まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

Love & Revolution

2006-10-18 | ドイツ、オーストリア映画
 最近、若い子たちと会話してると、ドっと疲れが...
私『へぇ~ぜんぶ奢ってもらったんだ?その人、ずいぶん太っ腹だね』
Aくん『いいや、やせた人ですけど』
 とか。
私『ノ・ムヒョンって、どうなんだろうね』
Bちゃん『え~韓流って、ヨンさまぐらいしか知らない。どんなドラマ出てるんですか?』
 いちいち訂正・説明をするのもメンドいので、そのまま話を流してしまう私です。

「ベルリン、僕らの革命」
 「青い棘」と連チャンで、ダニエル・ブリュール主演作を鑑賞。
 夜な夜な金持ちの邸宅に侵入しては、家具をメチャクチャに動かし、『ぜいたくはやめろ!』などとメッセージを残して去る、“教育者”と名乗る義賊きどりの若者ふたり。拝金主義の腐った世の中に革命を!と理想を抱く二人と、二人の間で揺れる女の子の、三角関係。
 60年代の学生運動家が、間違って現代に来てしまったかのような、時代錯誤な主人公たちの理想。わからないでもないけど、やっぱ無理があるよなあ。私のように、資本主義にドップリつかっている人間からすると、彼らが目指す理想の社会のほうが、返って怖い。露骨な格差社会で、超庶民な私も、時には不平不満も抱くけど、みんな平等!みんな同じ!な社会も、自由がなさそうで嫌だなあ。そんな私を、無知な愚民!よく聞け!と、むかし付き合ってた共産主義者の男は、とうとうと説教してたっけ。でもそいつ、社会には大きな理想を求めながら、平気で煙草や空き缶をポイ捨てしてた。大きなことを言う前に、小さなルールを守ろうよ!と、いつも思ってました。

 この映画の主人公たちも、そんな感じかなあ。家賃や事故の賠償金を払えないのを、金持ちに搾取されてる!と激怒。それは違うんじゃないかなあ。みじめな自分たちと比べ、恵まれた金持ち。それを社会のせいにするのも、いかがなものか。義賊な行為も、何だかヤッカミの捌け口っぽい。
 あさま山荘事件や連合赤軍事件の若者たちもそうだけど、不満や鬱憤を革命の美名のもとに爆発させてるようで、ちっとも虐げられた民のためにやってる風には見えないですよね。テロリストと同じじゃん!金持ちよりも、貧乏人のほうが、返って被害を蒙ってるし。迷惑だから、ビラ配り程度にして!と、下層階級の代表として、苦言...なので、この映画の主人公たちの小さな抵抗運動は、幼稚だけど微笑ましい。火炎瓶を投げたり、篭城して銃撃戦したり、リンチ殺人するなんてことに比べたら、可愛いもんさ。
 ダニエル・ブリュールは、相変わらず可愛いです。ガッチリ&ムッチリしてる感じが好き。抱かれたら、さぞや柔らかくて心地よいだろうなあ、と思わせる温かなセクシイさがあります。真っ赤な理想に心トンがったキャラが、ちょっと怖かったけど。
 相棒で親友の男の子が、ちょっと北村一輝に似てる?二人の青年とデキちゃうヒロインが、若い頃のサンドリーヌ・ボネールを美人にした感じ?
 三人に成り行きで拉致監禁される金持ちのオヂさんが、いい味。主人公たち3人が、いくらエラそうに理屈や理想を並べても、穏やかでクールな態度を崩さない、オトナなオヂさんを見てると、やっぱ若造は甘い青いな!と思えるのだった。でも、情熱や純真な心で、ガムシャラになれる未熟な若さって、やっぱ美しい。美しいものを失くさずに、人生経験を重ねていくことは、不可能なのでしょうか。
 

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