ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

軽自動車の好調は格差社会を反映?

2006年04月16日 | 雑記
国内の軽自動車販売が好調だが、毎日新聞によれば新車市場は軽自動車と高額輸入車の二極分化が起きており、それは格差社会を反映しているそうだ。

あまりにステレオタイプな見方に驚く。

まず、最近の原油高は日本に限らず世界中で新車販売の小型車シフトを招いている。
軽自動車好調の最大原因はそれだろう。
さらに、最近の景気回復で高級輸入車の販売が伸びること自体、なんの不思議もない。

そもそも商品は成熟すれば2極分化するものだ。
クルマはすでに富の象徴ではない。正規就業すれば誰だってクルマくらい買える。
日本人は、そんなことに豊かさを感じなくなってきている、というのがより正確なのではないかと思う。

格差拡大で軽自動車が売れているなら、本当は小型車がほしいけどやむなく軽自動車を買っているはずだが、今の消費者にそういったイメージはあまり感じない。
そもそも格差拡大で下層社会の可処分所得が減少しているのなら、買換えを控えるか、中古車を買う、というのが普通の消費行動で、軽自動車の新車ではないだろう。

貧乏だからユニクロで服を買うわけではない、裕福だからブランド品を買うわけではない。要は、価値観が成熟してきているだけだ。そういった価値観の中では、中途半端な高級品は売れなくなる。クルマにも、そうした現象が顕著に現れてきている、ということなのではないのだろうか。

確かに、非正規就業の若者の購買力が弱い、という社会現象は別の問題として存在し、それはそれでわが国の消費構造に対して大きなインパクトを与えることになるだろうが、彼らが軽自動車の新車を買っているとはとても思えない。