■ 完走記ならぬ、リタイアの報告です。
これを記していて、また来年チャレンジへの想いが募ってきます。
年齢・体力的に、100kmのトレイルランは、今回1回かぎりにしようとの思いで練習と準備をしてきました。
結果は、2、3のことが影響して、最後の関門をぬけられませんでした。
まったく手(脚、心肺、それに視力もありますね)の届かない結果だったらあきらめがつきますが、気象条件が今回程度でしたら、今回の経験・感触から、アクシデントを無くし、タイムロスを縮める可能性が残っています。
来年が、最後のチャレンジになるかもしれませんが、今回から教訓を得て、また来年、完走への夢をつなぎたいと思います。
ペーサーさんには、がっかりの想いをさせてしまいましたが、一緒に走った(歩いた)真っ暗闇の急登・急下、岩場・木の根の登山道、時々交わした話、ライトに照らされて美しく浮かびあがる、野生のリンドウの花。
忘れがたい感動でした。
○ 前日まで:
大会開催日の7日ほど前、菜園に行き、新米30kgを買った折、中腰で持ち上げたのが原因で腰に重たい感じが生じました。
どうしても大会に出たいんですが、とりかえしがつかなくなっても困るので、整形外科医院に行く。
「急性腰痛症」という診断で、注射をし、炎症をとめる薬と腰ベルトをいただいた。
同時に2本針を埋める針治療を行った。
「どうしても大会に出たい」というと、先生は、「安静がいいんですがね~、痛くなったら勇気あるリタイアをしなさい」。
針の先生は、「出たら悪くなりますよ」。
昔1度、アクシデントが原因で、同様の症状になったことがありましたが、その時ほど痛みや辛さはないので、用心しながら出場することにしました。
練習量も、事前調整も、大会に参加できる休日も、問題なくここまでこれたんですから。
○ 大会前日:
6:14、最寄駅を出発。
8:00ころ:新宿から、直通バスで斑尾高原へ。通常ですと午後1時前に到着ですが、連休の車の渋滞で午後3時30分に現地到着。
信濃町のペーサーWさんに電話をする。
会場に向かっていますが、やはり渋滞で時間に間に合わないようです。
コースガイダンス
宿に荷物を置き、そそくさと受付を済ませ、そのまま、すでに始まっていたコースガイダンスに、途中から出席(15:50)。
続いて、競技説明を受ける。
ウェルカムパーティ(妙高市長)
終了後、Wさんと初めて会い、一緒に歓迎パーティ、開会式、夕食の会に参加。
6:50、会場を抜け出し、宿に戻り、明朝スタートの準備。
8:00には眠る予定でした。
指定された宿泊部屋が1階で、その下が地下室のカラオケで、布団に入ってもその音がドンチャンうるさい。
一般客も同宿でしたので、今回のイベントを承知している某ホテルさんは、早起きをひかえているランナーに対しては、4階とか5階に部屋をとってくれる配慮をしてほしかったですね。
結局、1階宿泊客のクレームに対し、フロントさんは「9時に終わります」が、「9時15分に終わります」に変わり、結局音が止んだのは9時30分。
寝付いたのは、10時ころでした。
次回は、ランナーだけが泊まりそうなペンションか民宿にしたいですね。
○ 大会当日
<スタート前>
12時30分ころに、目が覚め、あとは午前3時までウトウト。
3:00、起床、ちゃんと眠れたのは2時間30分でした。
3:40、シャトルバスでスタート地点のレストランハイジへ。
スタートゲート(4時ころ)
朝食をし、ゴール荷物・中間点荷物を預け、スタートの受付をする。
ウェアーは、帽子、上は半そでTシャツにウィンドブレーカ、手袋、下はロングタイツにトレランパンツ。
<スタート後>
0~1A(18.5km)
最初の上りはありますが、後は比較的ゆるやかなアップダウン。体力もあり、比較的走りやすい。
20分ほどで、ウィンドブレーカを脱ぎ、手袋をはずす。
1A~2A(23.9km)
急登、途中岩場を這って上る、見晴らしが素晴らしい明神岳を通過し斑尾山の頂上を通過。下りに入りますが、次に袴岳の登りを控えていますのでゆっくり下る。万坂の急斜面を下ると2Aに到着。
このあたりから、腹の調子がおかしくなり、2Aのトイレに寄る。
2A~3A(38.5km)
ロードを横断後、袴岳の登りが始まる。斑尾高原トレイルの時はかなり辛かった記憶ですが、今回はそんなにでもない。頂上(約30km)の絶景ポイントでストレッチ。
しばらく下ると、こんどはほんとうには走りやすい下りのトレイルが10kmほど続く。飛ばしすぎないようにという区間です。3Aで4,5分休憩、トイレに寄れず。以後、関川沿いにだらだら上る。2kmほど先の北国街道の関川の関所でトイレ。ちょっとコースからはずれ10分近く時間を費やす。
3A~4A(52km)
45kmあたりから登り勾配が急になってくる。
黒姫山がまじかに見える。
4A~5A(66.6km)
急な登り口に、日本一見事な「黒姫のコスモス畑」がある。
観光客がおおぜいいた。
今が盛りのコスモス畑の中を過ぎる。
その先は、ただただ登りという記憶しかない。
分岐に寄り道し、腹のゴロゴロを直す。
いささか、トイレ休憩にげんなりするけれど、この先の5Aでは、ペーサーのWさんが待っている。
5Aにたどりつくまで、平坦、下りはいっさい無い。
無情!、絶壁のように感じるスリップ防止の足場付き急登をつづら折れして登る。
前半で蓄えていた時間預金が無くなってくる、暗くなってくる。
5A直前で飛ばしました。
午後6時10分ころ第2関門(66.6km、午後6時30分)の5Aに到着。
Wさんは、今か今かと私を待っていたようでした。
真っ暗です。
5A~6A(81.3km)
ライトを点灯し、ペーサーのWさんと6時20分、5Aをスタート。
真っ暗闇の足元をライトを照らしながら、ひたすら登る。
手持ちのティッシュがなくなり、ペーサーさんからティッシュをもらい、暗がりで2回ほどゴロゴロを直す。
6Aスタート直後、役員スタッフが駆け寄ってきて、「上りはふつう、下りは飛ばさない、平坦は歩く、そうすれば、第3関門の戸隠中社に、まだ間に合うよ、がんばって!!」と励ましを受ける。
9時過ぎに小雨がパラツキだした。
瓦礫の段差、木の根の登山道が、濡れてきた。
足元に注意しながら、ひたすら前に進む、眼鏡が曇る、ハンドライトがやや暗くなる。
最後尾集団が7,8人、抜きつ、抜かれつ、坂を登る。
分岐標識のライトが点滅している。
ライトに照らされる、コース沿いのリンドウの花、その青さが強烈に印象に残る。
6Aめざして脚を運びますが、6Aが遠く感じる。
下りきって、雨に濡れたロードに出て300mほど走る、6A(81.3km)に到着。
<6A(81.3以降)>
第3関門8A(89.7km)の制限時間(午後11時30分)まで、6Aからの残り時間56分、距離にして8.4km。
この区間は、案内によると比較的起伏が少ないんですが、途中から戸隠神社の山道に入る。
エイドの役員から、「頑張りますか、まだ行きますか?、第3関門まで5,6分/kmで行ける自信があれば間に合います。そうでなかったらリタイアを決断して下さい」と促される。
瞬間に、あらゆることを想定し、リタイアを決断、スタッフに告げる。
今日、大会結果を整理してみましたが、
5~8分/1回のトイレタイム、2~5分/1エイドの補給タイム込みで、
スタート~4A(52km)が10分34/km、4A~5A(66.6km)が14分/km、5A~6A(81.3km)は16分/km のペースでした。
Wさんには、この区間バックパックを背負ってもらい(ルール内、)いろいろサポートしていただき、ただ感謝の念でいっぱいですが、体調、小雨、疲労による集中力の欠如などが想定されることから、無理をして関係者にご迷惑をかけるよりも、この時点でリタイアが賢明と判断しました。
まだ、大半のランナーが飯縄山を通過しているころ、役員の車でゴール地点の飯縄高原スキー場に向かいました。
11時過ぎに着替え、しばらくゴールする選手を見ながら(寒かったです)、妙高高原赤倉温泉の宿に向かうシャトルバスを待ちました。
○ 大会翌日 および表彰式
赤倉温泉の宿は良かったです。
午前2時ころ、就寝。
9時に同宿の選手7名ほどと、朝食ををとりながらくつろぐ。
一人の方は、7A、8Aをエイド補給しないで、第3関門を5分前に通過し、21時間台でゴールしたようなことを話されていました。
飯縄山の登り下りの岩場はたいへんだったようです。
11時、宿の車で、赤倉体育センターの表彰式会場に向かう。
表彰式後、会場で昼の軽食。
13時30分、会場から長野駅行きの直通バスに乗り、JR新幹線で帰宅。
帰宅は、午後6時30分でした。
会場で発表の非公式データーですが、
509名の参加者で出走490名。
内、男子完走330名、女子完走43名、完走率76%とのことでした。
男子表彰式
ちなみに、男子の優勝者は、2位と1時間以上差をつけてゴールした相馬選手(35歳)。10時間を切る、信じられないタイムです。
女子表彰式
女子優勝は、林田選手(34歳)で、14時間3秒でした。
■ 総括
数分の違いがあるかもしれませんが、今回のラップタイムです。
s~1A(18.5km) 2:24 1A~2A(23.9km) 1:14(3:38) 2A~3A(38.5km) 2:44(6:22) 3A~4A(52km) 2:46(9:10) 4A~5A(66.6km) 3:30(12:40) 5A~6A(81.3km) 4:24(17:04) 午後10時34分、6Aにてリタイア
今回は、思い立ってから、4ヶ月ほどの準備期間で参加しました。
腹の調子は、今日も今一です。
大会中は、ほとんどなにも感じなかった腰は、ひどい痛みは感じませんが、大会前と同じ鈍痛に戻りました。
脊椎の骨が、つぶれるというひどい腰痛ではないという診断ですが、針の先生がいる、金曜日に通院してゆっくり直します。
直り次第、時間をかけて再チャレンジ体制に入りたいと思っています。
最後に、縁あってペーサーをしていただいた地元のWさん(30歳)、短かくも濃い時間をご一緒し、たいへんお世話になりました。
また、あの美しい北信の5つの山をトレイルする機会を与えていただいた、主催者はじめ地域関係者にお礼と感謝を申し上げます。
今日のJ&S
信州五岳トレイルランニングレース 81.3km
9月の累計 243.3k 年間累計 2162.3k