SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

冤罪対策

2005年05月31日 | 日常生活・事件
 都内大手私鉄のある駅で、降りる時にビラを手渡された。痴漢冤罪で拘留中の男性の無実を立証するために目撃証言を求めるものであった。5月12日の出来事だという。被害にあった女性と二人の男性がとりあえずその駅で降り、内一人の男性が駅員を呼びに行くと言ってそのまま姿を消したらしい。残された男性が容疑者にされたというのである。
 5月9日には被害防止目的で女性専用車輌が登場したばかりだというのに・・・。そのうち冤罪を免れたい男性のための男性専用車輌も必要になるのではないだろうか。10両編成のうち男女専用に4両ずつ、残りの2両には被害・冤罪覚悟うえで乗り込むというのはあまりにも殺伐とした風景か。
 その後、有力な目撃証言が得られたかどうか?

ゴルフボールの運命

2005年05月30日 | 日常生活・事件
 宮里藍選手が最終ホールで優勝を決めることになったゴルフボールと、同じ頃、同じ工場で製造され出荷されたもう一つのボールは、超初心者が練習場にも行かず、いきなりコースに出たその最初のティーショットでOBとなり、二度と人が足を踏み入れることもないであろう深い谷底の茂みの奥へと消えていった。同じボールでありながら、この天と地ほどの運命の違いはどこから生まれ出てくるのだろう。誕生日占いは本当に当てになるのだろうか?

ビニル傘の運命

2005年05月25日 | 日常生活・事件
 家の中にいつの間にか物入れの戸が閉まらないほどにビニル傘があふれている。外出先で不意に降られると買ってしまうが、家を出るときに今日降りそうだからとビニル傘を持って出ることはない。したがって、それをどこかに置き忘れることはなく、だから増えることはあっても減りはしない。いつか誰かが我が家を訪問したとき夕立でも降ったら持っていってもらえるのに、その「いつか」はなかなかやって来ない。
 あふれるほどには必要ないので捨てるしかないが、一度使ったきりでどこも壊れていないものを捨てるのは当節どこか気がとがめるものである。最寄の鉄道駅にストックする制度が出来れば便利だろうが、やはりそれを管理するという余計な仕事が出てくる。
 そんなことを考えながら出勤していたら、結構自宅からビニル傘を持ってきている人がいる。いつ夕立が来るか分からない都心の天候不順がもたらした現象のようだ。

セクハラ と 靖国参拝

2005年05月24日 | 政治
 人事院がセクシュアル・ハラスメントの防止のために定めた「人事院規則10-10」を読んでみました。そこには次のような趣旨の記載があります。

 言動に対する受け止め方には個人間や男女間で差があるので、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であり、具体的に注意する必要があるポイントは・・・            
 (ア)本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合があること。
 (イ)不快に感じるか否かには個人差があること。
 (ハ)この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。
 (ニ)相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。

 そして、「相手が拒否し、または嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと」と記述されています。

 これを最近の日中関係に当てはめてみると、わが首相の「靖国参拝」がそのまま当てはまるように感じます。

エレニの旅

2005年05月23日 | 映画(ア行)
 旧作「旅芸人の記録」の記憶を喚起するシーンから始まり、ああアンゲロブロス監督なのだと懐かしさを覚える。カメラのフレームは周囲から画面を切り取り、この中で映画の世界を構築するが、アンゲロブロスは世界を丸ごと作りこんで、その中をカメラは自由に動き回る。したがってカット割が不要で長回しが可能となる。方法論と技術論の幸せな融合というべきか。
 それにしてもヒロインの生んだ二人の息子たちの不憫さはどうだろう。親が子を思う、その思いの強さと、ラストのヒロインの圧倒的な孤独が胸を打ち、祖国や戦争や家族のことを誰もが考えずにはいられなくなる。

バタフライ・エフェクト

2005年05月19日 | 映画(ハ行)
 タイムマシンで過去の事実を変えるのはタブーとされているが、これはそのタブーを繰り返してハッピーエンドを探す物語。頻繁に現れる過去のシーンは単なる回想ではなく、その時点に帰って行動を選択しなおし未来の書き換えを行っているのだということが分かってくる。身近な人の不幸に対して、「代われるものなら代わってあげたい、だけど代われない」というのが悲劇のパターンだが、本作では代わりに主人公自身に災いが降りかかると、やはりそれも困るというわけで、またそれを修復しに過去へ戻っていくところが現代的というべきか。

ダ・ヴィンチ・コード

2005年05月18日 | 音楽・演劇・美術・文学
 ユーモアにあふれた語り口で謎に満ちた知識の扉が次々に開かれていく。それにしても致命傷を負って死の間際にあれだけの壮大な仕掛けを残せるものだろうか、というのが最大の謎である。単行本上下二冊の大作だが時間的にはわずか1日の物語である。こうなるとあの「24」シリーズが頭に浮かんでくる。番外編として、誰か「ダ・ヴィンチ・コード」を「24」スタイルのドラマシリーズにしてみないか。一方ですでに映画化は進んでいるようであるが、こちらは壮大なミステリー娯楽大作になりそうで、これも楽しみ。

銀座を歩く資格

2005年05月17日 | 日常生活・事件
 真昼の銀座に怒号が響いた。歩道上を自転車で通行するオバサンが先の信号が青になったので急ごうとしたところ、建物の角から出てきた若い男性の歩行者にぶつかりそうになった。注意を促す男性の口調がやや乱暴な感じだったせいか、オバサンもカチンときてしまった。「出るところに出よう」などと言い合っていたが、この程度のことで出るところに出られてもお巡りさんも忙しいのだ。
 JR脱線事故やイラクの襲撃が起こっている世界の中ではむしろ微笑ましい風景と言えるだろう。JRの事故をニュースで見たとき、この二人も涙を流したのだろうか?銀座を歩くには、それにふさわしい品性がある、と嘆く人がいるかもしれない。

隣人13号

2005年05月12日 | 映画(ラ行、ワ行)
 冒頭の異常な緊迫感。荒野に建つ一軒の廃屋。そこに監禁された異形の青年。突然現れるもう一人の男に、廃屋から引きずり出される青年。ここまできて廃屋は青年の心の中の封印された場所で、その外に出た方が青年の人格を支配する、象徴的な場所だということが分かってくる。
 ラストは過去の修復物語になってパラレルワールドとしての幸せな結末が描かれるため、それまでの話の終わり方としては甘い印象を否めない。良い役者をそろえたのだからもう少し料理の仕方があったのでは。凄惨な描写が多いのもちょっと・・・。
 鉄人28号の方は見逃してしまった。

ホワイト・ライズ

2005年05月11日 | 映画(ハ行)
 もて過ぎる男性が、それゆえに身の回りで引き起こしてしまう出来事をミステリーのような感覚で描いた作品。男が一目ぼれした女性と男に一目ぼれした女性、さらに振られたと思った男がその後新たに婚約した女性、男に好意を寄せる女性の登場人物はこの3人と思って見過ごしてしまうが、実はほとんど気付かない4人目の女性こそが物語の流れを大きく変える役割を担っている。それは航空会社のカウンターの女性である。
 男は二度このカウンターを訪れる。最初、ビジネスクラスの席を確保するために男はやって来るが、予約でいっぱい。普通はここで終わりだ。だがカウンターの女性は彼に引かれるものがあったらしく、またトライしておくから午後4時にもう一度来てと男に告げる。この4時の再訪問がターニングポイントとなって、ラストのハッピーエンドに向かって物語りは進むのだ。いい男はやはり得だ。
 まったく関係ないが、ハリソン・フォードの「ホワット・ライズ・ビニース 」とタイトルが似ている。「ライズ」の意味は違うけど。