SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「僕たちのプレイボール」

2010年05月26日 | 映画(ハ行)

 チケット窓口で「僕たちのキャッチボール」と言ってしまい、「僕たちのプレイボール」ですねと確認されてしまった。失笑。

 野球のリトルリーグを描いた70周年記念作品になっている。そういうリーグがあることを初めて知った。

 ラストのクレジットがメイキング映像になっており、役者も随分頑張ったことがよく分かる。が、本編にそれが感じられない。脚本イマイチ、演技イマイチ、でもそれを十分に挽回できるはずの編集がまたイマイチという印象なのだ。

 しかし実に素直なつくりで、青春の「あの頃」を誰もが思い返すに違いない。若い選手役の群像をベテランが脇で固めている。

 昔、小学校の講堂で時々やった映画鑑賞会の雰囲気が頭に甦った。なるほど文部科学省の選定映画なのだ。

映画 「アイガー北壁」

2010年05月18日 | 映画(ア行)

 硬質の山岳映画。叙情も高らかになる音楽も皆無。「劔岳 点の記」とは対照的だ。厳しい山の自然が人間の前に屹立する。

 ナチスの時代のベルリンオリンピックを控えた時期の実話に基き、一種のオリンピック秘話にもなっている。

 あまりの過酷さに、ドイツが国家威信をかけて登頂成功者にオリンピックと同じ金メダルを授与することになっていたというのだ。

 ドイツ隊とオーストリア隊4人の物語だが一人の負傷者が全員の命運を左右する。知らない役者ばかりなので逆に迫真の物語がリアルに展開する。

 アルピニストの恋人が回顧するという語り口だが、彼女の目の前で、救いの手を差し出すことも出来ない状況で絶命するという壮絶な悲劇は一生のトラウマになってしまいそうだ。

映画 「フェーズ6」

2010年05月14日 | 映画(ハ行)

 致死ウィルスの蔓延からかろうじて生き残った4人の男女の終末への旅が描かれる。

 感染系の作品だがゾンビ型ホラーには向かっていない。感染者は死ぬのみで他者を襲うことは無い。したがって、空気感染、接触感染などの可能性を徹底的に排除していれば、とりあえずは大丈夫そうだ。

 人間はいつかは死ぬ運命だが、どのような状況下でもいつ、どう死ぬかは大きな問題だ。

 4人は兄弟とガールフレンドという設定である。向かう先は兄弟が幼い頃訪れた海辺の廃墟だ。隔絶された地で病の収束を待つ、という儚い望みに賭けている。

 「約束の地」を目指す文学的詩情も漂う中で、終末の光景が静かに描かれる。

映画 「ウルフマン」

2010年05月12日 | 映画(ア行)

 古典的なホラーのリメイクで真新しさは無いが面白く見られた。

 ベニチオ・デル・トロとアンソニー・ホプキンス二人の演技派共演が見所。父と子の愛憎劇をホラーで見せるところが本作の肝だ。

 モンスターに襲われた人もモンスターになる、という定石を踏むが、ほとんどの人は襲われて無残な死を遂げている。主人公だけが何故?という疑問は残る。

 「狼男アメリカン」「ウルフ」に続いて特殊メイクはリック・ベイカーの出番である。モンスターそのものよりも変身過程がよりリアルだ。

 クライマックスは狼男VS.狼男のバトルだ。でも、ここでなぜか東宝の怪獣映画「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」を思い出してしまった。

映画 「運命のボタン」

2010年05月11日 | 映画(ア行)

 謎のプレゼントが届く。箱についたボタンを押すと大金がもらえる代わりにどこかの誰かが死ぬ。

 その逡巡のドラマと思いきや、期限が24時間というせいもあって押す押さないの決着は意外と早い。問題はそこからだ。

 単純なファンタジーを期待すると奥が深い。神が人間に与えた試練のような宗教性も感じさせる。結末には欲望の連鎖が人類をどこに導くかという教訓がある。

 ただで美味しい話がある分けないのだ、と分かってはいても飛びついてしまうのが人間の弱さだ。

 自分ならどうする?やっぱり押すだろうな。