みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

USエアフィックスのMiG-15

2009年10月17日 22時12分48秒 | 航空機(露・軍用機)
 なかなか模型に復帰できないので、もひとつついでに、USAirfixのMiG-15です。エアフィクスのアメリカ現地法人なんですよね? もちろん中身は本家エアフィックスのビア樽MiG-15なのですが、ご覧の通り、迷彩塗装の中国空軍機となっています。
 若い頃、紀伊国屋や丸善の洋書コーナーで、世界の戦闘機などという本を立ち読みしていて(当時は洋書が高価でなかなか買えなかった)、中共空軍のMiG-15や殲5や強5が、すごく派手なブラウンやグリーンの虎縞迷彩をしているのを見て、却って目立ちはしないかと心配したものです。しかしこの塗装は、いかにも中共軍機らしいという記号の役目は果たしていたのではないかと思います。このUSエアフィックスの塗装例は同じ虎縞でもライトブルーの帯がある分、明るく見えますね。
 今も中国の航空博物館にはこうした虎縞迷彩の機体がたくさん展示されていますが、朝鮮戦争当時はこうした迷彩は採用されていたのでしょうか。しばしば触れる、Aero Master Decalの「朝鮮戦争エース1・2」というデカールですが、ここに収録されている虎縞系の機体は、一つを除いていずれも1953年の塗装例のようです。つまり、セイバーと丁丁発止とやり合っていた時期ではないんですね。説明ではソ連空軍パイロットの乗機とありますが、国籍マークも中国空軍の八一星印をつけています。空中戦がほぼ終結した時期に、中国空軍っぽい塗装にして、マークも中国空軍にして、中国に駐留した、もしくは後に中国に機体を譲渡したとか、そういった事情があったのではないかと想像します。
 Aero Master Decalには一つ1952年の塗装例がありますが、これは機体下半分を真っ黒に塗った、夜間戦闘用の塗装なんです。上はブラウン地にグリーンの帯状迷彩。昼間は危険だとB-29が夜間爆撃に切り替えたので、それに対抗するための迷彩だったわけです。いかに地上の指揮所からの誘導を受けているからって、MiG-15で夜間戦闘はきつかったはずです。この塗装例だけは、実戦の必要から塗られたもののようです。一方1953年のものは、実戦の必要が生んだものではないような気がします。

 さてもう一つ、これはウチの常連さんの意見ですが、USエアフィックスのデカール、中国空軍の八一マークの字体がちょっと変なんです。実機の写真を見ながらデザインしたであろうにもかかわらず、漢字を知らない西洋人が「八一」と書くと、やはりどこか変なんですね。八の左側の線が短いし、「八」と「一」が本来別の文字だという意識がないので、全体で台形というか山の形みたいになっています。そこはさすが、漢字を知っている日本や中国の製品だと、それほど不自然ではないんです。同じ台形でも、やはり漢字の「八」の下に「一」があるように見えます。払いの角度やカーブ、八と一との距離など、極々微妙な差が、漢字に見えるかどうかの境目なんでしょう。でも、ドラゴンのデカールの中には、いくつか「八一」に見えないものがあるんだそうです。あれ?ドラゴンって中華系のメーカーですよね? この辺もまた追って検証してみたいと思います。