緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

子どものミカタ:薬は登山の靴

2023年06月04日 | 医療
薬に対しての立ち位置は、千差万別・・最近、処方が必要な方で医療用麻薬は拒薬される方は、ほとんど出会わなくなりました。眠剤や抗不安薬は、自ら処方希望される方が多数いらっしゃいます。化学合成薬より漢方薬を希望される方もいらっしゃいます。診察の時から、ご自身の薬に対する考え方について話し合うことができる場合もあれば、何も質問ありませんという方で症状の改善が思いのほかよくないためよくよく確認してみると思い . . . 本文を読む
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子どものミカタ:一言でいうとどんな病気?どんな状態

2023年05月28日 | 医療
とても面白くて、通勤の友になっている本「子どものミカタ」山登敬之.日本評論社,2014副題は”不登校・うつ・発達障害 思春期以上、病気未満とのつきあい方”帯には”思春期はいつもグレーゾーン。悩みか病気かあいまいな子どもと向き合うためにベテラン精神科医が明かすヒント”と書かれています。この本の中から、一言でいうとどんな病気か・統合失調症よくわからなくな . . . 本文を読む
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車椅子での外出のアテンド

2023年05月21日 | つれづれ
元同僚が病院に来る予定と連絡が来たので、待ち時間に会うことになりました。最後にあったのはコロナ以前。なんと・・お目にかかると杖歩行・・神経系の疾病のため車椅子と杖で、当院の外来受診の時、訪ねてきてくれたのでした。採血検査から診察までの間の30分ほど。今まで何があったのか、沢山話を聞き、そして、外来の時間になりました。移動は、介護サービスの同伴があり、待ってくださっているとのこと。そこに声をかけてき . . . 本文を読む
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感染力がとても強い麻疹の注意喚起が流れています

2023年05月14日 | 教育
麻疹の感染情報が流れています。茨城県で1名東京都で2名対象患者さんは、GW前、GW中に公共交通機関を利用しています。医療機関には外来で発熱や感冒用の症状を見たときに、麻疹を疑い、よく問診等を行うように注意喚起の文章が送らています。都民向けに「麻疹(はしか)患者の発生」として東京都のHPに掲載されています。都内の患者さんは、茨城県の患者さんとのぞみでの接触が確認されています。4月23日(日) 東海道 . . . 本文を読む
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田園第5楽章 コロナを超えて

2023年05月07日 | 社会時事
GWは都内のラ・フォル・ジュルネ2023を満喫しました。毎年、GW中に3日間開催されていた音楽イベント。フランスで生まれたこのイベントは、東京では2005年から年1回開催され、2020年からコロナ禍で中止されていました。4年ぶりの開催。テーマは、ベートーベン。有楽町の国際フォーラムで有料イベントが開催され、期間中は有楽町、東京駅周辺、大手町~丸の内の様々な室内外で無料のイベントが開催されるクラシッ . . . 本文を読む
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仕事で座っている時間が長いと一部のがんのリスクにかかりやすくなる(?!)

2023年04月30日 | 医療
最近読んだ論文・・・仕事で座っている時間が長い男性は、膵臓がんのリスクが有意に高くなる・・・おお?!・・なんと・・運動しないことで膵臓癌???と推測しながら論文を読むと、座っている時間とBMI(肥満)と膵臓癌とは関連性がなく、余暇の運動時間とも関係がなく。では、女性は??なんと、なんと、座っている時間が長いと肺癌が増えると・・なぜ???そこに喫煙は関係がなく、考察では、受動喫煙が増えている可能性が . . . 本文を読む
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ELSI(エルシ)ラグ:遺伝子情報で差別を受けないために

2023年04月23日 | 社会時事
先週終わりから、4年の一度の医学会総会が開催され、参加していました。2011年は東北震災でしたが、2015年、2019年、2023年とコロナをくぐりぬけた開催でした。今回の医学会総会2023トピックスは、ビッグデータ、AI、DX、ゲノム!疾患ではcovit-19、がん、糖尿病などはありますが、それらの華やかさに霞ます・・ところで・・ELSI(Ethical, Legal and Social Is . . . 本文を読む
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がん妊孕性の番組で・・批評家ではなく、応援団になろう!!

2023年04月16日 | 医療
先週、夜遅い時間に何気にTVをつけたらがんの妊孕(にんよう)性を取り上げた番組が・・ハートネットTV“しあわせ”の選択 ~AYA世代のがんと妊よう性~日本人の2人に1人が生涯で「がん」になると言われています。特に15~39歳までのAYA世代では、毎年2万人が新たにがんと診断。直面するのが「子どもをもつ能力(妊よう性)」を失うリスク。医療の進歩に伴い、“妊よう性を . . . 本文を読む
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会議体の多様性は大切だけど、人が多ければよいわけではないのよ

2023年04月09日 | 社会時事
話し合う場は、多様な参加者で構成されるのがよいといわれています。でもね・・ 人が・・多ければよいわけではありません。男女、年代、色々いればよいわけではありません。医療でいえば、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、色々な職種が集まればよいわけではありません。大きな声の人が意見を述べると、急にそこに吸い寄せられ、同調していくようなことがあります。最初から、ほとんど意見を述べない参加者もいます。会 . . . 本文を読む
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新しい春

2023年04月02日 | つれづれ
大学の沢山の教育プログラムを一つの流れに整理するー体系化するために膨大な仕事をしてくださった医師がいました。あまりの仕事の多さ、集中に、他の医師にそれは移り、その医師の仕事は軽減されましたが、次第にそのプロジェクトから離れた形になってしまいました。数年ほど経過しました・・2か月ほど前、帰宅しようと乗ったエレベーターで久しぶりに一緒になって、挨拶したのもつかの間。この3月で辞めるんです。えっ・・その . . . 本文を読む
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人生の物語は完結してしまったのだけど・・

2023年03月26日 | 医療
2011年2月6日というと、東北の震災の1か月位前のことの記事・・そんな気持ちで過去の記事を見ていました。先日、コメントを頂いた記事。こんな古い記事を記憶に留めていてくださっていた・・読み返してくださっていた・・言葉が見つからないほど・・嬉しく・・感激でした。改めて、患者さんのことを想い、振り返ってみたいと思います。マサコ アーントによるPixabayからの画像 ーーーーーーーーーーーーもう、死に . . . 本文を読む
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お父さんの絵(3)

2023年03月19日 | 医療
思い出せないお父さんの顔(2)からの続きです。大切な人を亡くした子供たちのサポートグループ。ある日のテーマは、亡くなった人の絵を描こうというものでした。お父さんの顔を知らないみほちゃんは、描けないと言葉にしてくれたことで、ファシリテータだった私はリフラクションというスキルを使いながら、絵を描くことではなく、記憶にないお父さんのことについて、対話を進めていました。絵本を作っているお母さん。お父さんの . . . 本文を読む
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思い出せないお父さんの顔(2)

2023年03月12日 | 医療
30年くらい前のこと・・大切な大人を亡くした子供たちのサポートグループに私はボランティアで参加していました。ある日のグループワークのテーマは亡くなった人の絵を描いてみようというものでした。 トレーニングを受けたファシリテーターが参加した子供一人に一人ずつつきます。その日、私は10歳位のみほちゃんの担当でした。最初の輪になったセッション。そしてグループワークと続きます。でも、ワークへの参加は必須では . . . 本文を読む
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みほちゃんとグリーフワーク(1)

2023年03月06日 | 医療
25年ほど前、シンシア ホワイトさんは大切な人と死別した子供達をサポートするダギーセンターのトレーナーでした。ルーテル学院大学が学術振興会の助成でシンシアさんを日本に招聘し、当時、国内にはほとんどなかった大切な人を亡くした子供たちのグリーフワークのためのファシリテーター研修と6回コースのサポートグループトライアルを実施したことがありました。私もはじめてトレーニングを受け、ファシリテータとして参加す . . . 本文を読む
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死すべき定め(5)

2023年02月26日 | 医療
「よりよい生活」の章から本当の命を生きる(同 P.135)なんて、強い言葉なのでしょう。。。「定めに任せる」の章には、2010年のTemerの論文から再発進行肺がん患者を対象とした早期からの緩和ケアの導入が緩和ケアを受けなかった患者に比較して25%長く生きたことも記述されていました。加えて、膵がん患者さんは平均3週間、うっ血心不全患者さんは3か月も緩和ケアの導入によって長く生きることができたことも . . . 本文を読む
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