ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都高距離別料金制へ移行・その理由の怪しさ

2011年11月05日 | 高速道路
首都高速のWEBページには、距離別料金制度への移行の理由として以下の3点が挙げられている。

1.ネットワークの拡大に伴い利用距離のバラツキの拡大及び短距離利用と長距離利用のお客様間における負担の不公平感が拡大してきたこと
2.ETCの整備により、出口料金所がなくても利用距離を把握し料金計算をすることが可能 となったこと
3.多くのお客様がETCをご利用いただく状況となったこと

しかし、2と3は距離別料金制への移行の環境が整ったと言っているだけで、移行する理由ではない。

したがって、首都高速㈱が上げている理由は、「お客様間の不公平感」だけなのだが、そんな消費者感情って、本当にいうほどあるのか?
いつも自分は5kmしか首都高を使わなかったのに、それよりもはるかに長い距離を使うユーザーと同じ金額を支払うことはけしからん、と思っているユーザーがどれほどいる?

更に言えば、首都高速㈱は3月に実施した公開意見調査では長距離の料金アップに対する反対が多かったのだが、それには答えていない。この料金改定によって不公平が是正されると考える「お客様」より、今回の料金改定を値上げだと考える「お客様」のほうがはるかに多いはずだ。

さらに、この改訂と共に首都高速の深夜・日曜割引も廃止になるという。

今回の料金改定は値上げではないと首都高速㈱はいうが、これは絶対に経営対策だろう。
それならそうとはっきり言いい、きちんと利用者と対話をするべきだ。

存在しない「不公平感」なんてものを理由にするのはおかしい。