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戦争法案の罠ーマンガ

2015-08-05 22:48:34 | マスコミ・報道

今回、宇都宮健児さん監修で「戦争法案の罠」というマンガを発行しました。その概要を紹介します。

憲法9条は、1項で戦争を放棄し、2項で戦力不保持と交戦権の否認を定めています。また、憲法の理念である立憲主義は、権力の濫用により国民の自由や基本的人権が侵害されないよう憲法で国家権力を縛るという考えです。つまり、戦争を繰り返さないため、平和や人権を守るために憲法9条があります。

安倍内閣の考えは、改憲に対する国民の反対が多いため、まず、憲法解釈を変更する法律を今国会で強行採決し、来年の参院選後に見込まれる改憲発議への地ならしだと言われています。

武力攻撃事態法や自衛隊法など、十本の現行法を一括して改正する「平和安全法制整備法」と、国際紛争時に自衛隊が他国軍を随時支援できるようにする新法「国際平和支援法」。

これらの法案は、自衛隊の役割を拡大し、自衛隊員を戦場に限りなく近い場所へ送り出します。他国の戦闘に巻き込まれ、実際に他国の兵士を殺傷する危険性もあります。安倍内閣は、9月末までにこの法案の成立を狙っています。


ギリシャに大恐慌もたらしたピケティ氏ら、緊縮策を非難

2015-07-09 23:16:24 | マスコミ・報道

フランスのトマーピケティ氏ら欧米の経済学者5人が7日、ギリシャの債務問題で強硬な姿勢を示すドイツのメルケル首相に連名で公開書簡を出し、次世代の欧州のために緊縮政策をやめ、債務を減免すべきだと呼ぴかけました。

ピケティ氏らは「現在、ギリシャ政府は頭に銃をつきつけ、引き金を引くよう求められている」と、欧州連合(EU)がギリシャに強いている緊縮政策を厳しく非難しました。「弾丸は欧州におけるギリシャの未来を殺すだけでなく、希望と民主主義、繁栄の標識であるユーロ圏を殺し、世界中に影響を及ぼしかねない」と、ギリシャが破綻した場合の世界的影響に強い懸念を表明しました。

 ギリシャでは40%の子どもが貧困状態にあり、乳児死亡が急増しているなど「人道に対する衝撃は計り知れない」と指摘。「賃金引き下げや政府支出と年金の削減、民営化、増税などメルケル首相の求めの大半にギリシャは従った。しかし、1929~33年以来、見たこともなかった大恐慌をもたらしただけだった」と批判しました。そして、メルケル首相やEU、国際通貨基金(IMF)に対し「さらなる破滅を回避し、ギリシャをユーロ圏にとどめるために路線を正すべきだ」と提言しました。

メルケルドイツ首相に書簡 「債務減免を」

 「1950年代、欧州は、過去の債務、特にドイツの債務の免除の上に築かれた」と述べ、第2次世界大戦で負ったドイツの巨額の債務を免除したことが「戦後の成長と平和に著しく貢献した」と歴史の教訓を説きました。 現在のギリシャについては 「懲罰的で失敗した緊縮政策を人道的に見直しすべきだ」と強調。

「債務を再編、減免し、経済回復のための息継ぎを与え、削減された債務を長期間かけて返済させるべきだ」とメルケル首相に方針転換を迫りました。

書簡は次のように結ばれています。「メルケル首相に伝えたいことは明確だ。ギリシャとドイツ、そして世界のために、死活的に重要な指導的行動をとるべきだ。歴史はあなたが今週とる行動を忘れないだろう。ギリシャに向かって大胆かつ寛大な歩み寄りを期待する。それは来るべき世代の欧州に貢献するだろう」 書簡にはほかに米コロンビア大学地球研究所のジェフリー・サックス所長、元ドイツ財務次官のハイナー・フラスペク氏、トルコ出身の経済学者、ダニーロドリック氏、英オックスフォード大学のサイモンーレンルイス教授が名を連ねました。


戦争はいやだ!足立憲法学習会に650人

2015-06-10 23:55:23 | マスコミ・報道

 6月6日、西新井文化ホールで「戦争はいやだ!足立憲法学習会が開催され、650名が参加しました。
 学習会は第一部で伊藤真弁護士が、憲法をわかりやすく解説。

すべての人びとが手をつなぎ「戦争立法」を廃案に!

 日本国憲法は戦争できない、教育内容に介入しない。政教分離。差別のなくし格差を是正し、福祉を充実させる。地方自治を保障する国として定められたもの。それは個人のための国家と指摘(下記のプレゼン資料参照)

「民主主義をアクセルとすると立憲主義はブレーキ。多数決で決まった多数意見が必ずしも正しいとはかぎらない。多数意見にも歯止めが必要。
 戦後70年の今年は重大な分かれ道であり、今進めている安倍政権の行きつく道は①監視社会②自由の抑圧③弱者が犠牲になる④徴兵制が可能。国際平和支援法では紛争当事者になる。歴史を知り、政府の言葉に惑わされない、憲法を学んだ皆さん方から慌てず焦らず諦めず、行動してください。」と呼びかけました。


 第2部は4人の方が発言。職場での平和活動や中国帰国者女性の生の声、教科書採択の現状の取組など。
 第3部は早乙女腰元さんが思想家であるルソーの「理性はゆっくり、偏見は群れをなしてやってくる」の言葉を紹介。今黙っていたら戦争立法を認めたことになる一人が一歩踏み出したら、一人を誘って次は2人で2歩踏み出すと倍々になり大きな力になるので頑張りましょうと激励しました。

 東京大空襲で亡<なった10万人の声なき声を受け継ごうと訴えました。最後に以下の集会アピールを採択して終了しました。詳しい講演内容は近日中にビデオ配信します。

集会アピール

憲法で禁止されている集団的自衛権の行使と海外での武力行使に道をひらく「戦争法案」(「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」)が国会で審議されています。安倍首相は、国会を無視して日米防衛ガイドライン改定の合意とあわせて今国会中の成立をアメリカと約束しています。
 この国は先の戦争を反省し、憲法9条によって「戦後」ながく平和国家として歩んできました。自衛隊は存在しましたが、歴代政府は専守防衛を基本にする安全保障や武器輸出を禁止する政策をとってきました。ところが安倍政権は、中国の脅威を煽り、「日米は血の同盟」を振りかざし、閣議決定で憲法解釈を捻じ曲げて、いつでも、世界中どこへでも自衛隊を派遣して武力行使ができるようすることをもくろんでいます。「戦争法案」は、憲法9条を根底から覆し、「戦争ができる国」にするための「立法改憲」です。
 安倍政権の暴走は「戦争法案」にとどまりません。戦争体制と密接不可分の「秘密保護法」がすでに強行されています。沖縄・辺野古新基地建設や原発再稼働の強行、歴史認識の改ざん、教育の国家統制の強化、社会保障や労働法制の改悪による貧困と格差の拡大が進んでいます。 TPP交渉、大企業減税もあります。
 安倍政権の暴走はあらゆる分野で進行し、それによって苦しむ人びとを増やしています。「戦争いやだ!」「戦争法案を廃案へ」の合言葉で安倍政権の暴走をストップさせましょう。そして明文改憲策動の息の根も絶ちましょう。
 「戦争法案」には世論の多数が反対しています。従来の枠組みを超えた大きな共同の運動が拡がっています。戦争いやだ!足立憲法学習会実行委員会は、足立区からさらに大きな共同の運動と世論づくりへ奮闘します。平和を愛し、戦争に反対するすべての人びとが手をつなぎ「戦争法案」を廃案へ!2015年6月6日
戦争いやだ!足立憲法学習会実行委員会


運動会シーズン

2015-06-01 22:11:10 | マスコミ・報道

昨日は区内各地で運動会が開催されました。私も何校か子供たちの元気な姿を見てきました。

騎馬戦は子供たちの素早い動きに目をみはりました。顔が見れないように後姿を撮りました。

雨が予想されていましたが見事な五月晴れでした。

帽子を取られると負けになりますが、相手の後方に行くとか作戦を考えているチームは強いですね。 


「第2ラウンド」も安倍首相の完敗ー日刊ゲンダイより

2015-05-30 23:36:37 | マスコミ・報道

天敵に完敗の赤っ恥

27日、開かれた「戦争法案」を審議する衆院特別委員会。

午後の質疑では先週の党首討論で安倍首相から「ポツダム宣言を読んでいない」とビックリ仰天の答弁を引き出した共産党の志位和夫委員長が登場。「後方支援(兵站)」や、自衛隊の武器使用をめぐる法案のデタラメについて攻められた安倍首相は、まともに答えられず、タジタジだった。

 志位委員長はまず、自衛隊が「後方支援」中に攻撃され、応戦する可能性についてただし、これが憲法に違反する「戦闘行為」に当たるのではないかと迫った.
 これに対し、首相は「『任務遂行型』ではなく『自己保存型』の武器使用であり、(攻撃された場合は)ただちに退避する」と答弁したが、志位委員長は武器使用の定義や概念は国際法上、存在しないと畳み掛け、安倍首相がいう「自己保存型」であっても、明確な憲法違反と指摘。その時、安倍首相は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 「安倍首相が説明した『自己保存型』の武器使用は、自己防衛のための必要最小限度の使用であり、憲法違反ではない、という91年の政府見解を引用したものです。しかし、自衛隊がイラク復興支援の際に携行した武器は、84ミリ無反動砲や12.7ミリ重機関銃。非戦闘地域の派遣でさえ、この重装備なのです。

今度の法案はドンパチ最中の米軍の兵站(へいたん)を担う可能性もあるから、もっと重装備になるでしょう。攻撃されれば、当然、自衛隊は反撃する。りっぱな戦闘行為です。(防衛省担当記者) 天敵の志位委員長に急所を突かれ、一方的に攻め込まれた安倍首祖は終始、仏頂面。目を泳がせながら「つまり」「つまり」を連発。

法案の欠陥次々バクロ

 さらに多国籍軍の兵站を担う自衛隊が勝手に「退避」できるのかを問われた安倍首相は、「(自衛隊は多国籍軍の)指揮下に入らない」と胸を張ったが、志位委員長は呆れた様子で「兵站が(多国籍)部隊の指揮下に入るのは(軍事の)常識だ」とピシャリ。

 米海兵隊が兵站について「武力行使と一体不可分の中心構成要素」と位置付けていることも挙げて、答弁の非常識ぶりを厳しく指弾すると、安倍首相はシュンとした表情だった。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう言う。       
 「一言で言って安倍首相の答弁はメチャクチャでした。つまり、軍事のリアリティーを知らな過ぎる。与党協議が結論ありきだったから、こういう答弁になる。現場の自衛隊員も『オイオイこんな常識も知らないのか』と呆れていますよ。おそらく安倍首相の答弁は今後もボロが次々と出てくる。8月の法案成立なんて絶対ムリですよ」
 安倍首相が志位委員長に、グウの音も出ないほど追い詰められる日は近い。  


「戦後」覆す壊憲立法を許すな

2015-05-15 23:52:56 | マスコミ・報道

安倍晋三内閣が「戦争法案」の閣議決定を強行しました。同法案は、(1)米国が世界のどこであれ戦争に乗り出せば自衛隊は「戦闘地域」で軍事支援をする(2)戦乱が続く地域で自衛隊が武器を使って治安維持活動を行う(3)集団的自衛権を発動して米国の無法な戦争に自衛隊が参戦する―という憲法破壊の大問題があります。いずれも、戦争放棄を掲げる憲法9条の下で歴代政府が曲がりなりにも設けてきた「歯止め」をことごとく投げ捨てるものです。戦後日本の歩みを根底から覆す法案を絶対に許してはなりません。

9条の「歯止め」次々外す 「戦争法案」は、米国の世界規模の戦争で自衛隊が従来は活動が禁止されていた「戦闘地域」で補給や輸送などの支援活動ができるようにします(国際平和支援法案、重要影響事態法案)。

毎日新聞より

政府はこれまで、米国によるアフガニスタン戦争やイラク戦争で自衛隊を派兵した際、「非戦闘地域」でしか支援活動はできないという「歯止め」を設けていました。憲法9条が武力の行使を禁じており、補給や輸送などの支援活動であっても、他国の武力行使と一体化する活動は許されないという考えに基づくものです。

「非戦闘地域」は、(1)現に戦闘行為が行われておらず(2)そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる―という要件を満たす地域とされてきました。政府は「他国の武力行使との一体化の問題が生じないことを制度的に担保する仕組み」と説明していました。

ところが今回の法案は、「非戦闘地域」の後者((2))の要件を撤廃し「現に戦闘行為が行われている現場」以外ならどこでも支援活動ができるようにしました。従来の「非戦闘地域」ではその地域全体でそもそも戦闘の発生が想定されませんでしたが、今度は自衛隊が活動する場所で戦闘が行われていなければ、近くで戦闘があろうが、いつどこで戦闘が起こってもおかしくない地域(戦闘地域)であろうが、活動を可能にしたのです。

 憲法9条に抵触しないとした「制度的担保」は捨て去られ、自衛隊員は「殺し、殺される戦地」に投げ込まれることになります。

 自衛隊の支援活動では、政府がこれまで「憲法上の適否について慎重な検討を要する」としてきた「弾薬の提供」や「戦闘作戦行動に発進準備中の航空機に対する給油や整備」も行えるようにします。同様に、「憲法との関係で慎重な検討が必要」としていた治安維持活動など任務遂行のための武器使用も解禁します(国際平和協力法案)。

 加えて法案は、歴代政府が長年積み重ねてきた憲法9条解釈を踏みにじり、これまで違憲としてきた集団的自衛権の行使、海外での武力行使さえ可能にしています(自衛隊法改定案、事態対処法案)。絶対に憲法と両立するはずがありません。

安保政策を百八十度転換

 「戦争法案」の閣議決定は、戦後日本の安全保障政策を百八十度転換させようとする歴史的暴挙に他なりません。「戦争法案」反対、「9条守れ」の国民の声は大きく広がっています。国民共同のたたかいを空前の規模で発展させ、日本を「戦争する国」に造り変えようとする安倍政権の企てを必ず打ち破るために、日本共産党は国民の大運動を呼びかけています。

中東の戦争から帰還した米兵は53%が精神疾患

イラク戦争やアフガニスタン戦争から帰還した米兵は約280万人ともいわれます。退役軍人でつくる団体のアンケート調査によると、53%が心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患に苦しんでいます。

自殺を考えたことがある人は31%。自殺した帰還兵の知人がいる人は40%にも。米国では深刻な社会問題になっています。

そんな元兵士と家族らの姿を追ったノンフィクション『帰還兵はなぜ自殺するのか』(亜紀書房)が話題です。著者は、米紙ワシントン・ポスト記者を23年間つとめ、ピュリツァー賞の受賞経験を持つジャーナリストです。

描かれている一人ひとりの体験が壮絶です。ある帰還兵は帰国後、イラクで3歳くらいの少女を殺したことを何度も家族に告白。悪夢で目が覚めると、「そこらじゅうに子どもたちの姿が見える」と。結局、彼は自ら命を絶ちました。1歳の娘を残して。

イラク戦争は「イラクの大量破壊兵器保有」という大ウソで当時のブッシュ米政権が始めました。侵略されたイラク国民とともに、戦争に駆り出された米国の若者の心身も壊しました。作家の保阪正康氏はこう評しています。「今の日本でもっとも読まれるべき書」と。

安倍政権は、日本を「海外で戦争する国」につくりかえる戦争法案を閣議決定しました。先立つ与党の最終合意(11日)を米軍準機関紙「星条旗」は伝えています。「この国の平和主義政策の重大転換」。そんな転換を許してはなりません。


「戦争立法」の閣議決定を狙う安倍内閣

2015-05-11 23:55:55 | マスコミ・報道

国民世論と矛盾

 米国のあらゆる戦争に“切れ目なく”自衛隊が参戦・軍事支援する「戦争立法」をめぐる情勢が緊迫した局面になっています。「戦争立法」を検討してきた自民、公明両党は11日に与党協議会を開き、この場で政府側が提示する全条文案をもとに直ちに党内了承の手続きに入ろうとしています。これを受けて政府は14日にも「戦争立法」を閣議決定し、国会へ提出する構え。日本共産党は「『戦争立法』反対の一点で共同し、すべての政党・団体・個人が力をあわせて安倍政権のたくらみを打ち破ろう」(志位和夫委員長)とよびかけています。

 閣議決定する「戦争立法」は、(1)新設する海外派兵恒久法案(国際平和支援法案)(2)現行の派兵関連法の改定案10本を一括した法案(平和安全法制整備法案)で構成。法案・改定案の名称や目的などに「平和」「安全」の文言をちりばめていますが、いつでもどこでも自衛隊の海外派兵と軍事支援を可能にします。歴代政府が国民に説明してきた海外派兵の制約さえ突破する過去最悪の憲法9条破壊の法制です。

 戦後日本の歩みを根底から覆す重大な法案にもかかわらず、政府・与党は6月24日までの通常国会会期を40日程度延長し、安倍晋三首相が対米誓約した「夏までの成立」を押し切ろうとしています。そのため連日開催できる特別委員会を設置し、18日の週内にも衆院本会議で「戦争立法」の審議入りを狙っています。

 安倍政権の暴走は国民世論との矛盾を広げています。報道各社の世論調査では、「戦争立法」で自衛隊の他国軍に対する軍事支援が広がることで「日本が戦争に巻き込まれるかもしれない」と感じるとの回答が88%(「朝日」2日付)。「戦争立法」の今国会の成立には52%が「反対」(「日経」4月20日付)しています。

 


国民愚ろうの「お試し」許さずー自民の改憲策動

2015-05-09 23:55:59 | マスコミ・報道

昨年末の総選挙後初の本格的な議論が行われた7日の衆院憲法審査会で、自民党の船田元・憲法改正推進本部長が「緊急事態条項」「環境権など新しい人権」「財政規律条項」の三つを優先して議論することを改めて要求、段階的に改憲案づくりを進める意向を重ねて鮮明にしました。国民が望んでもいないのに、「9条改憲」の本音を隠して国民をならすために、段階的に改憲を進めるなどというのは、国民を愚ろうするものです。憲法を擁護・尊重すべき国会議員が、国会を党略的な改憲案づくりの場にすることは許されません。

「改憲」自体国民望まず

 「緊急事態条項」などの改憲案づくりを優先させ、まずは「お試し改憲」で国民をならし、本命となる「9条改憲」に道を開いていくことは、自民党がこのところ繰り返し持ち出すようになった「改憲」戦略です。安倍晋三政権の復活後、本格的な改憲の前に改憲案の発議など改憲の手続きを緩和する「96条改定」を優先させることを持ち出し、立憲主義を破壊する「裏口入学」だと批判されたことがあります。まず抵抗の少ないとみられるところから手をつけようという「お試し改憲」も、国民を無理やり改憲に押しやる卑劣な憲法破壊の策動です。

 今年の憲法記念日を前後して多くのマスメディアが憲法についての世論調査を行いましたが、鮮明になったのは、国民が9条はもちろん、憲法そのものについて改定を求めていないことです。「朝日」の調査ではかつては改憲に「賛成」が「反対」を上回っていたのが昨年から2年連続で逆転し、今回は「変える必要はない」が48%です。NHKの調査でもかつては多かった改憲の「必要がある」が「必要はない」とほぼ同じです。「日経」では2004年以降初めて「現在のままでよい」が改憲を上回りました。

 憲法9条についてはいずれも、「変えないほうがよい」が63%(「朝日」)、「改正すべきだと思わない」が55%(「毎日」)などと圧倒的です。安倍政権のもとで憲法破壊の動きが強まるなか、国民のなかに改憲への批判と警戒が広がっていることは明らかです。

 「緊急事態条項」などから議論を始めるといっても、自民党が日本を「海外で戦争する国」に変えてしまう「9条改憲」をあきらめていないことは、同党が「9条改憲」などを「特に重要な項目」と位置づけていることから明白です。自民党の船田氏が審査会で「緊急事態条項」についてふれた中身も、「大規模自然災害時には国会議員の任期を延長する」などというもので、衆院の選挙中でも緊急時には参院の緊急集会を開けるなどの規定がある現行憲法を、変えなければならないものではありません。

憲法破壊の企て許さず

 安倍政権は、集団的自衛権行使についてのこれまでの憲法解釈を踏みにじり、アメリカが始めるどんな戦争にも自衛隊の参加を可能にし、「海外で戦争する国」になる「戦争立法」を、来週にも閣議決定しようとしています。

 いま重要なのは、憲法を破壊する解釈改憲であれ、条文そのものを変えてしまう明文改憲であれ、憲法破壊を許さない声を広げることです。「戦争立法」に反対し、「9条壊すな」の声を、足立区から全国に強めようではありませんか。(しんぶん赤旗参照)


「残業代ゼロ法案」はいったい何をもたらすか。

2015-05-06 23:55:52 | マスコミ・報道

「残業代ゼロ」 何をもたらす

 過労死の促進につながる「残業代ゼロ」制度=「高度プロフェッショナル制度」の創設をねらう安倍政権。労働基準法改悪案を閣議決定し、国会に提出しました。「残業代ゼロ」制度は、働き方にどのような影響をもたらすのか。制度のモデルがある米国の実態はどうか。2人の識者に聞きました。 (行沢寛史)

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働き方の根幹を掘り崩す

大阪市立大学名誉教授 西谷 敏さん

 労働時間の問題を考える際のポイントは何か。私は、「労働は1日8時間」という原則を確認することから出発すべきだと思います。

社会全体にゆがみが

 8時間労働制は、1日を三分して、8時間働き、8時間休息(睡眠)をとり、そして8時間の自由時間を享受するというものです。つまり、働きながら、家族や友人と過ごす、あるいは自分の趣味や社会的活動などの時間を保障するという重要な原則なのです。

 ヨーロッパやアメリカの労働運動は、長年の血のにじむような努力の結果、8時間労働制を獲得してきました。現在、EUでは残業を含めて週48時間が最高限度になっています。

 日本ではどうでしょうか。労働基準法で1日8時間とされていますが、残業協定=三六(さぶろく)協定により、労働時間の歯止めがなくなっています。週60時間以上働いている労働者がたくさんいます。

 日本の長時間労働の弊害はとりわけ過労死、過労自殺という極端な形で現れています。過労死の根絶は緊急の課題です。

 しかし、長時間労働は、過労死や健康破壊の原因になるだけではありません。それは、労働者の自由な人間らしい生活を妨げ、社会全体に大きなゆがみをもたらします。その観点から長時間労働を見直すべきです。

 いま必要なのは、いかにして長時間労働に歯止めをかけ、8時間労働制を現実のものとするかです。安倍政権は、この課題に逆行しています。

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(写真)「残業代ゼロ」制度に反対する雇用共同アクションのデモ行進=3月6日、東京都千代田区

 労働基準法改悪案のポイントは二つあります。一つは、裁量労働制の対象範囲の拡大です。これは、長時間労働をさらに助長することになります。

 最大の問題は、「高度プロフェッショナル制度」の創設です。労働時間制限を受けず、時間外手当支払いなどの規制を適用除外にする労働者をつくるものです。

 前回2007年にホワイトカラー・エグゼンプションの導入に失敗したことを反省したのでしょうか。「時間ではなく成果で評価される働き方」などと、わざとわかりにくい表現でごまかしています。しかし、「いくら残業させても残業代は払わない」という本質は変わりません。

 残業代の支払いは、労働時間を短縮するための規制と、長く働いた分の補償として賃金を支払うという二つの意味があります。

 「高度プロフェッショナル制度」の対象とされる年収1075万円以上の労働者であれば、なぜこの二つの意味をもつ残業代を支払わなくてもよいのか。政府の説明はいずれも納得できる根拠を示していません。

 また労働者には、自らの裁量で仕事をすすめるという条件もありません。長時間労働を命じられても拒否できないのです。

8時間労働制の否定

 この制度が認められれば、8時間労働制が正面から否定され、労働基準法の体系が崩壊しかねないと思います。

 労働基準法をはじめとする労働法は、労働者を保護するために企業の行動を規制する法律です。規制の緩和は、労働者に大きな影響を及ぼします。労働者は当事者なのです。規制緩和を防ぎ、労働法を強化するには、労働者、労働組合の強大な運動が必要です。


モデルの米国は規制強化

弁護士 中村 和雄さん

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 今年1月、日弁連調査団の一人として、米国の労働時間法制を調査してきました。米国には、「高度プロフェッショナル制度」のモデルであるホワイトカラー・エグゼンプション(WE、労働時間規制の適用除外制度)があります。

 その米国はいま、労働時間規制を強化しようとしています。

 米国では1938年に公正労働基準法が制定されて以来、WEが導入されてきました。現在、対象となるホワイトカラー労働者は、週455ドル(5万4600円)以上の収入とされています。月収で22万円弱、年収で262万円程度です。米国のホワイトカラー労働者の9割近くが、WEの対象になるといわれます。

 米労働省はこの十数年間で、適用除外とされる労働者の広がりと長時間化を懸念していました。

 実は米国では、ブッシュ政権下の2004年に労働統計がとられなくなり、正確な実態がわからないのです。しかし、オバマ大統領は昨年3月に出した覚書で、WEの見直しを指示しました。内容は、年収要件などの引き上げ、対象労働者の要件の明確化です。

 これを受けて、米労働省は、近く省令の改正案を出す予定です。

 改正の背景には、労働時間をめぐるいくつかの問題があります。

あきれた日本の議論

図

(図)出典 米会計検査院「公正労働基準法―現代労働におけるホワイトカラー・エグゼンプション」(1999年9月)

 一つは、労働時間規制の適用から外れている労働者は、規制が適用される労働者より長時間働いていることです。米会計検査院の1999年調査では、WEの労働者の方が、労働時間が長いのです。

 そこで調査団員が米労働省の担当者や組合の幹部に「日本では、残業代を払うから『ダラダラ残業』となり、残業代をなくせば定時に帰るという意見がある。どう思うか」と質問しました。すると「経営者は残業代を払わなくていいなら、いくらでも残業させる」「日本ではなんてバカな議論をしているんだ」と、あきれていました。

 もう一つは、WEの対象となる労働者が不明確になっていることです。米国は、日本よりも職務が明確で、WEの対象労働者も細かく定められています。しかし、WEとされた労働者が、対象として適格なのかという問題が噴出し、2013年には残業代をめぐる訴訟が全米で8000件近く起きています。

 日本では、職務がよりあいまいです。いくら省令で細かく定めても、対象要件を満たすのか、という問題はつきまとうでしょう。経営側の弁護士からも、高額訴訟が提訴される危険が高まるとの懸念がすでに出ています。

大幅賃上げで時短を

 日本で労働時間規制の適用除外制度を導入することは、長時間労働が深刻な問題となっている日本の実態にも、米国のこうした動きにも逆行しています。

 いま米国では、最低賃金引き上げを求める動きが強まっています。これは、1日8時間労働でも、生活できる賃金の保障を求める運動として、労働時間の問題とも結びついています。日本でも長時間残業の温床になっている固定残業代がついて初めて、まともにくらせる賃金になる例はたくさんあります。労働時間の短縮にとっても大幅賃上げが必要です。