みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

王海著「我が闘いの生涯」(下)05

2014年09月27日 07時14分21秒 | 書籍
「技術向上」

 航空機は近代的科学兵器である。その飛行能力と戦闘能力を十分に発揮させるには、パイロットに対して正規の厳格な飛行訓練を施さなければならない。事実に即して言うならば、我々のパイロットは訓練に於いて先天的に不足な部分があった。空軍はその創設の初期にちょうど朝鮮戦争勃発という自体に遭遇し、抗美援朝作戦〔美国はアメリカのこと。抗美援朝はアメリカに対抗し朝鮮を援助する、の意で、朝鮮戦争の別名として用いられる〕上の必要により、航空学校の飛行学生養成の段階から速成式のやり方を採用した。実際の飛行時間数十時間で、操縦に最低限必要な基本技術を身につけたら、直ちに航空兵部隊に配属される。パイロット、そして航空指揮官までも、技術・戦術の系統的訓練を受けることができず、いくつかの重要な基礎課目も実施する時間がなく、高度で複雑な技術課目は大多数の者が未経験であった。
 抗美援朝戦争の期間、大部分の戦闘航空兵部隊は昼間の平易な気象条件下の作戦任務しか実行できなかった。私の手元の統計資料によれば、1953年末に至るまで、戦闘航空兵部隊な昼間の複雑な気象条件に於ける大隊戦闘訓練課目の2.94%しか完遂しておらず、夜間の平易な気象に於ける戦闘訓練課目の7.05%しか完遂していない。我が師団は最も早くに編成された戦闘航空師団であったが、この時期に複雑な気象に於ける訓練の中の一般課目を実施し始めたばかりであり、夜間訓練は始まってもいなかった。こうした技術的状況は、戦闘航空部隊が自らの力を発揮する上で深刻な障害となっていた。ある時は、敵機が来襲したことが明らかなのに、技術水準の附則から、離陸迎撃ができないことがあった。またある時には、空中で明らかに有利な態勢にありながら、技術の不十分さゆえに受け身の立場に陥ったりもした。敵機との格闘戦のさなかに、動作の未熟さと射撃技術の不足のゆえに、しばしば弾丸を撃ち尽くし、命中弾もない内に戦闘能力を失い、反対に敵機の攻撃を受ける目に遭ったりもした。このため、上の者から下の者に至るまで、訓練杏花の必要性ととその緊急性をつくづくと認識することになったのである。(続)