まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

スパイボーイ、スパイジェントルマン2

2018-02-02 | イギリス、アイルランド映画
 「キングスマン:ゴールデン・サークル」
 秘密スパイ組織キングスマンのメンバーとなったエグジーは、同じ訓練生だったチャーリーに襲撃される。謎の麻薬組織ゴールデン・サークルがチャーリーの背後にいることを突き止めた矢先、キングスマンは急襲を受け壊滅に陥ってしまう。生き残ったエグジーとマーリンは、アメリカのスパイ組織ステイツマンの本部で、死んだはずのハリーと再会するが…
 ブリティッシュ・スパイアクションコメディの快作「キングスマン」待望の続編!前作は飛行機の中で観たせいか、こういう映画はやっぱ映画館で観なきゃな~と、あらためて実感いたしました。第2弾も、ノリノリでキレッキレなアクション、大人向けの笑いに満ちたゴキゲンな仕上がりになってました。

 とにかくこのシリーズ、すべてが目まぐるしいんですよ。まるでカメラが踊ってるみたいな感じ。グルグル回ってビュンビュン跳ぶカメラワークなので、車酔いする人やジェットコースターが苦手な人が観ると、気分が悪くなってしまうかも。私は大好き!ハチャメチャだけど創意工夫を凝らしたアクションの数々は、相変わらずスタイリッシュでおよそ目を驚かすものですが、前作でたっぷりその斬新さを味わったためか、今回はお約束的が出た!な楽しさでした。おなじみのハイテク装置や武器、秘密兵器も漫画チックで楽しかったです。セットや小道具に金かけてるな~と今回も感嘆。でも、スパイ版マイフェアレディな味わいもあった前作に比べると、ブリティッシュテイストがちょっと薄まってたような。英国ファンには、そこが物足りないかも。

 キャストはスケールアップ!お馴染みのイギリスのスターに加えて、アメリカの大物俳優たちが参戦してます。英米あわせて4人もオスカー俳優が出演してます。ぶっちゃけ2017年版「オリエント急行殺人事件」より豪華かも。
 主人公エグジー役のタロン・エガートン、すっかり主役が板についてました。自信と余裕が感じられました。英国男子といっても、高学歴で名門出身の美青年じゃなくて、どう見ても高卒な下町の不良少年っぽいところが、返って個性的です。以前より逞しくなって、前作では七五三みたいだった英国高級スーツが、今回ははちきれそうなほどピチピチ!ガタイが良くなりすぎ?すごいガッチビ男子(ガッチリしたチビ)。イケメンではないけど、愛嬌ある童顔で可愛いです。たま~に、顔が丸くなって可愛くなった高橋由伸監督に見えた…のは目の錯覚?それにしてもエグジー、凄腕エリートスパイになっただけでなく、本物の王女さまと恋人同士になって、ラストには文字通りのシンデレラボーイに。すごい出世!高級スーツ姿やプリンスファッションよりも、下町ストリートボーイな時の彼がいちばんイケてました。ノシノシしたイカツい歩き方も、男らしくて好き。

 エグジーの師匠、ハリー役はもちろんコリン・ファース。彼なしの続編は考えられなかったけど、でもどうやって再登場させるの?な前作だったので、まさに驚喜な復活でした。ちょっと強引な気もしたけど、まあキングスマンの世界はナンデモアリですから記憶を失って、まるでボケ老人のような風貌と言動が、笑えたけどすごい切なくもあった。覚醒後も、ブランクのせいで鈍ったままなのが滑稽かつ痛ましくて。素敵な英国熟年だったハリーが、すっかり衰えた老人な感じになってたのも、エグジーの若さと成長とは対照的でした。大物ぶらずに主役を立てサポートに徹していたようなファース氏は、やはりハリウッドの強欲で目立ちたがりなスターとは違うな~と好感が増しました。マーリン役のマーク・ストロングも再登板。シブくてカッコいい彼がオチャメな演技、というギャップが素敵です。

 アメリカ側のスパイ組織ステイツマンの面々は、ジェフ・ブリッジズ、チャニング・テイタム、ハル・ベリーと華やかで濃ゆいメンツ。でも3人とも、そんなに出番も見せ場もありません。踊り病?に罹ったチャニングが、下着姿で踊る姿が笑えた。パンツのもりあがりのスゴさが平常時であれってステイツマンの秘密兵器は、カウボーイのムチや野球のバット&ボール爆弾、というのがアメリカンでした。イギリスがスコッチ、アメリカがウィスキーというのも初めて知りました。悪役である麻薬組織の女王ポピー役のジュリアン・ムーアは、極悪で狂ってるんだけどウフフ~ラララ~なフワフワな、すごく楽しそうな演技。彼女の60年代のアメリカンガールなファッションがインパクトあり。人間ミンチハンバーグとかロボット狂犬とかも狂ってるけど笑えた。

 並み居る大物たちよりも、まだ世界的にはそんなに知名度が高くない俳優たちのほうが、美味しい役、目立つ役を与えられていたような。中でも私の目を惹いたのは、前作でエグジーと同じスパイ候補生だったチャーリー役のエドワード・ホルクロフト。訓練で脱落して外道落ち、ポピーに改造人間?にされて、悪の手先になり果てたチャーリーですが、なかなかの活躍ぶりでした。「ロンドン・スパイ」での好演も忘れがたいホロクロフトくん、今後が楽しみな英国俳優です。ステイツマンの一員ウィスキー役のベドロ・パスカルも、かなり美味しい役でした。でも、最も強烈だったのは、ポピーに誘拐された英国の超大物歌手…

 エルトン・ジョンが、ご本人役!ド派手な橋田壽賀子?!まるで大阪のおばちゃんなキャラや、おネエ丸だしな設定など、よく引き受けたな~と感嘆。ちょこっカメオ出演なのかなと思いきや、ステイツマンの面々より出番も見せ場も多かった!めちゃくちゃ口が悪いのも笑えた。最終決戦シーンでは、ハリーを助けて大暴れ!エルトン御大、はっちゃけすぎ!私の大好きな名曲「ダニエル」を、ちょこっとだけ歌ってくれて嬉しかったです。
 パート3はあるのかな?トゥービーコンティニュードな終わり方だったけど。次はフランスのスパイ組織あるいは悪組織がいいな!ピエール・ニネとかタハール・ラヒムを起用して!
コメント (4)
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