SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「メン・イン・ブラック3」

2012年06月26日 | 映画(マ行)

 ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズ主演のSFアクション・コメディ・シリーズ最新作。

 これが期待以上でなかなか良い。前2作ももちろん面白いかったのだが、後に残る良さが感じられたのは初のことである。

 今回はタイムスリップしてのお話となる。過去に戻るのはウィル・スミスの方で、戻った先には若き頃の相棒がいる。このトミー・リー・ジョーンズの若き日をジョシュ・ブローリンが演じて、いわば2人一役なのだが、話のウェイトはむしろ過去にあり、トミー・リーの方が脇に回っている。

 二人の年齢差は約20歳、とはいえ実年齢44歳のジョシュが20代後半を演じるのだから一目見たウィル・スミスが「老けて見える」というセリフが、そのままギャグになる。

 過去では二人の出会いにまつわる秘話が紹介され、ホロリとなってしまう。

演劇「つか版・忠臣蔵」

2012年06月21日 | 音楽・演劇・美術・文学
 週末に久々に演劇を鑑賞しました。劇団扉座の「つか版・忠臣蔵」です。「つか」というのは「つかこうへい」で彼の原作によるものです。

 扉座主宰の劇作家で演出も手掛ける横内謙介はつか演劇に魅せられてこの道に入ったそうです。

 今回はすみだパークスタジオ倉と厚木市民会館の2会場で公演され、前者には「スカイツリー編」とサブタイトルが付いています。
 会場までのアプローチはそのスカイツリーを見上げながらで、今お江戸の話題を独占するのはスカイツリーと忠臣蔵という独特のロジックで、地味な三面記事ネタを感動の主従忠義のストーリーへと仕立て上げていく破天荒なストーリーがさく裂します。  

 地元振興の意気込みが感じられる舞台です。今週末24日まで。

映画 「少年と自転車」

2012年06月01日 | 映画(サ行)

 カンヌ映画祭出品のたびに賞レースに絡んでくるダルデンヌ兄弟監督の最新作。児童映画のような素朴なタイトルだが、現代の過酷さを背負う一人の少年が描かれる。

 父親に捨てられた少年と彼の里親になる女性を軸に語られる物語は、感情移入を拒むかのように距離感を保ちながら淡々と進められ、流れるようにというよりは、小さな角張った石があちこちにぶつかりながら転げていくような印象である。

 その「淡々」の中の起承転結は、「転」が三回くらいあって最後が静かに結ばれる。ほろ苦さの残る幕切れだが、少年の人生再スタートを示すかすかな予兆がある。

 ダルデンヌ兄弟映画常連のジェレミー・レニエが少年の父親役を演じており、見方によっては兄弟の前作「ある子供」の続編のようにも見える配役の妙がある。