登場人物それぞれに視点を据えた章立てでオムニバスのように構成されている。
どうと言うことの無い若者の日常スケッチのようだが、彼ら4人は一戸のマンションのをシェアしており、そこに新たな一人が加わる波紋が描かれる。
互いに干渉せず波風を立てない、均質な仲良しグループのような社会が形成されている。そこには多分ストレスが内包されており、壊れるきっかけを待っているのだ。
「均質」が壊れ、格差と差別が生まれる瞬間、ラストの視線の交錯が怖い。
テイストはまったく異なるが、一人の来訪者によって家族が崩壊していくパゾリーニ監督の「テオレマ」を思い出した。