三谷幸喜監督作品。第四作目にして最高の作品だと私は思います。
書割のような、と言うかまさに映画のセットのような守加護(すかご)という町が舞台になっている。一応ギャング映画なのでシカゴを訛らせている。
ボスのオフィスも、愛人が不倫を働くホテルも、その不倫相手の店も同じ街角で目と鼻の先にある。その狭い界隈で騙し合いが展開してバレナイはずないだろう、というリアリティ皆無さには目をつぶり、良質のコメディを大いに楽しんだ。
舞台もそうだが映画も多くの裏方さんの職人的技術によって支えられており、その方達への監督のオマージュがしっかり描かれている。主要配役のみならずカメオ出演的な有名俳優の登場も楽しい。
監督の映画愛が全開で、もうやめる訳にはいかないだろう。これからも舞台と映画の両輪態勢で観客を楽しませて欲しい。