ジョージ・クルーニー主演のアカデミー賞ノミネート作品。
人物造形が素晴らしく決まっている。現代人の特徴的なあり方を象徴する主役3人がいずれもアカデミー賞候補となったのもうなずける。それを書き込んだ脚本も含めて。
人と人との関係が疎ましく、それを希薄化した環境に身を置いているつもりの主人公が、逆に人間関係の大切さを説く立場となり、自身もそれを悟るに至るヒューマンな物語だ。
孤独で幸福、はありえないということがしみじみ伝わってくる。
原題「UP IN THE AIR」のとおり、空撮の地上景観が多く挿入される。人間の営みを静かに見つめる神の視点のようでもある。