アクション映画の体裁だが、むしろラブストーリーと見るべきだろう。その味付けがスパイ系アクション、しかもピリ辛、という塩梅(あんばい)だ。
テンションが高くすこぶる面白い。ヒットしない方がおかしいと言うものだ。コメディのさじ加減といい、トムの過去にまつわる秘密といい、ロマンチックなロケ背景といい、映画の醍醐味を堪能できる。
トムの主人公と関わることになったヒロイン・ディアスの逃亡劇だが、肝心の場面で薬が多用される。眠りに落ちると、その間何が起こったかは分からないまま次のシーンで目覚めるのだ。
ガラリと場所が変わっている。いきなり外国になったりするのだ。眠ったパートナーをどうやってそこまで連れて行ったのか?シリアスなアクション映画では見せ場になるかもしれない部分をあっさりとすっ飛ばして、それがラブストーリーと定義される理由でもある。