SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

小説版「どろろ」

2005年11月30日 | 音楽・演劇・美術・文学

 数年前、書店で偶然に見つけた。ファンであるからには買わないわけには行かない。読み始めたらこれが面白い。克明に記述してあり、戦国の歴史の一コマに確かにこういう話があったのだと思えてくる。

 全三冊の大作で活字離れ世代には辛いかもしれないがファンならば是非、とお勧めしたい。ただしなかなか書店でお目にかかることはないと思うので取り寄せになりそう。まとめてロードショー一回分ほどの値段。鳥海 尽三 著、学研M文庫、2001年発行。

 第一巻 百鬼丸誕生
 第二巻 妖刀乱舞
 第三巻 崩壊大魔城

幸・不幸の分かれ道

2005年11月29日 | 日常生活・事件
 世の中には2種類の人間がいる。
 鮨を食べる時、好きなものから食べていく人達と、嫌いなものからつまんでいく人達だ。

 好きなものから食べていく人は、次に好きなのはどれかを選んでいくので最後まで好きなものを食べつづけることができる。
 一方、嫌いな方から食べていく人は同じ理屈で、嫌いなものばかりを食べつづけていくことになる。

 自分が持っていないもののことを思い、あれがないから、だから自分は不幸なのだと考えるか、所有するものを大切にし、私にはこれがある、だから自分は幸福なのだと考えることができるかで、人生の満足度は違ってくるようだ。

 だけど、年に一度のクリスマス、欲しいものがあるよね。

映画「電車男」

2005年11月28日 | 映画(タ行)
 一人の男がリアルな世界との関係を切り結んでいくプロセスを描いた作品。ネット掲示板の世界を映画化したわけで、仮想空間がリアリティを獲得して行くコメディを楽しめる。男が「マトリックス」のファンだというのも象徴的。

 エルメスおよび電車男の応援団に関しては多少なりとも周囲との関係性が描かれているが、電車男に関する限り部屋が映し出されるだけで、どういう家族構成で、何から収入を得ているのかまったく状況が説明されない。さながらネット上の仮想人格そのものである。その存在についての真偽が議論される状況をそのまま、映画はあえて(?)宙ぶらりんに描いているのか。

 エンドクレジットの前後に短いエピソードが挿入される。一つは電車男とエルメスが実は以前、間接的に出会っていたと言う微笑ましい挿話。
 クレジットの後のもう一つの挿話はTV会社が製作しただけに、TV版「電車男」へのつなぎの、いわばPR。しかし、これは時期を選ぶので、すでにテレビ放映さえ終了した時点で映画を見たり、今後DVDやビデオ化された時点でこれを見ても必然性のないエピソードになってしまう。

 今や昔のパソコン通信時代には森田芳光監督の「ハル」があり、これはシリアスな作品。

医療ミス未遂

2005年11月27日 | 日常生活・事件

 土曜日の午前中、近所のクリニックにインフルエンザの予防接種を受けに行ったらずいぶん混んでいた。

 一時間近く待った後、呼ばれて診察室に入った。現在の体調とか、薬、注射に対するアレルギーなど簡単な問診のあと、カルテとともに隣の処置室の看護婦に引き継がれた。

 看護婦: じゃあ、とりますからそこに横になって下さい。
 私  : (絶句、しばらく無言の後)とるんじゃなくて注射を打ってもらうんですけど・・・・。
 やり取りを聞きつけた医者が隣から顔を出した。
 医 者: おいおい・・・・注射、インフルエンザの注射。
 看護婦: 心電図をとるんだと思ってました。

 ネコの額ほどの小さなクリニックでこれだから、広大な総合病院の片隅で何が起こっているかは誰にもわからない。胃や肺を摘出しようと思ったわけではないので、危険はないもののこうやって医療ミスは起こるのだ。

 思い込みで仕事をしないでしっかりカルテを見ようね、看護婦さん。

どろろ ~ 実写ではなく実演

2005年11月26日 | 音楽・演劇・美術・文学
 手塚治虫の「どろろ」実写版映画化が話題になっていますが、昨年ある劇団が舞台化して新宿の紀伊国屋ホールで公演しています。映画以上に制約の多い、舞台での実演ですから脚色の手腕が問われます。

 タイトルが「新浄瑠璃 百鬼丸」となっていることからも分かるように人形をうまく使っていました。どろろの設定は原作とは離れて、子供ではない男性でした。

映画「コープス・ブライド」 ~ フランケンシュタイン変奏

2005年11月25日 | 映画(カ行)
 異形の者のピュアな愛が綴られる、「シザー・ハンズ」に並ぶ作品。一種のフランケンシュタインものだが、ダークファンタジーというよりこれはもう純粋なラブ・ストーリーだ。

 「死体の花嫁」の声は、ケネス・ブラナー監督作品「フランケンシュタイン」で主人公デ・ニーロの花嫁を演じた、その怪演ぶりが恐ろしかったヘレナ・ボナム・カーター。まさかこの作品を見てティム・バートン監督が私生活のパートナーに選んだわけではないだろう?

 「チャーリーとチョコレート工場」と並行して製作されたそうだがともにレベルが高いのには恐れ入る。
 モノクロ(に近い、厳密にはカラー)パートとカラーパートの使い分け方やミュージカル仕立てなど共通した特徴がある。

サクラが咲いた!

2005年11月24日 | 日常生活・事件

 サクラが咲きました。
 と言ってもこれは前回エントリー記事の万華鏡の中の出来事です。5角形パターンの万華鏡なので花イメージは出て来やすいのですが、これはズバリ花以外の何物でもありません。

 ようやく冬らしくなってきたところで、桜はマダマダですが一足気の早い出現でした。

 受験生の皆さんはいよいよ本番に向けての追い込みに入ってきたことと思います。来春、見事サクラが咲きますようご健闘をお祈りいたします。
 

プラネタリウム万華鏡

2005年11月23日 | 日常生活・事件
 全日空の機内誌に沖縄で作られている「プラネタリウム万華鏡」が紹介されており、早速入手しました。これがとても素敵なものなのです。

 最近は万華鏡もいろいろなタイプのものが専門店に行くと並んでいます。この万華鏡の特徴は沖縄であるというローカリティが素材に生かされていることですが、地元へのこだわりが結果的に宇宙を表現しているところが素晴らしいです。

 貝殻の有機的な曲線と気泡のある琉球ガラスがミラーの間で無限に反復して壮大な光景を展開し、夢見るような至福の時間を与えてくれます。
 六角形ではなく五角形であること、オイルベースの緩やかな動きでパターンが変化することが特徴です。

 ネット通販でも入手可能です。使用するガラスの色など好みによってカスタマイズしてくれます。→ http://hanazen.net/

これも縁 ~ 私のブログ訪問法

2005年11月17日 | Weblog

 新規投稿した後、gooブログのポータルに戻ると自分の投稿タイトルが掲載されているのが確認できます。

 この時、同じような時間帯に投稿された皆さんの投稿が前後に並びます。何十万のブログがひしめく中でわずか14人の皆さんと顔を合わせる、これも何かの縁というわけです。

 毎回この中から気になるブログをいくつか訪問し、場合によってはコメントを残し、トラックバックを送ります。これをきっかけに訪ねたり、訪ねられたりという間柄のブログもあります。

イスラム美術の華

2005年11月16日 | 音楽・演劇・美術・文学

 「イスラム美術展~宮殿とモスクの至宝」が世田谷美術館で開催されている。

 約120点ほどだが見ごたえがある。大作から小品までどれも密度が濃い。アラベスク模様が余白を残さずびっしり埋め尽くした、とでもいうような印象の濃さである。ケルトともアールヌーボーとも違うイスラムの装飾芸術が美しい。
 
 コーランの教本が展示されているが、この配列された文字のオブジェのような美しさは陶酔ものだ。

 他方で、この地方の歴史の中に絶えず繰り返されてきた戦いのことをを思う。これら貴重な人類の文化が戦火にさらされるのはたまらない。多様な価値観がお互いの存在を尊重して共存する道を閉ざそうとする宗教があるのだろうか?