みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

ドラゴンのDS素材について

2011年11月21日 00時09分22秒 | AFV(独)
 これ、ドラゴンのティーガーI極初期型なんですけど、まだ作ってなかったのかとおっしゃいますな。ここのところ模型製作の時間がなかったものですから。で、問題はドラゴンご自慢のDS素材のキャタピラなんですね。トップ画像は、とりあえず両端を接着して輪っかにして、履かせたところです。この上面をいかに自然に転輪上面まで下ろすかが問題です。これが1/35であれば、DS素材は柔らかいし、ティーガーであれば特に幅も厚みもあるから自重で垂れ下がってくれると思うのですが、1/72ではその弾性によって跳ね上がったままになっちゃうわけです。
 もちろんDS素材は接着可能な材質ですから、転輪上面に接着すればよいのですが、話はそう簡単ではない。車体上部の張り出し部分は当然一体成形になっていますので、キャタピラをはめてしまうと、千鳥配置の奥の方の転輪に接着剤を付けられないんです。手前から見える転輪だけだと、どうしても奥の方が跳ね上がって、キャタピラが斜めになってしまいます。まんべんなく転輪に接着するにはどうすればよいか。先に転輪上面に接着剤を塗っておく、と言ってもよほど乾燥速度が遅い接着剤でないと、キャタピラをはめる作業をやっている内に乾いてしまいます。
 結局、あらかじめキャタピラを履かせておいて、一番細い面相筆にリモネン系接着剤を、筆の軸側につかないように気をつけながら含ませておいて、奥の接着部分に流し込みました。また、クレオスのMr.セメントSのような速乾性の流し込み接着剤を、ブラシを奥につっこみながらえいやっと流し込んでおいて、すぐに息をぷーぷー吹きかける、というのも有効でした。はみ出した接着剤がすぐに乾くので、周りへの影響を極力なくすことができます。

 で、何とか転輪正面にキャタピラを落ち着かせることはできたのですが、やっぱりどうも気に入らない。自然なカーブを描いて垂れ下がってくれないんです。駆動輪から自然に垂れ下がるように、キャタピラが頂点からやや下に回り込むように、スプロケットにもキャタピラを丁寧に接着したのですが、どうも納得いかない。問題は駆動輪よりも、第二転輪にあるようです。第二転輪上面にキャタピラを接着し、そこから上に、駆動輪の方に向かうようにするとしても、DS素材の柔らかさが災いして、そこでかくんと曲がってしまうんですね。角度がついてしまいます。さらに、第二転輪から駆動輪までの間が、垂れ下がってくれない。跳ね上がりこそしていませんが、直線的になってしまいます。まあ、これはこの素材の限界ですね。これがプラ素材のキャタピラなら、第三転輪で接するようにして、そこから前を自然にカーブさせることもできるのですが、この素材ではだめですね。

 古い写真を持ち出して恐縮ですが、フジミの方がよほどマシです。フジミのは、転輪とキャラぴらセンターガイドとの関係で上面がどうしてもふくらんだ感じになってしまうのですが、それでもドラゴンよりはマシ。以前も述べましたが、DS素材というのは殊にミニスケールに関しては、決して理想的な素材ではありませんね。今回は転輪上面とキャタピラの圧着にカッターナイフの刃を使ったのでまだマシですが、以前キャタピラと車体張り出しとの間にティッシュをつめてから接着したら、転輪と転輪の間の谷間部分にキャタピラが押し込まれて、波・波・波の状態になったことがあります。せっかくドラゴンとしては組みやすい方のティーガーI極初期型ですが、キャタピラでオモチャっぽくなってしまいました。