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地図上の侵略続くアジア(2)

2012-05-26 | ラジオ
またこの海域は漁業資源も豊かだ。16日から中国は、フィリピンとの間で係争中のファンヤン島を含め、南シナ海北部における漁の禁止措置を導入した。この措置はベトナムの利益にも触れるもので、ベトナムはすでに中国当局の決定に抗議を表明している。
一方、中国のインターネット上には、中国はフィリピンとの戦争を準備しているとの情報が溢れている。中国政府当局は、広州軍管区の部隊や艦隊が戦闘準備態勢に入ったという情報は、単なる噂に過ぎないとし、これを否定している。

フィリピンはアメリカとの軍事同盟や、国際機関におけるアメリカの支持に期待しているが、ロシアの政治学者アレクセイマスロフ氏の見方は、国際調停裁判所を通じて紛争を解決しようとしているフィリピン政府の試みは、破綻が運命づけられていると厳しい意見を持っている。
「中国にとってこれは国内問題であって対外問題ではない。フィリピンにとって、すべての問題を裁判所を通じて解決しようとの試みは絶望的行為だ。
公式的には、そうした行為は絶対的に正しいけれども、アジアの現実はそれとは異なるからだ。中国はスタンダードなアジア的政策を堅持している。あらゆる係争問題は強硬策を取らず、双方の長期にわたる交渉を通じ解決するというものだ」
政治学者は、このように話している。

アジアにおける領土問題は日本、中国、韓国、フィリピン、ベトナムといった国々を直接的な軍事衝突の瀬戸際まで幾度も追い込んできた。
しかし中国には、その増大しつつある力を直接的な軍事紛争に向ける心積もりはない。
あまりにその代償が重く大きいからだ。ましてフィリピンや日本の背後には、はっきりとアメリカの航空母艦の姿が見えている。しかし中国は緊迫する国内政治状況や、社会で高まる民族主義的気運を考慮するならば、後ろに引くこともできない。

こうした状況の中でアジアの地図戦争は、領土紛争の全ての当事国にとって、国益を貫く固い決意を内外に示すのに都合の良い手段となっており、また同時に相手国へ政治的圧力を加える道具となっている。

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5月16日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル