ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

亀ラップ、這い回る

2008-08-05 06:07:44 | アジア


 ”5TH”by Turtles

 これは、”韓国風・艶歌歌謡曲調ラップ・ユニット”とでも呼べばいいのだろうか。

 近頃、”貴族コント”で売り出しているお笑いコンビ、”髭男爵”の山田ルイ53世に、顔も声も芸風もそこはかとなく似ている男性ラップ歌手”タートルマン”と、彼を囲む女性コーラス2名によるチームである。

 まあ、韓国語のラップの決まり具合はすでに定評があるわけだが、この連中はとりわけエグイ路線を選んでしまったようだ。ラップに絡んで韓国歌謡特有の臭みを大幅に含んだメロディを大乗りで歌い上げる女子二人のコーラスの高らかな響きは実に臆面もない艶歌魂炸裂ものであり、いやあ、恥ずかしい。

 さすがの私も一瞬、オーディオのボリュームを絞った。近所の人々にこんなの聴いてると知られると恥ずかしい気がしたんで。すぐに思い直して再びボリュームは上げたけどね。
 社員旅行かなんかの宴席における、たちの悪い酔っ払い男女の大騒ぎと聞けないこともない、この際限もないバカ騒ぎ。

 というか、ここまで韓国民衆の心の底辺に淀む喜怒哀楽をえげつなくすくい上げることが可能なほどにこのラップなる表現、韓国民衆にとって自家薬籠中のものとなっていると理解するべきなんでしょう。
 日本のラップなんか、いまだに”本家・アメリカの黒人がやった事をいかにうまくなぞるか”に腐心している、ただそれだけだものなあ。

 ちなみに。このCD、なんか意味ありげなビニール袋に入っていたんで何かな?と思ったんだが、あけてみてなるほど、と。不必要なほどに入り組んだ折り方をしてCDを収納するデジパック仕様なのだが、どう折っても歌詞カードが収まらないのだ。だからビニールの外袋に全部まとめて入れる形にせねばならなかったのだ。

 このへんのテキトー具合も含めて、やっぱり愛さずにいられません、この艶歌ラップ集団を。


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