”Pod kolnar i kvold....”by Rokkurro
相変らずクソ寒い日々が続いておりますんで、ヤケついでにまたもアイスランド音楽を。 かの氷の国で私の一番好きなバンドです。といっても、昨年の秋に2ndアルバムが出たばかりの、まだ若いバンドなんですが。
チェロの弾き語りをする女の子を中心にした5人編成のロックバンド。ロックとは言っても思慮深い音つくりの連中で、チェロのソロにアコーディオンやグロッケンシュピールなどの地味な楽器を隠し味的に絡ませて行く手管なんか洒落たものであります。
決定的に情報不足なんで(そもそもアイスランド語の解説が読めない)良く分かりませんが、子供の頃に暖炉のそばでお婆さんが聞かせてくれたお伽噺の音楽化とか、そんなコンセプトを持ってやっている連中なんでしょうか。そんな手触りがある音です。昔懐かしい暖かさがあって夕暮れ時の哀感があって、そして子供たちの大好きな楽しいお伽噺がその裏に実は持っている、底知れない薄気味悪さの気配などまで、彼らの歌からは伝わってくる。その辺に惹かれます。
なんといっても、チェロの女の子の優美な歌声がたまりませんね。結構ややこしいメロディも多いと思うんだが、しっとりと落ち着いた調子で、アイスランド昔語りの薄暮の幻想をそっと歌い聴かせてくれる。
そして、極北の音楽特有の暖かさ。それは戸外の温度が冗談ではすまないくらいに降下している状況で、身を寄せ合った人々の間にこそ生まれるものなのでしょう。
なんか、この音楽には元ネタがあるのかなあ?彼らには、いつもは伝承曲を演奏している英国諸島圏あたりのトラッドバンドなんかが自作曲に取り組んだ時のサウンドを連想させるものがあり、このRokkurroもまた、音作りの基礎に伝承曲があるのかも?などと空想しているのだけれど。
・・・などと、出合ったばかりのバンドを相手にいろいろ空想を広げている時が一番楽しかったりするんですな。