ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

アトラスの風吹きて

2012-06-04 06:05:47 | イスラム世界

 ”Rou7 ”by Asma Lmnawar

 民族打楽器の打ち出す野太いリズムの提示から始まる。モロッコの人気女性歌手とか。

 あの、砂漠の嵐にさらされ乾ききったみたいな、モロッコ特有のハードボイルドな変則リズムが、ひりつくような手触りで聴く者の魂を炒り立ててくる。そんなビートをど真ん中に置きつつの湾岸歌謡。アトラス山脈作法の脈打つリズムの上に流れる、湾岸風妖しげなユニゾン・ストリングスの響き。

 いかにも北アフリカらしいハスキーな、荒々しくも扇情的な歌声を突きつけてくる、Asma Lmnawar女史。不意に吹き鳴らされる民族管楽器の合奏と、ワイルドな女声コーラス陣の掛け声が、野生の血の騒ぎをあからさまに突きつける。

 マグレブ世界の涯からアラブ歌謡本流に裸足で殴り込んだ、みたいな人騒がせな存在感がなんとも痛快な歌い手だ。今後もガシガシ行って欲しい。




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