ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ありがちなCarPlayに関する勘違い

2015年05月19日 | 自動運転

自動車業界は1985年のIBMと同じ道をたどろうとしてる。

タイトルを見て、自動運転の実現によりカーメーカーが単なる輸送機器メーカーになってしまうという話かと思ったら違っていた。

この記事の筆者(IT系の方のようだが)はいう。

「トヨタ自動車を含め、反対している企業も数社あるが、20社以上の自動車メーカーはインフォテインメントとメッセージ機能において、権利をAndroid AutoやApple CarPlayのいずれか、あるいは両方に渡してしまった。これは最終的に車の鍵をシリコンバレーに明け渡すことになりかねない。」

CarPlayは、単にiPhoneを車の中で使う際に運転の邪魔にならないようなわかりやすい形にして車両のディスプレイに表示をするインターフェースであり、それ以上のものではない。CarPlayを使わなくとも同じことはiPhoneをクレードルにひっかけておけばできる。ミラーキャストを使えばiPhoneの画面をそのままディスプレイに表示することだってすでにできる。でもそれは安全運転阻害となるから、表示できるコンテンツを制限し、運転中でも操作しやすいような画面で表示するのがCarPlayなのだ。

これを搭載したからといって車のオペレーションシステムをAppleに明け渡したことにはまったくならないし、百歩譲って車の「インフォテイメントの部分」をAppleに牛耳られることになっても大したことではない。というのも、どうせスマホが車内に持ち込まれた時点で車内のインフォテイメントはそのほとんどをスマホが代替できる。これには抗いようがない。

この記事の筆者は、車がネットに繋がることによって実現する例をいくつか挙げているが、果たしてこれが車にとってのキラーコンテンツなのだろうか?基本的に車に求められるものは快適かつ安全に目的地に到着することであり、ここに書かれている「車の中からオフィスのコーヒーメーカーのスイッチを入れる」といったサービスは多かれ少なかれそれを補完するものだろうが必須ではない。それ自身では何もできないパソコンとは根本的に違うのだ。

しかし自動運転となるとちょっと話が違ってくる。これは目的に安全に到着するという車の根本的な価値にかかわっている。そしてこの世界にApple, Googleが参入を狙っている。Apple はiPhoneのような垂直統合の世界を目指しているようにも思えるし、それだけに大手カーメーカーも危機感を持っているのだ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿