SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「ポストマン」

2008年04月03日 | 映画(ハ行)
 富士山、菜の花、赤いポスト・・・日本の原風景だ。そういうモチーフの映画はたいていまっすぐに素直だ。本作もその例外ではない。思ったとおりに筋が運ぶ、そういう意味では安心できる。が、そこが物足りないという人も多いだろう。

 民営化前の郵政公社時代の郵便局が舞台になっている。郵便が運ばれるしくみも、郵便局の規則も、なるほどこうなっていたのかと良く説明してくれる。

 手紙というメディアの持つ意味を、いまさらながらに再認識させてくれる内容だ。

 郵便は「心を運ぶ」という部分で単なるビジネスではない。そこで人情と職場の規則の板ばさみになる主人公の立場も描かれる。
 しかし最終的にここに描かれるのは人情の世界だ。ウォール街のビジネスマンではない「郵便屋」の世界だ。

 今回製作総指揮も兼ねた長嶋一茂のやや前近代的な主人公の描写が、類型的ではあるが悪い感じはしない。

 すでに郵便局は昨年秋に民営化されている。効率化で切り捨てられていくものも多いはずだ。主人公の世界観はどう変わるのか?民営化で揺れる郵便屋を描く期待の第2部・・・が出来るわけないか。

 素直な運びの中でただ一つ、物語の主筋に関わる郵便の意外な利用法が出てくる。どんでん返しというほどではないものの、物語の薬味として効いている。


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