SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画「僕たちは世界を変えることができない。」

2011年09月30日 | 映画(ハ行)

 向井理が主演。「But, we wanna build a school in Cambodia.」というサブタイトルが付く。学生たちがカンボジアに小学校を建てるまでの物語である。

 鑑賞して、映画としてのバランスや完成度はさておいて、何とも不思議な魅力がダイヤモンドの原石のように潜んでいるのに驚いた。、

 なぜカンボジアに小学校なのか?劇中で主人公もそう問われて絶句する。ただ何となく、でしかないのだ。たまたま落ち込んでいるときに郵便局で見たパンフレットに150万円あればカンボジアに小学校が建つ、とあった。

 そういう軽いのりが、やっぱり現地も知らないで何だ、というわけでとりあえず行ってみた辺りから事情が変わってくる。

 ここからは現地ガイドとともに観客もカンボジア観光をする雰囲気になってくる。が、物見遊山の観光スポットではなく、見学先はカンボジア史の負の部分をたどる重い旅だ。現地ガイド役が役者さんなのか本物のガイドなのか分からないくらいうまくて泣ける。半分ドキュメンタリーのようなタッチなのだ。

 青春のある時期、みんなが確かに輝いていたというノスタルジーに酔う。

 カンボジアの田園風景の中での集団立小便は絵のように美しいシーンの一つだ。

映画 「ライフ いのちをつなぐ物語」

2011年09月06日 | 映画(ラ行、ワ行)

 「アース」、「オーシャンズ」と、この手のドキュメンタリーを見てきたが、環境など、ある視点から教訓を述べられ始めると、とたんに胡散臭くなってくる。それを言わんがための編集の存在を疑ってしまうからだ。

 今回はそういう意味ではとても素直に楽しめる。ドキュメンタリーの傑作に入るのではないだろうか。多くの生物のワンエピソード集だが、これを撮るためにどれだけの時間を要したことかと考えてしまう。

 カメラは、入ったからといって撮れるかどうかも分からない巣穴の奥まで入って、見事に決定的シーンを納めている。

 食べる、入浴する、子供を守るなど人間の行為に引き寄せて、あらゆる生物の諸相を脅威のカメラが大画面に描き出してくれる。

 ネイチャー・ファンにはどこかで見た映像が多いかもしれないが、それでも今回は楽しめるはずだ。