1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

イスラム諸国会議機構サミットの開幕によせて

2008-03-15 | ラジオ
西アフリカに位置するセネガルの首都ダカールでは、13日イスラム諸国会議機構
サミットが開幕した。
参加者達はこのサミットで、機構内に残された幾つかの問題、そして複数の国際
問題をめぐって共通の立場を採択したい考えだ。
これに関連してロシアの声の特派員はダカールから、次のようにコメントしている。
AX
今回セネガルで開催されるイスラム諸国会議機構サミットは、イスラム世界の国
連とも言われるもので、今回で開催11回目を数える。
一方で専門家達は、イスラム諸国会議機構を国連と同様のものと捉えることが出
来ないのは、憲章をめぐる機構内の対立を未だに解消出来ないことが原因となっ
ていると指摘している。
またイスラム諸国は差し迫った国際問題に付いても、意見を対立させている。

取り分け意見が分かれているのはコソボ情勢に付いてである。
イスラム諸国会議機構加盟国の内、コソボの独立を承認したのはサウジアラビア、
アルバニアそしてセネガルの3カ国に過ぎず、その他の加盟国は国家の承認は国
際機構の中で話し合われるものではなく、それぞれの国が個別に判断することだと
の考えを明らかにしている。

とは言えイスラム諸国会議機構が、14日にもコソボ問題を国際法の枠内で解決す
ることを促進するような声明を、採択する可能性は充分に在る。
しかもイスラム諸国会議機構加盟国の大部分は、コソボ情勢の矛盾点を充分に理
解し、イスラム世界の団結を求めるような呼びかけが、危険な性格を帯びているこ
とを認識している。
何故ならコソボの危機は、イスラム世界の対立によってだけでなく、コソボに暮らす
セルビア人やトルコ人は、数年に亘って苦しめられてきた民族的分離主義によって
引き起こされたものだからだ。

またイスラム諸国会議機構内でのこうした対立は、ダブルスタンダードを生む結果
にも繋がっている。
例えばコソボの一方的な独立を支持する人々が、パレスチナ国家の創設に付いて
は、これと全く反対な立場を占めており、中東問題の正常化は、もっぱら関係当事
国全ての合意に基づいたものでなければならないとの意見を主張している。
つまりこのことはイスラム諸国会議機構が、国際社会との協力のなかで今後の発
展を成し遂げていく必要があるということを、改めて証明している。

大人も子どももわかるイスラム世界の「大疑問」
(講談社プラスアルファ新書)


池上 彰
講談社


このアイテムの詳細を見る

3月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル