「魔界転生」
島原の乱で非業の死を遂げた天草四郎は、悪魔の力によって復活。細川ガラシャや宮本武蔵など、この世に未練を残す死者たちを転生させ、幕府を滅ぼそうと暗躍する。柳生十兵衛はそれを阻止しようとするが、父の宗矩が天草四郎の魔手に落ちたことを知り…
大好きな映画「柳生一族の陰謀」の続編?同じ深作欣二監督、キャストも柳生一族でお馴染みの顔ぶれで、主役も同じ柳生十兵衛。今回は将軍の座をめぐっての政争ではなく魔物との怪奇戦で、将軍も次の4代将軍家綱に代替わりしていて、柳生一族での衝撃の結末もなかったことになってるみたいだったので、やっぱ続編ではなく別物と見なすのが正解でしょうか。
柳生一族もなかなかのトンデモ時代劇でしたが、今回はさらに奇想天外で荒唐無稽。天草四郎が有名死人をスカウト?し黄泉がえらせ、徒党を組んで幕府打倒!という設定の着想がぶっとんでてユニーク。オカルトシーンや妖術シーンなどでの特撮が、現在の高度で便利な乱用CGよりも味わい深く、親しみやノスタルジーを感じずにはいられませんでした。内容だけだとお子ちゃま向けかもしれませんが、おっぱいポロンシーン、レイプシーンや濡れ場など子供は観ちゃダメ!な大人向けの場面満載なのが、やはり現在の毒にも薬にもならん無難なポリコレ時代劇、アイドルやタレントの学芸会時代劇との大いなる相違です。70・80年代の邦画は本当に俳優の個性、存在感、演技のインパクトが大きくクオリティも高く、こんなトンデモ時代劇でも一流の出演者たちが濃ゆ~く絡み激突してます。
天草四郎役は、ジュリーこと沢田研二。ザ・ベストテンとか歌番組で、奇抜なファッション、メイクをしてヒット曲を歌う妖しい歌手、というイメージ通りの役、風貌で妖美な魔人を好演しています。独特の雰囲気と演技には、俳優とはまた違う魅力が。フツーの男の役など絶対にできないジュリーです。ステージでも着られそうな衣装も、ジュリーだから着こなせたと思います。ただの美男俳優、演技が巧いだけの俳優だと、派手なチンドン屋に見えてしまうだけでしょうし。悪役という感じはあまりなく、むしろ庶民を苦しめる非道な幕府をやっつけようと頑張ってるヒーローみたいでした。
柳生十兵衛は、もちろん千葉真一。TVドラマでも人気を博すなど、当たり役を今回もワイルドにシブくダイナミックに。彼みたいな男♂くさい役者も、今は絶滅しちゃってますよね~。息子のマッケンユーも好きだけど、抱かれるならこの映画の頃のサニー千葉だわ。怪奇ファンタジー映画なので、前回の柳生一族よりも自由で奇抜なアクションを駆使できたようで、いっそうイキイキして見えた千葉さんです。俳優の演技もだけど、演出も今の邦画では考えられないような無茶をしまくってるのも、深作監督らしい魅力的な荒っぽさ。ラストの燃えさかる江戸城での決戦シーンは、実際にセットを燃やして撮影したとか。なのですごい臨場感と迫力です。監督も俳優も、命がけで面白さを追及していたのですね。
その他のキャストも、みんな激烈で珍奇。楽しそうにやってるのではなく、大真面目にトンデモな役に取り組んでいるところが、今の映画俳優気取りなCM俳優と違う重みと凄みです。柳生十兵衛の父、柳生但馬守宗矩役の若山富三郎の大物オーラが圧巻!柳生一族での萬屋錦之介ほどの怪演ではないものの、若山御大の抑えた狂いっぷりもヤバくて面白かったです。今の若いイケメン俳優なんか絶対できない、殺陣での俊敏で軽快な動きもお見事でした。宮本武蔵役は、これまた希代の名優である緒形拳。彼も鬼気せまる狂人ぶり、でも激シブでカッコいい!若山御大と緒形氏が同じ画面とか、すごい貴重感&重厚感!強姦破戒僧な室田日出男も狂おしくて強烈。いちばん頑張ってる目立つ熱演だったのは、細川ガラシャ役の佳那晃子。美女!そしてエロい!愛怨と愛欲に狂う姿が壮絶でした。惜しみない脱ぎっぷりもあっぱれ。魔物衆がみんな妖怪というよりキ〇ガイなキャラだったのが怖笑でした。
真田広之が柳生一族の時と似た役で、またまた若々しく躍動。当時まだ20代前半なので、とにかく若くて可愛いです。ピョンピョン飛び跳ねてる動きも、ほんとに忍者みたいです。ジュリーとのキスシーンは、公開当時すごい話題をさらったとか。脚本にはない思いつきの演出だったというのも驚き。他にも成田三樹夫と丹波哲郎がチョイ役ながらも、ただ出てるだけで画面を異様にする怪人っぷりを発揮してます。
それにしても。天草四郎の魔界転生スカウトが面白かったけど、人選をかなり誤ってましたね~。力を合わせて幕府を倒すはずだったのに、チームワーク無視でみんな好き勝手に暴走しちゃってたし。それを放置して全然まとめようともしない天草四郎も、リーダーの資質に欠いてたような。
島原の乱で非業の死を遂げた天草四郎は、悪魔の力によって復活。細川ガラシャや宮本武蔵など、この世に未練を残す死者たちを転生させ、幕府を滅ぼそうと暗躍する。柳生十兵衛はそれを阻止しようとするが、父の宗矩が天草四郎の魔手に落ちたことを知り…
大好きな映画「柳生一族の陰謀」の続編?同じ深作欣二監督、キャストも柳生一族でお馴染みの顔ぶれで、主役も同じ柳生十兵衛。今回は将軍の座をめぐっての政争ではなく魔物との怪奇戦で、将軍も次の4代将軍家綱に代替わりしていて、柳生一族での衝撃の結末もなかったことになってるみたいだったので、やっぱ続編ではなく別物と見なすのが正解でしょうか。
柳生一族もなかなかのトンデモ時代劇でしたが、今回はさらに奇想天外で荒唐無稽。天草四郎が有名死人をスカウト?し黄泉がえらせ、徒党を組んで幕府打倒!という設定の着想がぶっとんでてユニーク。オカルトシーンや妖術シーンなどでの特撮が、現在の高度で便利な乱用CGよりも味わい深く、親しみやノスタルジーを感じずにはいられませんでした。内容だけだとお子ちゃま向けかもしれませんが、おっぱいポロンシーン、レイプシーンや濡れ場など子供は観ちゃダメ!な大人向けの場面満載なのが、やはり現在の毒にも薬にもならん無難なポリコレ時代劇、アイドルやタレントの学芸会時代劇との大いなる相違です。70・80年代の邦画は本当に俳優の個性、存在感、演技のインパクトが大きくクオリティも高く、こんなトンデモ時代劇でも一流の出演者たちが濃ゆ~く絡み激突してます。
天草四郎役は、ジュリーこと沢田研二。ザ・ベストテンとか歌番組で、奇抜なファッション、メイクをしてヒット曲を歌う妖しい歌手、というイメージ通りの役、風貌で妖美な魔人を好演しています。独特の雰囲気と演技には、俳優とはまた違う魅力が。フツーの男の役など絶対にできないジュリーです。ステージでも着られそうな衣装も、ジュリーだから着こなせたと思います。ただの美男俳優、演技が巧いだけの俳優だと、派手なチンドン屋に見えてしまうだけでしょうし。悪役という感じはあまりなく、むしろ庶民を苦しめる非道な幕府をやっつけようと頑張ってるヒーローみたいでした。
柳生十兵衛は、もちろん千葉真一。TVドラマでも人気を博すなど、当たり役を今回もワイルドにシブくダイナミックに。彼みたいな男♂くさい役者も、今は絶滅しちゃってますよね~。息子のマッケンユーも好きだけど、抱かれるならこの映画の頃のサニー千葉だわ。怪奇ファンタジー映画なので、前回の柳生一族よりも自由で奇抜なアクションを駆使できたようで、いっそうイキイキして見えた千葉さんです。俳優の演技もだけど、演出も今の邦画では考えられないような無茶をしまくってるのも、深作監督らしい魅力的な荒っぽさ。ラストの燃えさかる江戸城での決戦シーンは、実際にセットを燃やして撮影したとか。なのですごい臨場感と迫力です。監督も俳優も、命がけで面白さを追及していたのですね。
その他のキャストも、みんな激烈で珍奇。楽しそうにやってるのではなく、大真面目にトンデモな役に取り組んでいるところが、今の映画俳優気取りなCM俳優と違う重みと凄みです。柳生十兵衛の父、柳生但馬守宗矩役の若山富三郎の大物オーラが圧巻!柳生一族での萬屋錦之介ほどの怪演ではないものの、若山御大の抑えた狂いっぷりもヤバくて面白かったです。今の若いイケメン俳優なんか絶対できない、殺陣での俊敏で軽快な動きもお見事でした。宮本武蔵役は、これまた希代の名優である緒形拳。彼も鬼気せまる狂人ぶり、でも激シブでカッコいい!若山御大と緒形氏が同じ画面とか、すごい貴重感&重厚感!強姦破戒僧な室田日出男も狂おしくて強烈。いちばん頑張ってる目立つ熱演だったのは、細川ガラシャ役の佳那晃子。美女!そしてエロい!愛怨と愛欲に狂う姿が壮絶でした。惜しみない脱ぎっぷりもあっぱれ。魔物衆がみんな妖怪というよりキ〇ガイなキャラだったのが怖笑でした。
真田広之が柳生一族の時と似た役で、またまた若々しく躍動。当時まだ20代前半なので、とにかく若くて可愛いです。ピョンピョン飛び跳ねてる動きも、ほんとに忍者みたいです。ジュリーとのキスシーンは、公開当時すごい話題をさらったとか。脚本にはない思いつきの演出だったというのも驚き。他にも成田三樹夫と丹波哲郎がチョイ役ながらも、ただ出てるだけで画面を異様にする怪人っぷりを発揮してます。
それにしても。天草四郎の魔界転生スカウトが面白かったけど、人選をかなり誤ってましたね~。力を合わせて幕府を倒すはずだったのに、チームワーク無視でみんな好き勝手に暴走しちゃってたし。それを放置して全然まとめようともしない天草四郎も、リーダーの資質に欠いてたような。
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