ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

車の進化はとまってしまったのか

2006年04月19日 | 雑記
昨日のエントリーで、車と通信の関係なんて、このブログをはじめてから2年間、全く進歩なんてないのだ、と書いた。
しかし、よく考えてみれば車とITの関係は、近年全く進歩が見られない、というのが実際の姿なのではないか?

私の個人所有車は今年の秋に4回目の車検を迎える。ということは、9年経過である。
しかし、ナビもVICSもついている。その他の装備にも別に不満はない。必要なものはすべて装備されている。
さすがに約10年前のCDナビの情報量は最新型に遠く及ばないが、目的地を検索し、ルートを知るという基本的機能には取り立てて不満がない。

一方で、今から10年前時点の10年経過車(ややこしい言い方ですが)を考えたら、状況は全く違うことに気がつく。1996年時点での、1986年式なんて、石器時代を見る感じだったのではないか?エンジン、ミッションなどといった基本性能も段違いだし、電装品にしてもナビはもとより、エアバックもABSもCDもない。
1986年からの十年間と1996年からの十年間を比較すると、車の進化は止まってしまった、という印象すらうける。

実際は、ここ十年でも目に見えない技術改良をしており、本質的には進化しているのだが、インターネットが我々の生活にもたらしたような「ブレイクスルー」といえるものがないのは事実だ。

見方をかえれば、少なくとも快適装備に関しては、もはやブレイクスルーの必要なんてないのかもしれない。道具としての車に対して、消費者にもはや取り立てて不満などないのだ。

自然界の進化が種の保存に支配されるように、商品の進化は消費者の嗜好に支配される。
「車と通信の融合」が実現しないのは、単に「そんな必要はないのだ」と考えるのが一番自然なのではないか。