ぜんぜんアイドルに見えんし、美青年じゃないし。たまにKABA.ちゃんに似て見える時も。メイクばっちりな肌も何か汚かったし、ヨンウはもっと可愛いイケメンか、魔性っぽい美男に演じてほしかったかも。若い頃のレスリー・チャンならドンピシャ。ヨンウが何かキモいので、ラブシーンや破滅的な展開にもドキドキしませんでした。ラブシーンもキスどまりで物足りません。それはそうと。この作品、日本でリメイクされるとしたら、ジェハは堤真一、ヨンウは山崎賢人がいいかも(^^♪
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2018年cinema lifeを総括する

2018-12-30 | 映画雑記
 早いもので、明日はもう大晦日。2018年が終ろうとしてます。自然災害が過酷な1年でしたね。広島でも悲しい、辛い夏となりました。信じられないような光景や、経験したことのない不便な生活に打ちのめされましたが、こうして元気に年を越せることに感謝です。来年は災害のない年でありますように!
 辛いとき悲しいとき、心を救ってくれるのが映画です。映画が好きで本当によかったと、今年ほど思った年はありません。今年もいろんな映画を観ることができました。どんな映画を映画館で観たのか振り返ってみますと…

 1月 光 ※
    キングスマン:ゴールデン・サークル
 2月 スリー・ビルボード
    マンハント
    ビカイルド 欲望のめざめ
 3月 ブラックパンサー
 4月 シェイプ・オブ・ウォーター 
    ハッピーエンド
    アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
 5月 ダウンサイズ
    君の名前で僕を呼んで
    孤狼の血
 6月 娼年
    羊と鋼の森
    第七天国 ※
 9月 MEG ザ・モンスター
10月 チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
    2重螺旋の恋人
    散り椿
11月 ファントム・スレッド
    ヴェノム
12月 斬、
    ボヘミアン・ラプソディ
    来る
    アリー スター誕生

 ※ 2018年日本公開以外の作品

 24本!このブログを始めてから最多かも!災害の時季と重なってしまい、「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「レディー・バード」「君が君で君だ」を観に行けなかったのが残念。では僭越ながら、マイベスト映画、男優女優 in 2018 を発表(DVD鑑賞した2018年日本公開作も含む)

🎥 作品賞

  1位 君の名前で僕を呼んで

 美男子の甘酸っぱいBL、そして文化的で貴族的なブルジョワ生活…私のような醜い貧乏人などには無縁な、夢のような美しい世界に酔うことができました。名匠ジェームズ・アイヴォリー監督のアカデミー賞脚色賞受賞も嬉しかったです。

  2位 ブラックパンサー

 アベンジャーズシリーズもそろそろ飽きてきた…そんな気分を吹き飛ばしてくれた、最高にカッコいいヒーローの登場!続きが気になる!陛下、抱いて!今年最高の男前映画でした。

  3位 孤狼の血

 MYホームタウンK市で撮影された映画。わしの周囲では、ふだん映画館に足を運ばない人も観に行って、話題を提供してくれました。K市民賞を授与したい、思い出に残る作品となりました。

  4位 スリー・ビルボード

 激烈な演技、巧妙な脚本、独特な演出。いい映画を観た!という満足感は今年ナンバーワン。オスカーの脚本賞は、この作品のほうが相応しかったのではと今でも思ってます。

  5位 シェイプ・オブ・ウォーター

 いろんなジャンルが詰め込まれた、宝箱のような素敵な映画でした。

 🎥 男優賞

  1位 チャドウィック・ボーズマン 「ブラックパンサー」

 ブラックパンサー/陛下は、今年最高の男前でした。チャドウィック・ボーズマンは、いま私が最も好きな黒人俳優です♡

  2位 松坂桃李 「孤狼の血」「娼年」

 今年も馬車馬のように働いたトーリ。テレビドラマの撮影でもK市に来てくれて、好感度と親近感が増しました。わらわらいる若手イケメン俳優の中から頭ひとつ抜けようとしてるチャレンジ精神を高く評価したいです。

  3位 ラミ・マレック 「ボヘミアン・ラプソディ」

 チャーミングで独特のなりきり演技に圧倒・魅了されました。あの出っ歯もインパクトありました。

 今年も男優は百花繚乱で、「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のコリン・ファレル、「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメアーミー・ハマー、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のセバスチャン・スタン

 「羊と鋼の森」の山﨑賢人、「2重螺旋の恋人」のジェレミー・レニエ、「ファントム・スレッド」のダニエル・デイ・ルイス、「ヴェノム」のトム・ハーディ、「散り椿」「斬、」の池松壮亮、「アリー スター誕生」のブラッドリー・クーパー、といった花も実もあるいい男たちが研を競いました。

 
🎥 女優賞

  1位 フランシス・マクドーマンド 「スリー・ビルボード」

 2度めのオスカー受賞も納得の力演!深刻なのにどこか笑える、というマクド姐さん独特の個性が炸裂しました。

  2位 サリー・ホーキンス 「シェイプ・オブ・ウォーター」

 今年最も強烈な女優魂、といえばこの人です。

  3位 レスリー・マンヴィル 「ファントム・スレッド」

 クールでエレガントな、かっこいい熟女!こういう女性に憧れます。

 女優はもう見た目の美しさ、可愛さ、そして若さだけでは勝負にならない!実力者だけが心に残ります。「マンハント」のハ・ジウォン、「ビガイルド 欲望のめざめ」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のニコール・キッドマン、「ハッピーエンド」「エヴァ」のイザベル・ユペール、「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーアリソン・ジャネイ、「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」のアリシア・ヴィキャンデル、「2重螺旋の恋人」のマリーヌ・ヴァクト、「アリー スター誕生」のレディー・ガガ、の好演が特に印象的でした。
 皆さまも、たくさんの映画をご覧になったことと存じます。よろしかったら、ぜひベスト作品やベスト男優女優、思い出話などお聞かせください(^^♪
 今年もお世話になりました!来年も何卒よろしくお願いいたします!I wish you a happy new year!よいお年を!See you soon!
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