SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「第9地区」

2010年04月27日 | 映画(タ行)
 かつての人種差別国・南アフリカのエイリアン差別映画だ。

 しかし、いつかどこかで見た映画のようで、そのどれとも違う。いかにもチープでありながらかつ斬新だ。

 「エビ」と呼ばれているエビのようなエイリアン。知性とは縁遠いようでいて、親子の情も、人間に対する友情も持っている。宇宙船を修復・操作できるスキルも持ち合わせている。

 その宇宙船がヨハネスブルグ上空で動かなくなって20年、船外に出て地上にバラックを提供され住み着いている。まるでどこかの難民キャンプのようだ。

 地球の空気がそのまま吸えるのか?まったく違う言語なのに何故コミュニケーションできるのか?食べ物もIT技術も地球とそっくり、など細かいデタラメが散りばめられながらも、変身ホラー、アクション、SFと娯楽要素満載のサービス振りだ。

 エイリアンのキャンプ移設責任者を命じられるのが何ともお調子者の人の良さそうな親父だが、そのうちエイリアンの犠牲になるかと思えば一転、スーパーモンスターに変身した孤高のヒーローに見えてくる。

 アカデミー賞レースのダークホースだったことがよく理解できる。

映画 「シャッター・アイランド」

2010年04月20日 | 映画(サ行)
 レオナルド・ディカプリオ最新作。

 孤立した場所で行方不明の女性を探すというシチュエーションは「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」に似ているが、ジャンルがまったく違う。どちらもミステリー系作品の体裁だが、本作の場合はそのミスリードが作品の面白さにつながっている。

 意外にも切なく哀しい人間ドラマで、人間の精神の不思議さがストーリーを生んでいることが分かる。RPGの世界に近いが、そちら側に軸足を置いて、それが映画の描くリアルワールドだと思わせる仕掛けになっている。

 劇中でディカプリオ捜査官が看護士に「普通と違うことがあったか」を問うと、何を持って普通というのか、逆にその定義を迫られる場面がある。ここは普通ではないことが当たり前の世界なんですよ、というわけだ。

 このセルフが映画全体に効いて来る。

 ラストにある一つの判断がディカプリオの運命を決定するが、その判断は正しかったのか?余韻を残す終わり方だ。

映画 「パラノーマル・アクティビティ」

2010年04月13日 | 映画(ハ行)

 悪魔つきの映画。低予算ながらとても真面目に撮られている。

 ヒロインは幼い頃から悪魔に魅入られていたらしい。変な音が聞こえたりとか、些細だが不思議な出来事が昔からずっと起こっていたことが語られる。

 悪魔はそれを探ったり、排除しようとすると気分を損ねるらしくだんだん凶暴化してくる。

 何とかしてあげたいと思ったボーイフレンドの行為が、それを煽ることとなった。怪異現象を調べようと彼が撮影した約3週間のビデオ映像を編集したのがこの映画、という作りになっている。

 主役二人以外には超常現象に詳しい研究者が相談に乗る形で登場するが、彼は幽霊の専門家で悪魔については分からない。そういう違いも知識として学ぶことができる。

 悪魔祓いの映画ではないので、エクソシストは登場しない。ヒロインがいかにして悪魔にとり憑かれていったかを記録した映画なのだ。恐ろしい。