SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

快適じゃないクール・ビズ ~ スーツの効用

2005年07月28日 | 日常生活・事件

 6月になれば衣替え、というスタイルををずっと実行してきたので、今年にわかにクール・ビズと言われても遅れてやってきたブームとしか思えない。で、そのブームが快適かというと、これが快適ではない。

 ワイシャツの下には人によってアンダーシャツがある場合とない場合があるが、いずれにしろ混んだ朝の電車内では、その薄い布地を通して生身の体温が伝わってくる。この状態でターミナルにたどり着くまで耐えている。
 これがクール・ビズに乗り遅れたスーツ姿の隣だと生地のサラサラ感のみで体温が表には出てこない。自分が涼しい格好をしておきながら、みんながそうだと不快だ、というのは勝手な話だが、スーツ姿の人はその分、熱を内側に抱え込んでるわけで、本人にはご苦労様と言うしかない。

 スーツ・ファッションは儀礼的だというが、混んだ車内で他人に不快な感じを起こさせないことだけは確かだ。クール・ビズで逆にそのことが実感できた。


パズル狂の朝のマナー

2005年07月27日 | 日常生活・事件

 朝の電車で立ったままパズルを解いている人がいた。9×9のマトリックスの各行、各列に1~9の数字を重複しないような並べると言う、あのパズルである。
 すでにターミナルを過ぎていたので、そのことが他人の迷惑になると言うほどの混雑状況ではないものの、まだラッシュ時間帯である。左手に本、右手にボールペンというスタイルなので、もし急に揺れたらとっさに動くのはどうしても右手で、その動いた先にクール・ビズの白いワイシャツでもあったら落書きしてしまうだろう。もっと運が悪ければ人に突き刺してしまう可能性もないわけではない。実際にそういう悪夢を体験をすればマナーを改めようという気にもなるのだろうか。

 もうかなり解き進んでいるのだが見たところ一番右の列に4が重複している。そのために本人も行き詰まったのか、末尾の解答ページを見ようとしている。よほど教えてあげようかと思った。


宇宙戦争 ~ ドラマを覚めた眼で見る。

2005年07月25日 | 映画(ア行)

 突然の異常現象に野次馬の一人として駆けつけるトム。亀裂が入って蒸気を吹く道路の破片を拾上げる。熱いと思いきや、それが実は凍っているのだと分かるのだが、その後カメラが引いて周囲の群集を収めたカットで、トムがその破片をポケットにしまいこむのが映っている。これがその後事態の収拾に大きな役割を果たす重要な複線に・・・はならなかった。

 というような眼でドラマを眺めると、かなり苦労した物語になっている。

 まず、なぜ別れた妻は週末にわざわざ子供をトムに預けようとするのか。
 荷物を持とうかと再三トムが尋ねるのに返事もしないほど冷えているし、子供もそれほど喜んでいない。むしろボストンの祖父母の家のほうが子供にとってもはるかに居心地よさそうだし、大勢押しかけたら泊まれなくなるような家でもなさそうだ。そもそも二人はまるで釣り合いが取れていないように見える(だから別れた、とは言えるが)。究極の状況下での家族愛を訴えるために必要な設定作りに多少破綻があるように思えてならない。

 知り合いの母娘は桟橋で離れ離れになるが、娘の方を預かったはずのトムは混乱の中で自分の子供のみは救出するものの、姿を消した娘については劇中で一顧だにされない。これには当惑してしまった。「トータル・リコール」のエスカレータ銃撃シーンで主人公が隣にいた一般人を盾にするのと同じくらいの理不尽さを覚えた。


暗証番号の話題 ~ 民営化する?

2005年07月22日 | 日常生活・事件

 ○○の日というのが、例えば11月だったら5日(雑誌広告の日)、11日(電池の日)、18日(著作権の日)、29日(いい服の日)など、11月に限らず、毎日がとにかく何かの記念日になっている。
 暗証番号は、最近安全性の面から桁数が増えつつあるが、4桁が一般的である。
 あるとき自分の暗証番号がポスターになって、いっせいに張り出されたとしたらどうだろう。
 「なぜ分かったんだ (゜o゜;) 」 とあせってしまう。
 で、よくポスターを見ると新しく制定された○○の日のキャンペーンポスターで「11月29日は いい服の日」の1129がまさに自分の暗証番号だったりしたわけだが、思わずドキッ!、の体験である。(これは例えで、実際の私の暗証番号ではありません。(・_・?)...)

 もうじき民営化されるかもしれないある金融機関でモバイルサービスの申し込みをしようとしたときは驚いた。用紙を渡され、「ここには9桁の暗証番号をお書きください」と言うのだ、それも丁寧ににこやかに。けしてこちらとしては文句のつけようのない物腰なのだが、いきなり9桁と言われても・・・(o_o ;)。
 よく使う4桁の暗証二つをつなげ最後に0を付けてしのいだが、普通の人はスラスラと書けるものなのだろうか。その辺の感覚がこの金融機関の民間と違うところかもね。一番の味方であるはずのお年寄りにはまず無理だろう。


姑獲鳥の夏 ~ 「マトリックス」の世界観

2005年07月21日 | 映画(ア行)

 たまたま、中高生を相手に講義する形でまとめられた池谷裕二著の「進化しすぎた脳」を最近読んだばかりだったので、冒頭、京極堂が延々と披露する「現実とは何か」がすんなり頭に入った。この世界観を突き詰めると「マトリックス」になるわけだ。

 たぶん原作がそうなっているからなのだろうが、娯楽作と割り切るならばバッサリと切ってしまうであろう観念的な部分が、じっくり描かれているところに実相寺監督らしさがある。斜め構図の多用や舞台的な照明など映像上の表現にもこだわりを見せる。監督の観念上の駒として俳優が動いており、生きた人間として観客が感情移入をすることはあらかじめ拒まれているかのようである。
 その辺が、たぶん比較の対象になるであろう横溝正史の金田一耕介シリーズ映画化作品と比べると好みの別れるところだろう。

 実相寺監督は「ウルトラマン」で知られているがATGで公開された映画群「無常」「曼陀羅」「哥(うた)」のタイトルを見ただけでも並みの娯楽作を撮る監督ではないことが分かる。「並みの娯楽ではない」本作もメジャーな公開だから動員は可能だろうが、果たして見終わった観客の反応はどうなのだろうか。


「姓名」の話題

2005年07月20日 | 日常生活・事件

 固有名詞は英語にしても変わらないが、固有名詞+一般名詞の場合複雑である。たとえば富士山は Mount(Mt.) Fuji 、逆に Mt. Everest はエベレスト山である。ところがモンブランに限っては Mt. Blanc のフランス語読みがそのまま固有名詞のようになっていて、これをもしモンブラン山と言うと山が重複してしまうことになる。

 三井住友銀行は英文表記が SUMITOMO MITSUI BANKING CORPORATION となっており、日本人の氏名を英文表記すると姓と名が逆転するような現象が起きている。この理屈でいくと姓が三井、名が住友である。ファミリーネームが三井なので、住友はファミリーの一員で 三井>住友 という関係が成立するかのようである。ファミリーが増えると今後三井○○銀行や三井△△銀行が誕生するのだろうか。

 「姓は尾呂内、名は南公」と言うのは昔のコメディ系TV時代劇のヒーローの名前、続けて読むとある薬の名前になるが、その製薬会社が番組のスポンサーであった。


「日本沈没」

2005年07月19日 | Weblog

 夏がきた。
 昔、夏の朝は暑くなる予感を秘めながらも清々しさがあったが、昨今はすでに朝からねっとりと暑い。コンクリートが地面を覆い尽くして、梅雨時でもぬかるまず、利便性は増したが土が見えない状態はそれ以前と比べるとやはりどこかに何かしらの影響を与えていないはずがない。
 熱帯化、台風進路の異変、潮流の蛇行、異常な渇水と洪水・・・。
 皮膚の上を毒虫が刺して回れば叩き潰して振り払いたくもなるだろう。地球もそんな状態なのかもしれない。毒虫はもちろん人間。

 「日本沈没」が再映画化されるという。1973年の初映画化時はオイルショックのさなかであったが今回はさらに環境問題が深刻化し、阪神・新潟・福岡と大地震を経験した中で一層の現実みを帯びている。

 国際的にも、経済的にも、政治的にも・・・、いろんな意味で日本が沈没しかかっている。 


スター・ウォーズ ~ 4から見るか、1から見るか?

2005年07月15日 | 映画(サ行)

 「エピソード3」が公開された。東宝のフラッグシップ館であるマリオンの「日劇1」で公開されていた「宇宙戦争」は一週間あまりで上映の場を「SW」に譲り渡した。
 これで第1作「エピソード4」が公開されたときにストーリーとしてはすでに終わっていたことになる1~3がその全貌を現し、完結したことになる。

 物語的にはこの続きに当たるエピソード4~6が来年以降毎年リバイバル公開されれば後3回は楽しめることになる。1~6を順番に時系列で見るのも悪くない。
 というのは、6が最も祝祭的な雰囲気にあふれており、全体のエンディングとしては晴れ晴れした気分に浸れるからである。
 ただ、エピソード4から公開順に見ると、ルークとダース・ベイダーの関係が一つのミステリーとして物語を深めていくキーになっていることがわかるのでので、果たしてどちらが良いのか?

  4~6、1~3をそれぞれ一つの作品とすると「ゴッド・ファーザー」がpart2の方で先代の話を描いた構成になっていることと通じるものがある。

 それにしてもこの夏は「バットマンビギンズ」「宇宙戦争」と娯楽大作がそろったが作品の出来では本作が他を大きく引き離した感がある。


バットマン ビギンズ ~ 悪の造形

2005年07月14日 | 映画(ハ行)

 コミックの映画化の場合、キャラクター、特に悪役の造形のコッテリ感が有名俳優の起用につながり、むしろ彼ら、彼女らもそれを楽しんで演じている感じがあった。今回は配役は豪華版であるがどれもコミック・キャラらしからぬあっさり感である。はじめの方に善良警官=ゲイリー・オールドマンが出てくるのを見て、そのうち本性を現すに違いないと思うが、期待は見事に裏切られる。

 あくの強さで言えば、冒頭にオリエンタル・テイストで渡辺謙が健闘しているのと、「羊たちの沈黙」でレクターがかぶるようなマスク(おどろおどろしいが本当にガスマスクの機能が果たせるのかという感じ)を精神科医がかぶってスケアクロウと称しているくらい。したがっていわゆるコスチューム・プレイはバットマンの独壇場となるところが浮いているといえば浮いている。

 クリスチャン・ベールのバットマンは歴代の中でも若々しく、なかなか(たぶん最も)良い。富豪の御曹司らしい気品とダークな影の部分が魅力的なヒーロー象を作っている気がする。

 クライマックスのモノレールの脱線激突シーンはテレビで繰り返し目にしたJRの脱線事故が脳裏によみがえった。もし関係者が鑑賞した場合、精神的にどうなのだろう。

 


マナー養成トレイン ~ 福岡市地下鉄「七隈線」

2005年07月13日 | 日常生活・事件

 むかし、「巨人の星」の星飛雄馬は魔球を生み出すための「大リーグボール養成ギブス」を装着して訓練に励んでいた。

 九州は福岡市に乗客のマナーを養成する究極の地下鉄線が登場した。七隈線という今年2月に開通した新線がそれだ。

 座席は、それが何人掛けなのか、会社によっては「この座席は○人掛けです」と表示したり、7人掛けだったら4対3にシートを分割したり、あるいは真中の座席分のみ張り布の色を変えるなど様々な試みがなされている。そうまでするのは「詰めあって座る」という美徳をもはや日本人は持ち合わせていないからだ。
 この七隈線では一人分ずつ座席が分割されており、決められて位置に決められた人数を座らせるようにデザインされている。大股開いて独り占めしようとすると、とても座りにくく出来ているのだ。

 もう一つの特徴は車輌幅が狭いこと。向いに座る人が極めて近く感じられる。したがって深く行儀よく腰掛けて足を出さないようにしないと前を人が通りにくくなる。
 東京メトロがマナーポスターで利用者の良識に訴えようとしていることを車輌の側から出来ないようにデザインしてしまっている。まさに「マナー養成車輌」なのだ。ところが・・・。なかなかやるじゃないか、博多の若者は。

 少し離れたところでipodを耳にした青年が足を投げ出して座った。前を人が通ろうとしてもそのまま。逆に通る人のほうが足をよけて通過した。しばらくしてその向いの席に座った若者は足を組んだ。こうなるともう人は通れない。しかしお互いにまったく人の迷惑になるなどとは考えてもいないようだ。ハンサムで善良な、普通の若者の感性がこうなってしまっているのだ。

 やらざるを得ないデザインになっているのだが、「それをやらない族」にはいかなる対処をすべきか。「マナー養成車輌」をもってしても養成しきれない若者たち。大丈夫だろうか福岡の街は・・・、心配になった。