ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

乗り物ニュースのETC2.0翼賛記事。このタイトルはいかがなものか?

2018年07月26日 | ITS
乗り物ニュースのECT2.0記事、おそらく国交省に依頼された翼賛記事だと思うが、タイトルの「着実に近づく『従来型が使えなくなる日』」は故意にミスリードさせようとしているのではないか?

この記事は署名記事ではなく編集部記事であり、おそらく国交省の意向を受けて書かれたものだと思う。
このタイトルをみたら「通常のETCはそのうち使えなくなるから買うならETC2.0にしておこう」と考える人もいるかもしれない。というか、中身をよく読まなかったらそう思うのが普通だろう。
しかし、実際は使えなくなる理由は通信のセキュリティ規格の変更であり、通常ETCに関しても現在販売されている機種は概ね対応済みなのだ。(除く在庫処分品)
しかも、その変更時期は「現行のセキュリティ(車載器、カード)に問題が発生しなければ最長で2030年頃までとなる予定です。ただし、セキュリティに問題が発生した場合は、変更時期が早まる可能性があります。」ということで、まだ10年以上先の話。
今すでに通常ETCをつけているユーザーは10年後に使えなくなる可能性がある、ということ。ただ、これにしても切り替えには相当の混乱が予想されるため、本当に2030年に実施されるかどうか筆者は疑っている。

案の定、後追いメディアでは明らかに勘違いして「従来型は使えなくなる」としたものもある。
このような誤解をあえて誘うタイトルもETC2.0をなんとしても普及させたい国交省の意向なのだろうか?

以下はいままで散々書いてきたことだがあえて今回の記事内容に反論しておく。
私の主張をご存知の方は読む必要はないが、もしはじめてだったらご一読願いたい。

・広域的な運転支援、渋滞回避支援サービス
 広域的な道路交通情報や前方の渋滞情報、それに合わせた渋滞回避ルートなどが案内されるほか、事故多発地点や急カーブ、落下物などの情報の事前通知、災害発生時における災害情報と運転支援情報などが提供されます。カーナビと一体になっている場合は映像と音声で、カーナビがなくても、発話型のETC2.0車載器が装着されていれば音声でそれらの情報を得ることができます。ITSスポットでは、最大で1000kmぶんの道路情報が取得可能で、従来からカーナビで使用されているVICSよりも広域な情報が提供されます。

>これについては細かいことは言わないが、「これがついてて便利だ、良かった」という話は聞いたことがない。その程度の機能。

・圏央道の料金2割引
 2016年4月から実施。ETC2.0搭載車は、圏央道(新湘南バイパスを含む)を約2割引きで利用できます。たとえば平日の日中に神奈川県の海老名IC(神奈川県海老名市)から埼玉県の白岡菖蒲IC(埼玉県久喜市)まで圏央道を利用した場合の料金は、通常で3070円、ETC利用で2850円、ETC2.0利用で2590円です。

 このサービスは都心を避けた圏央道への迂回を促進する目的などから実施されているものですが、ETC2.0では走行経路の把握が可能になるため、将来的には渋滞を避けたルートを通行した際に利用料金を割引く制度も予定されています。

>割引がETC2.0に限定しているのは事実。ただしETC2.0は走行経路の把握が可能なため実現したかのように巧妙に書かれているが、実際はETC2.0だけを割引対象にしているだけ。ETC2.0の走行経路はエンジンを切るたびにその前後が消去されるので実際には使えない。実際は通常ETCでも使える受信ポストで判定している。
また、今後拡大が予定されている、とあるがさっぱり拡大していない。

・高速道路からの一時退出を可能に
 指定のICから高速道路を降りて指定の「道の駅」に立ち寄り、1時間以内に高速道路へ再進入した場合、降りなかったのと同じ料金になります。ETC2.0搭載車を対象に全国3か所から始まり、2018年7月現在では岩手県から長崎県まで、20か所で実施されています。

>これも同様。ETC2.0だから実現したのではなく、ETC2.0に限定しているだけ。通常ETCも対象にするべきだと消費者は声を上がるべきだが、あたかもETC2.0だから実現したかのようにしているので誰も気が付かないのだ。

・駐車場での利用
2017年から2018年3月にかけては、NEXCO東日本および中日本、首都高速道路などが主導し、一般駐車場で「ネットワーク型ETC」を活用した利用料金決済の実証実験も行っています。この「ネットワーク型ETC」は施設側が整備するもので、実験では従来のETC搭載車も利用の対象とされていましたが、ETC2.0の場合はさらに、車載器の発話機能で駐車場内の空いている駐車マスを案内したり、車両の登録情報から駐車場進入時に車高オーバーであることを知らせたりすることも可能になります。

>これもETC2.0限定の話ではない。ETC2.0ならではのメリットが書かれているが、音声案内が必要だとは思えないし、これも予定で実施のめどなどない話。

・ETCの普及団体であるITSサービス高度化機構(東京都千代田区)によると、将来的な展開として、このような駐車場やガソリンスタンド、ドライブスルー店舗での料金決済サービス、フェリー乗船の簡素化などを例示しています。

>ガソリンスタンド、ドライブスルー等はETC導入の時から言われているが実現していない。このブログでは15年前からこれは実現しないと言い続けている。

ETC2.0は路側ポストの設置に250億円、またその普及については恒常的に補助金を出しており、相当の金額が注ぎ込まれているがドライバーの利便にはさっぱり結びついていない。
したがって普及もなかなかなので、圏央道の割引や道の駅退出などを恣意的にETC2.0に限定して普及させようとしているのだ。
もう良い加減にやめてほしい。


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2 コメント

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えっ (後野まつり)
2018-07-30 21:59:01
DSRC表記の機種、10年後に全滅なの…
※ETC車載器が10年動くかについては不問
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切り替えできるかな (maikawa)
2018-07-31 10:22:49
2030年というと今から12年後。最近まで旧規格のETC車載器が販売されていたから、おそらく市場には5000万台程度の旧規格車載器がありますね。現在車両寿命は伸びていて、12年で廃車になるのは直感的に7割位?なかにはETCを外して新車につける人もいるし、いずれにしても2030年ではまだ相当数の旧規格ETC装着車が残るでしょう。それがある日突然使えなくなるといかに事前告知をしても料金所での追突事故等は避けられない。本当にできるのか怪しいと思ってます。
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