まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

雪に濡れたふたり

2017-11-17 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭①
 「男と女」
 知的障害をもつ息子とフィンランドのヘルシンキに滞在していたサンミンは、同じ韓国人の建築家ギボンと出会い、互いに名乗ることもなく一度だけ肌を交わして別れる。韓国に帰国したサンミンは、突然自分を訪ねてきたギボンに戸惑いながらも再び…
 日本では最近、政界でも芸能界でもスポーツ界でも、ゲス不倫が盛んですが。どれも生臭くて薄汚くて、うんざりさせるものばかり。でも不倫なんて、現実にはそんなものなんですよね~。不倫といえば、古くから様々な映画やテレビドラマ、小説などの題材となり、甘い罪悪感と悲壮感に満ちた恋愛、美しいイメージで描かれたものが多いので、実際にまったく縁のない私などからしたら、ファンタジーに近い世界でしたが。一連のゲス不倫の流行で、汚らしい醜悪な迷惑行為としか思えなくなりました。

 この韓流不倫劇は、いちおう昔ながらの甘美で哀切な道ならぬ恋物語となっていますが、現実のゲス不倫のおかげですっかり冷めてしまった目には、それってアリなの?!とか、調子いいなあ~とか、ズルい!とか、ナンダカンダと難癖をつけずにはいられぬ映画となってしまっていました。
 主人公の男女の不倫よりも、彼らの夫や妻、子どもたちの扱い、描写の端折りっぷり、都合のよさが気になって仕方がありませんでした。特にサンミンの夫なんか、影が薄すぎていてもいなくてもいい存在だった。子どもの障害や妻の鬱病を不倫の免罪符にしてた内容にも、何か引っかかるものを感じました。本当に相手を愛して、というより、互いのストレスや寂しさ解消、性欲処理のための関係、としか思えなかったです。実はゲス不倫なのに、甘く切ない恋愛に見せようといろいろオブラートに包んでた、みたいな印象。

 普通の恋愛よりも不倫のほうが、男女の温度差がイヤな形で現れるものなのでしょうか。サンミンとギボンを見ていて思った。女はしたたかだけど愚か、男は弱いけどズルい、と。サンミンの表面的には冷静で狡猾な不倫ごまかし言動は、アッパレの一言。でもいったんタガが外れると、盲目的で破滅的な衝動に突き進んでしまうのも女の怖さ。ギボンの無邪気というより幼稚な言動には、イライラさせられっぱなしでした。女の都合や心情などお構いなしで、ガンガン攻めてくるアプローチは、ほとんどストーカーだったし。夢中になってる間は情熱的だけど、ハタと我に返って現実的な選択ができるところも、男の身勝手さ。ラストシーンとか、甘く哀しい演出なんだろうけど、私には不気味なほどみじめな終幕としか思えなかったです。それと。サンミンとギボンの比較的裕福な生活を見ていて、やっぱ不倫は貧乏人より金持ちのやることだな~と苦笑。生きてくだけでイッパイイッパイな私のような者には、不倫するチャンスも気力体力もありません(笑)。
 ギボン役は、私の韓流3王子の一人であるコン・ユ❤

 彼が本格的な濡れ場に初挑戦したということで、絶対に観ねばならない映画だったんです(笑)。ちゃんと脱いで濡れてたコンたんでしたが、期待してたほどのものではなく、ちょっと肩すかし。コンたんにはあれが精いっぱいだったのかな。コンたんにしては頑張ってたと思うけど、チュ・ジンモやチョ・インソン、チョン・ウソン、ソン・スンホンやコ・ス、チュ・ジフンなど、これまで数々の人気韓流イケメン男優が挑んだ驚愕の全裸ズコバコに比べると、良く言えばソフト、悪く言えば大したことなし、でした。あれぐらいなら、日本の若い男優でもできそう。コンたん、ケツぐらい出さなきゃ!でも相変わらず肉体美でした。

 コーヒープリンスの頃に比べると、さすがに顔は老けたコンたん。でも、成熟した大人の男の域には、まだ達していません。まだ青年っぽい。イケメンだけどアホ顔なので(大沢たかおに似てるとよく言われてるけど、私には安田大サーカスの団長に見えることがままあり)、シリアスな演技しても深刻に見えないんですよね~。やっぱ彼はコメディ向きです。年下のイケメンがヒロインにガンガン迫ったり甘えたりする描写や台詞は、韓流の十八番ですよね。もしキモいブサイクが同じことやったら、ただのストーカーで即通報です。
 サンミン役は、「シークレット・サンシャイン」でカンヌ映画祭女優賞に輝いた、韓国随一の女優で濡れ場女王でもあるチョン・ドヨン。傑作「ハッピーエンド」とちょっと通じるところがある、虚無的かつ激情的なヒロインを巧演してました。いつも思うのですが、彼女ってすごく絶妙な表情をするんですよね~。特に印象的だったのは、いなくなった息子を探す車内での彼女。焦燥感の中にも、いっそ見つからないほうが…とでも考えてそうな闇を感じさせる表情が怖かったです。ラブシーンでは終始コンたんをリードしてましたが、完脱ぎなしで彼女にしてはフツー。下着姿が煽情的でした。
 フィンランドロケも売りとなってますが、なぜフィンランド?あまり必然性を感じなかったです。ほとんど韓国で話は進んでたし。それはそうと。日本でも、大人のメロドラマ映画作ってほしいなあ。漫画映画ばかりでトホホです。

 ↑今年は日本で「新感染」「密偵」も公開と、コンたんファンには嬉しい年でした
コメント (3)
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