ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

インターネットTVはブレイクしない

2011年11月27日 | 雑記
昨年末、WEBテクノロジー関連の有力ブログ「ReadWriteWeb (RWW)」主宰者のRichard MacManus氏は2011年のwebに関する予言でインターネットTVがブレイクすると書いている。
それに対する私のコメントは以下のとおり。
以下、ITSを疑う 2010年12月29日エントリー引用
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4.インターネットTVがブレイク

GoogleTVの立ち上がりの不調(米3大ネットワークがコンテンツ提供を拒否)にも言及しながら、2011年は消費者の認知が進み、コンテンツも改善することで(少なくとも北米では)ブレイクするだろう、といっている。

本当かな?どうもTVとネットは「親和性」が悪いように思えて仕方がない。
一人暮らしならともかく、家庭における居間のTVの画面と、きわめて個人的な行為であるネットサーフィンは絶対に融和しない。
それが数々のセットトップボックスの失敗につながっているのではないか?

GoogleTVもAppleTVも、たいしたことにはならないと思う。
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GoogleTVは、Logitechの撤退宣言、Sonyが全く売れていないことなどから明らかに失敗に終わってる。
その理由として、3大ネットワークからのコンテンツ提供が不十分などの分析がされているが、やはり私は大画面TVとインターネットの融合は(単純な形では)無いと思っている。

ソニーのTV事業がずっと赤字であることはすでに報道されているが、国内市場の巻き返しということで今、ブラビアは「家族がつながるTV」というコンセプトでCMを流している。
しかし、家庭の大画面でYoutubeみたり、遠隔地のおじいちゃんにSkypeで孫の顔を見せたりなんて、単にPCの画面をTVで大きくしていることと理屈的には変わらない。こんな事で消費者の購買意欲を掻き立てるとは到底思えない。

何回も主張しているように、インターネットは極めて個人的なもので、だからこそ「パーソナルコンピューター」や「携帯電話」を使う。
一方で茶の間の大画面スクリーンは、そこに集う家族の最大公約数的なコンテンツで茶の間の団欒を維持する装置であり、個人的な通信コンテンツはなじまない。

むしろ、選択肢に制約があっても放送局が流しているコンテンツをみるほうが団欒は成立する。
何故なら、面白くないのは放送局のせいになるからだ。
しかし、例えばYoutubeなり、通信ベースによる多チャンネルオンデマンドだったりすると『お父さんそんなのやめてよ』みたいな話になるだろう。
まあ、TVを軸とした家族の団欒なんてすでに概ね崩壊しているけど、それでも茶の間の大画面TVは依然として家族の共用品だから、共用しているときにインターネットコンテンツが入り込む余地なんて無い。

一般的にいって、こうした家族の共用品(私は家財といっているが)と通信はなじまない。
大画面TVしかり、クルマ(日本の場合)しかり。テレビとネット、クルマとネットが融合するのは規定路線といいながら10年たって、技術的には実現しているにも拘らずたいした進歩が無いのはそこに理由がある。

ソニーはネット接続できるブラビアを売りたいなら「家族がつながる」は真逆だ。むしろ「個人の楽しみを大画面で」と言わなければダメなんだと思う。