まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

豚は太るか死ぬしかないんじゃ!

2018-05-30 | 日本映画
 「孤狼の血」
 昭和63年、広島県呉原市では、敵対する暴力団が一触即発の不穏な空気が流れていた。呉原警察署に配属された新人刑事の日岡は、過激な捜査と暴力団との不適切な関係が問題視されているアウトローなベテラン刑事、大上とコンビを組むことになるが…
 やっと観に行けたんよ~!公開されてかなり日にちが経っとったけど、いつもはガラガラな地元の映画館が満席に近かった。そりゃそうよのお。ヤクザ映画の金字塔「仁義なき戦い」と同じ、広島県K市が舞台じゃけえ。K市民はこぞって観るわいや。何を隠そう(ぜんぜん隠せてない?)わしは生まれも育ちもK市、今も、おそらく死ぬまでK市の住人なんよ。何の変哲もない地方都市であるK市ですが、「仁義なき戦い」など東映ヤクザ映画ファンにとっては聖地であり、最近では大ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅で」で全国的な注目を浴びるなど、ド田舎にしては過分な知名度を誇ってもいる我が故郷です。この映画の撮影も、K市のあちこちで行われました。あそこで役所広司を見た!とか、松坂桃李がおった!とか、いっとき職場や家では目撃談に花が咲いたものです。わしは残念ながら、一度もロケには遭遇せんかった

 ↑ ここは呉の街を一望できる灰が峰。夜景がすごくキレイなドライブデートスポットであり、有名な心霊スポットでもあります。あの女性白骨死体事件は、未解決なまま…
 というわけで、待ちに待ったこの映画。入院中に原作小説も読み準備万端。楽しみ半分、どうせ女こどもが観ても大丈夫な内容になっとるんじゃろ、とか、広島弁が変に違いない!とか、厳しい目でツッこんでやる!と、アラ探しに虎視眈々だったのですが。いざ観てみると…かなり満足できて、すごく面白い作品に仕上がってました!まず、ぜんぜん女こどもOKじゃなかったこと。冒頭から、汚い豚小屋でのエグい拷問シーンで掴みはOK!できたてホヤホヤの豚の糞を無理やり食べさせたり、ヤクザの落とし前といえばの指チョッキンや、アソコに埋め込んだ真珠をエグり出すシーンとか、ラスト近くのトイレ斬首とか、ホラー映画顔負けの血しぶき血まみれ!そういうのがダメな人は、ぜったい観ないほうがいいです。目を覆いたくなる残虐な暴力シーンが。要所要所でブっこまれてます。そういうのはもう韓流のお家芸になってたので、ジジババと女こども向けのヌルいユルい映画ばかりの邦画でのキツいヴァイオレンスは、とても新鮮で胸踊る楽しさでした。

 ヤクザを武士みたいにカッコよく描いてなかったのが良かったです。「仁義なき戦い」同様、権力とか私利私欲、虚栄のために殺し合う野蛮さ、愚かさこそ、美しい仁義とか任侠とかよりも、ヤクザの本質なのです。彼らは決してカッコいいヒーローなんかじゃない、迷惑で危険な反社会的集団なのですから。この映画のヤーさんたちも、上から下まで自分の利益やメンツしか頭になく、とんでもないことをしてるけどその理由はかなりセコくて小さい。彼らの悲惨で無様な死にざまは、それゆえにかなり滑稽です。

 人気作家である柚月裕子の原作小説は、ヤクザを描いたライトノベル、みたいな読みやすさで、正直ちょっと物足りなかったのですが、映画版も何となく軽やかで薄口な感じがしたんですよね~。ハチャメチャでアナーキーなシーンがいっぱいありつつ、何となくクスっとなってしまうコミカルなシーンや台詞も少なくなかったからでしょうか。「仁義なき戦い」のような泥臭さ、暑苦しさや汗臭さ、粗い雑駁さがなく、昭和独特の重苦しさ、暗さもあまり醸されてなくて、スマホやネットが出てきても違和感がなかったかも。これは演出と俳優の演技が、悪い意味で現代的で優等生的で、キチンとまとまりすぎてたからかも?ショッキングな演技はなかったけど、俳優たちはみんな大熱演で魅力的でした。普段は見られない役と演技は、すごく目に楽しかったです。
 日岡刑事役の松坂桃李が、ぶちカッコカワかった!

 身も心も傷だらけな姿や、上層部と大上の間で板挟みになって悩む風情も、とにかく見苦しさなど微塵もないイケメンぶりでした。正直、こんな刑事おらんわ!K市におったら逮捕されたいわ!でしたがスラっとした長身が素敵ですが、マル暴の刑事にしてはスタイルよすぎ。ケンカシーンも迫力がないんですよね~。空手有段者な役なんだけど、強そうに見えん。私でも勝てそう(笑)。あの顔では、スゴんでも全然怖くないし。

 でもトーリ、きれいな顔ですよね~。女の子みたいな柔らかいキレイさではなく、優しそうだけどキリっと男らしい端正さ。唇がエロい。瞳が美しい。低い美声も好き。あの声での広島弁、たまらん!が、やっぱ都会の男って感じが消せておらず、方言に違和感が。わし、とか似合わんわ~。原作にはないラブシーンとか、中途半端で必然性なし。でも、この映画でますますトーリの役者としての気概、成長、将来性を感じました。他の若いイケメン俳優と一線を画す存在になった、と言っても差し支えないのでは。でもトーリ、将来ハゲそうな予感…

 大上刑事役の役所広司は、鬼畜と人情家な二つの面を荒々しく、楽しそうに演じてました。クラブのママ役の真木よう子は、相変わらずの棒読み。ガリガリに痩せすぎ。往年の人気二枚目俳優たちが、荒れくれたヤーさんを演じてイメージチェンジ、も見どころのひとつ。あの江口洋介が、ヤクザの若頭役ですよ。時代も変わりましたね~。なかなか頑張ってましたが、やっぱ見た目がスマートすぎ。凄みとか威圧感はなかったです。出番も意外と少なかった。原作とは違う末路を終盤で演じてた江口さんが、カッコいいヤーさんな彼より印象的でした。今後もダークな役や悪役などに挑戦してほしいです。

 ワタシ的には、重要な役だった江口洋介よりも、ほとんどモブに近い役だった竹野内豊のほうがインパクト大でした。小さな役、出番少な目でも、すごい目だってました!とにかくあの竹野内豊が、こんなことする!こんなこと言う!と驚かされます。凶暴で残忍で下品だなんて、今までと真逆な竹野内さんだけでも一見の価値ありです。でも彼も江口さん同様、やっぱどんな役してもカッコいいです。竹野内さんにもいつか、本格的な悪役とか演じてほしいです。

 イカレた組員役の中村倫也も激演してましたが、顔が「とめはねっ」の可愛い男子高生テッシーの頃と変わってないので、何やっても怖くないんですよね~。石橋蓮司は相変わらず、美味しいとこもっていきますね~。彼の『びっくり、どっきり、クリ◯リス』という台詞が笑えた。真木よう子の情夫の若い組員を演じてた男の子が、なかなかイケメンだった。キャストはおおむね好演してたのですが、ひとりだけ浮いてたのが滝藤賢一。何とか目立とうと変わったことをする不自然な演技が、この映画でも鼻につきました。フツーにやれよ!

 やくざといえば、広島弁。キャストはみんなドスきかせて広島弁の台詞を頑張ってました。四苦八苦だったんだろうな~。生粋の広島県民、K市民としては、イントネーションがちょっと違うのが気になった。昭和63年ではもう使ってなかった広島弁もあったり。でも、リアルな広島弁でまくしたてたら他県民には理解不能、字幕が必要だと思うので、あれぐらいでちょうどよかったのかも。はぶてんさんなや~、とか他県民さん解かったかな?

 K市民としては、やはり馴染みのある場所が映画に出てくるのが、とても楽しく嬉しかったです。真木よう子のクラブのシーンで使われたビルや、夏祭りシーンが撮影された川沿いや橋、石橋蓮司が入院してた病院、昭和臭ぷんぷんなスナック通りなど、私んちのすぐ近く。広島のあの連れ込み宿も、何か見たことがあるどころか、ひょっとして…?ちなみにかつてのK市は、広島のアパッチ砦と呼ばれてたほど危険な街でしたが、今はすっかり平和になってます。でも、K市民じゃない人にとっては、今でも何となくヤバい空気が感じられるらしいです。
 原作とは少し違う設定、キャラや展開が多々あり。日岡の正体が早々と明かされていたこととか(原作では最後に明かされる)、真木よう子が高級クラブのママになってたり(原作では居酒屋の女将)、江口洋介の末路とか、日岡の恋人とか、映画のオリジナル。原作小説には続編があり、それも映画化が決定したとか。またロケがあるかな?今度こそは生トーリを拝まねば(^^♪

 ↑あの大ヒットアニメ「この世界の片隅で」が実写連ドラ化!しかも!ヒロインの夫役はトーリ!どんだけK市と縁があるの。トーリがまたK市に来てたという噂は耳にしたけど、このドラマの撮影だったのか!しかも、エキストラ募集してた!知った時にはもう募集はもう終わってた!もっと早く情報キャッチしときゃよかった!孤狼の血の続編の時は、ぜったいトーリを逃さんけんね!それにしても。馬車馬のように働いてるトーリが心配。孤狼の血ならぬ過労の血、にならんよう気を付けんさいやトーリ!

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6 コメント

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トーリ素敵♪ (はる)
2018-05-31 19:10:51
たけ子さん、こんにちは

息子から、エグいと聞いてたの
韓国映画で慣れてるから大丈夫と
思ってましたが
オープニングから目を背けました
たけ子さんが、紹介されてた
エグすぎるシーン
全て背けました(意気地なし)

役所広司の広島弁
良かったよね
私達が使う日常的な方言とは 少し違う
硬さはあったけど
全身から、楽しんでる感が出てましたよね?
トーリ
今回私も、ググッと
大きくなった気がして見てました
(何様?)
清潔感、愛嬌ある笑顔、育ちの良い受け答えのイメージがあるのに
それを打ち破る表情、演技を随所に見つけました(何様?)

ロケ地
蓮司さんの入院してるであろう病院の近くなの?
その病院がどこかわからんけど…
灰ヶ峰も分かったよ
ピエール瀧さんのも分かったよ
旧サロンシネマだったよね?
違うかね?

続編が確定したみたいだけど
また、K市は盛り上がるね
たまたま、今日は
親戚の用事でK市を通ったよ〜
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ヤブ田は5年ぐらい島流しの刑 (松たけ子)
2018-05-31 23:40:27
はるさん、こんばんは!
お!はるさんも観たんね!結構エグかったね!韓流と違うて、今の邦画であれはちょっと新鮮じゃったわ。
役所広司の広島弁、頑張っとったけどやっぱわしら広島県民が聞くと、ん?な部分あったよね。イントネーションが難しいんよ。ほいじゃけど役所さん、何だか楽しそうな熱演で、最近の出演作の中ではベストかも。
トーリの繊細だけどおっとりとした魅力と、リスクを恐れない果敢さ、気概は、他の若手イケメン俳優の中では出色ですね。ますます好きになったわ。
蓮司の入院しとった病院は、K市の労◯病院よ。ここは家よりも職場が近い。そうそうそう!旧サロンシネマじゃった!懐かしかった~。よう行ったのお~。
続編と「この世界の片隅で」で、またK市が注目されますね!
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オールスターに前進 (えびすこ)
2018-06-02 13:45:52
K市はもしかすると映画・ドラマの撮影に適した土地柄かも。
大瀬良投手が絶好調ですね。ファン選出が無理でも監督推薦でオールスター戦に出れそうですね。
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カープやばいかも (松たけ子)
2018-06-03 01:51:52
えびすこさん、こんばんは!
K市はとっても住みやすい田舎です(^^♪
大瀬良くん、リーグトップの8勝!オールスターにも初出場してほしいですね。でも、カープ選手が一人も1位になってないのが悲しい。人気に翳り?カープバブルがはじける予兆?
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みたえーーー!! (フキン)
2021-01-16 12:59:50
Netflixにあるのを見つけ、観ましたよん♪

昭和映画を見てるような楽しさがありました。
もちろん、エグイシーンは指の隙間から見たんですが(*^。^*)

役所さん、CMとかのせいで嫌いになりつつあったんですが、さすが!!!
あの役を確実にものにしてたと思います。

そして、トーリ🎵
イイじゃない、イイじゃない(^^♪
トーリに焼きもち妬いてる若い俳優がたくさんいることでしょう。

姉はんも仰ってた、竹之内豊❕❕❕❕
まさかのあのイケメンが!!!でゾクゾクしました。
もっと、あんな竹野内豊を見たいですね!( *´艸`)

真木よう子だけが・・・・もっと、グラマラスな女優を使ってほしかった。乳だけが大きくても色気とは関係ないですよね。

それから、呉市。
町の雰囲気にすごく引き込まれた。
行ってみたいわ~~~~(#^^#)

それから、広島や岡山弁の男と一度くらい付き合いたかったわあ・・・・・。




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孤狼の血2 (松たけ子)
2021-01-17 18:44:47
フキンさん、こんばんは!
おおっご覧にならしゃった!何だかもう懐かしい映画!エグい暴力シーンが、返ってポリコレ映画ばかりの邦画の中では新鮮な異彩を放ってましたね。ちなみに、ちょっと前にこの映画の続編がK市でまた撮影されました。私の職場の近くでも。でも前回同様またロケには遭遇できませんでした(涙)。
トーリはいい俳優なんだけど、どんどんイケメンじゃなくなってますね~。結婚したけど、私は今も疑ってます(何を?笑)真木ようこは、乳より棒読みのほうがすごい。
K市なんか、何にもないフツーの地方都市ですよ!京都人からしたら未開の蝦夷地かも。わしも京男と付き合ってみたいのお~。
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