my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

最果ての一軒家

2009-10-30 15:03:01 | 好きな本
だいぶ前から読みたいと思っていた本を、二度続けて読みました。

殺人者の涙
  アン=ロール ボンドゥ 作  伏見操 訳


題名からも、紹介されている内容からも、これは本当に児童書(ヤングアダルト)の範疇に
入るものなのか、という疑問を解決したいという気持ちでいっぱいでした。

ある日やってきた荒くれ者(アンヘル)に、両親が殺され、その殺人者とともに、
幼い子供(パオロ)が、その家で暮らし始めるという、ショッキングな冒頭部分だけは、
すでに読み終えた方のブログ(下記※参照)で、知っていましたので、
「覚悟」して本を開きました。

が、最初の一文を読む前に、すでに見開き部分に驚かされて、というか
感心させられてしまったのです。

この話は、南米のチリが舞台がなっています。
ご存じのように、チリという国は、南北にすごく細長くて、太平洋に面しています。
この本の見開きには、チリの地図が載っているのですが、それは上下に長く伸びた
国ではなく、左右に長く描かれていました。
本の見開きの構造上、横長になってしまうといえばそれまでですが、
私には、この地図がすごく新鮮に感じられました。
そして、眺めているうちに、チリという国について自分が何一つ知らないこと
(その首都でさえ!)と、その地形の複雑さに気がついたのです。

一度目を読み終えたあと、後ろの見開きにも描かれている同じ地図を
またしげしげと眺め、この話は、舞台がチリでなければ成り立たなかったのでは、
という気持ちを持ちました。
そして、二度目を読むときは、複雑に入り組んだ海岸線、絶えず吹きつける強い風、
険しい山道、深い森を意識しながら読みました。


荒野でしがみつくように暮らしている一家の生活が、ある日唐突に壊されます。
追手から逃れ、しばしの休息を得るために必要だった場所を得るために、
アンヘルが知っている手段は、すでにそこに居る人を殺す、ということだけ。
そんな理不尽な考えは、決して肯定できませんが、「そこ」から始まるこの物語に
私は、すこしも、血なまぐささは感じませんでした。
人が死に、血が流れ、その血が染み込んだテーブルで、朝に夕に、
食事をしているということに、不思議と嫌悪の気持も生じませんでした。

これはもしかして、ひとつの寓話なのではないだろうかー
そんな思いで、読み進んでいったからかもしれません。

もし、アンヘルがやってこなければ、パオロは、両親とともに暮らし続けることができたでしょう。
けれど、パオロは、文字も知らず、本も知らず、世の中に音楽があるということも
知らず、自分の年齢さえ知らずに、ただ家畜の世話をし、荒れ地にしがみつくように
生きていっただけかもしれない。

いやいや、ある日別の男がやってきて、鞄の中から詩の本を出し、文字を教え
一緒に町へ行きませんか、と誘ってくれたかもしれない。

あるいは‥‥?


そんなふうに、人には、いくつもの見えない選択肢が用意されていて、
与えられた生まれながらの環境が、必ずしもぴったんこなわけじゃないかもしれず、
もしかしたら、もしかしたら、といろんなことを問いかけながら、二度目も
読み終えました。

愛を知らずに育った殺人者アンヘルが、パオロから、父親のように慕ってもらいたい、
パオロの喜ぶ顔を見るためなら、なんでもしてやりたいと、
自分の心が変わってきたことに、戸惑いを覚えるところは切なかったけれど
自分がしてきたことの責任は、自分で負わなければなりません。

登場人物それぞれの個性がとても際立っていたので(キャラが立つって
こういうことでしょうか?)、この話は、とても映画的なのではないかなとも思いました。



時が流れ、パオロが成人したあとのシーンなんて、もう見てきたかのように、
はっきり頭の中で「絵」が動いています。

絨毯、キャンドル、壁一面の絵ハガキ、大きな本棚、新しいテーブル、新しい命‥

すごく寓話的かつ映画的なラストシーンだと思います。



殺人者の涙(byすきまな時間)
殺人者の涙(byぼちぼち日記)
殺人者の涙(by絵本の時間)

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本のある日々

2009-10-28 11:14:10 | 想うこと
今日も気持ちのよい青空が広がっています。
外で、時折落ちてくる葉を感じながら、本が読みたいなあと思います。


夜、寝る前の読書がいっこうにはかどらず、何かよくない方向へ
自分が向かっているような(情熱の欠如ですね)。
何かよくないものが、自分へじわじわ染み込んでくるような(要するに怠惰です)。
そんな風に思っていたこの頃でしたが、先週木曜日の朝日新聞の
夕刊に、詩人の長田弘さんの文章が載っていました。

 悦ばしい読書  自分の時間で読み継ぐ   というタイトルです。

お読みになった方も、大勢いらっしゃるでしょうが、とてもとてもよいことが
書いてあったので、残しておきたいと思いました。


読書というのは、本を全部読み切ることではない、と冒頭で長田さんは書いてます。

じゃあ、どうするのが「読書」なんでしょう?

  読みとおすのでなく、読みさす。読み切るのでなく、読み余す。
  読みぬくのでなく、読み継ぐ。読み解くのでなく、読みとどめる。
  そうして、開いたまま本を伏せて、あるいは閉じて積んで、
  自分の日々の時間のかたわらに置く。

こうやって、「読みさしを繰り返すうちに、いつか気づくこともなく、その本の
言葉が自分のなかに畳まれていて、一度も通読した覚えがないのに、
いつのまにか全体を読んでいる」ことになり、「中断を楽しむことのできる本は
間違いなくいい本だということだった。」

そして、

  読書というのは、本を読むというだけのことではないのだ。
  本を自分の日々のなかに置いて、自分にとって必要な本の
  置き場所をつくる、そういう日々のあり方をすすんでもちこたえてゆく
  というのが読書なのだ。

文書は、最後に、黒田清輝の描いた『読書』という絵の、村娘の瞳の輝きに言及し、
この言葉で結ばれています。

  文字を見つめることは、こんなにも人の眼差しを透明に、無私なものに
  するものなのかというおどろきだ。



きらきらする秋の陽射しが、そのまま胸の中に飛び込んできてしまった
みたいに、読み返すと、高くなった気持ちが淵から飛び出しそうです。

自分の日々の時間のかたわらに(本を)置く 
 
いいことばですよね。
本がある毎日のしあわせに感謝しながら、また、読書欲を取り戻せそうです。


    *          *          *


今借りている本を読み終えたら、次は長田さんの本を読もうと、検索していたら、
知らなかった絵本を2冊見つけました。
 『なぜ戦争はよくないか

アリス・ウォーカー文 ステファーノ・ヴィタール絵 長田弘 訳

文章を書いたアリス・ウォーカーは、『カラーパープル』を書いた人
彼女の文が絵本になっていることにちょっと驚きました。


 『ちいさなこまいぬ』 キム シオン作 長田弘 訳

中国の作家による絵本のようです。


こちらは、長田弘さんのエッセイです。
「風景のひろがりのなかで、そこからしか見えないアメリカを問う、極上のロード・エッセー」と
紹介されていました。次に読むのはこの本に決めました。

アメリカの61の風景



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風のなかからやってきた

2009-10-22 12:49:09 | 好きなもの・ちいさないえ
今度は、木でできた「ちいさないえ」が仲間入り。

工房からの風に出展されていた、木工の菅原博之さん作です。

ほんとに小さくって、ほんとに軽くって、そよ風にも揺らいでしまいそうですが、
焼き印(?)で、丁寧に押された窓が、そのはかなさの分、余計に
いとおしいです。


さて。

新入りさんの「いえ」を、どんなふうに紹介しよう、と思っていたら‥

昨日、同じ風の中からやってきた、3枚のハガキがちょうど届きました。
そう、「ハガキのリレー」のハガキです。

そのうちの1枚、娘r宛に届いたのは、なんと、菅原博之さんのものだったのです。

うれしい、偶然。 偶然バンザイ、です。

   木の皮(?)でできたらふとも付いてます。

夫宛に届いたハガキは、ガレージスタジオに載っていましたね。

では、私宛のは ‥ ?
  おりひめ神社近くで、ステキに時計を展示されていた、
村上和香奈さん作でした。

「書いて」あるのではなくて、「打って」あるいは、「押して」というのでしょうか。
文字が型押しになっています。すごーい。

こんな楽しい企画、ほんとうにありがとうございました。



私の書いたハガキも、今頃どなたかのところへ届いているのでしょうね。
店長の書いたハガキには、BOOTS&STICKS の新柄が載っているんですよ。

       




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二日間

2009-10-18 22:55:20 | 好きなもの・工房からの風

今日もまた、工房からの風に行ってきました。

今年でたぶん5回目なのですが、二日続けて行ったのは、今回が初めてです。
(過去のログにリンクを貼りました。あのときはどうだったかなあと気になったときに
いつでも確かめられるように。初めて行った2005年のブログはありませんでした)

    工房からの風・2008年版
    うちにもきたスピンドル
    楽しかったなあ‥遠足みたい

 

 

     

お庭は、いつ見ても、すくすくふくふく育っている緑が
気持ちいいですが、今年は、その中にお花が、意図して
混ざっているところが、またいいなあと思いました。

出展されている各作家さんのテーブルや、作品に、
そっと添えられている、草や花や木の実のあしらいが、
この「工房からの風」が凄く大きなイベントであるにもかかわらず、
「やってきた大勢の方」をターゲットにしているのではなく、
「いつものあなた」をお待ちしていたのですよ、と言ってくれているようで。
誰が、誰を、もてなそうとしているのか、誰が、どなたのおうちを
訪問しているのかが、目に見える心地よさ、みたいなものを感じました。
(だからといって、初めて来た方や、偶然通りかかった方を拒んでいる
というわけでもなく、なのです‥)
 

さて、昨日は私(withまつかぜさん)、今日は夫と娘が、
「陶板の飾りを作る」ワークショップに参加しました。
教えてくださったのは、陶芸家の金子佐知恵さんです。

(工房からの風は、50人もの作家さんが出展することに加えて、出展作家さんや
オブザーバーの方々によるワークショップも、とても充実しているのです。)

  こちらが先生が作った見本作品。

下絵を描いたあとに、粘土を「切る」作業から。 
 rさん、とても真剣です。


バリを出すように、端の処理をして、手ぬぐいで布目を粘土に付けた後、
竹串を使って、粘土に絵を描いていきます。
そして、先生がそれを、陶板へと仕上げてくれて、後日受け取るというしくみです。


  
左から、私・夫・娘の作品です。
どんなふうに出来上がってくるでしょうね~すごく楽しみです。

私は、作ることができなかった「小さな家」の前・うしろ・左・右の絵。
夫は、新柄Tシャツのモチーフデザインを。娘は、その場で考えた室内の(?)絵です。
椅子がひとつと、風景画、ことりが一羽描かれています。

ハガキのリレーにももちろん参加しました。数日後が楽しみです。)



友達との予定通りと、予定外の再会あり(笑)、作家さんとのおはなしあり。
新しい方や、新しいものとの出会いあり、悩みの時間あり、の
とても濃い二日間でした。
トキニワカフェとトキニワ販売所のことは、今年の思い出の真ん中に
きています。

以下は、今年の覚え(またの名はお買いもの品)です。
 田鶴濱守人さん作のお皿。
18日に結婚披露2次会パーティがあり、それを欠席してしまったので
その友達に、これから送ります。小さな家のオブジェを添えて。

 以前に、ヒナタノオトさんで
見て、すごく迷って置いてきた、さこうゆうこさんのガラスの花入れ。
「miniハナイレ マメ花」というなまえです。


 「秋色探し」
って、名前がついている、森文香さんのストール。リネンと綿とすこしの絹
だそうです。
かなりしわがついているのは、土曜日の夕方に買って、日曜日に早速
巻いてでかけたからです。
着いてすぐに、森さんに見せに行きました・笑

他に、菅原博之さんのブースでちいさいものを買いましたが、それはまた
別カテゴリーでエントリーしたいと思います。(フフフ、またあれですよ)


       
土曜日に部活があって一緒に来られなかった娘が、日曜日に行きたいと
言ったので、じゃあ、二日とも行こうか、となった今年ですが、
二日とも、とてもとても楽しかったです。

最後の写真は、日曜日の夕方、帰るすこし前に撮ったらふとの遠景です。
たくさんの笑顔と、やわらかい気持ちがこのお庭の中を、
何千回、何万回と行き来したことでしょうねぇ。

来年もこの楽しみを、またよろしくおねがいしますって、いう気持ちです。





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トキニワカフェ≪追記しました≫

2009-10-17 20:24:09 | 好きなもの・Tシャツ

昨日のブログに書いたこと、やっぱりホントと再確認しました。

工房からの風の会場に、二日だけ現れる、トキニワカフェ


  【Tシャツって、同じ気持ちで、一つの作業に当たる人たちに、
   最適のユニフォームだと思っています。】

    

どの方もすごく似合っていたし、とてもステキでした。

 
  ※Tシャツの写真と、絵柄のアップを掲載しました。
    こちらから見られます。 → Tシャツ好きの着たいTシャツ 

    
そして、アップルパイと
レモングラス入りの紅茶をいただきました。

明日は、何を食べようかな。


(翌日は、いちごマフィンと加賀棒茶+レモングラスを
いただきました)




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明日吹く風

2009-10-16 15:47:02 | 好きなもの・Tシャツ
明日から始まりますね、工房からの風

2005年に初めて行ったときには、まつかぜさんご夫婦と一緒で、その時
知っている人といえば、らふとのスタッフの方だけだったのに、
この4年の間に、野外展で会えるかもしれない、会えるのが楽しみな友達が
何人も思い浮かべられることが、明日へのわくわくをさらに膨らませてくれます。

そして、今年はそれプラス!の楽しみが、あって‥
いつそれを言って(書いて)よいのかわからず、ほんとは明日に
なってからのほうがいいのかも、と思いつつ‥
ちょっとだけ、書いてしまうことにしました・笑

話はいったんそれますが。
今年の夏、BOOTS&STICKS では、新しいコンセプトのTシャツを作りました。

サブマリン・ダイナーTシャツ

何度も書いているので、もうご存じの方も多いと思いますが、これは、
本当には存在していない、「サブマリン・ダイナー」という食堂の
スタッフTシャツ、という設定です。
ほんとにないお店なので、誰の許可もいらないし、メニューだって自由に
考えることができました。

サブマリン・ダイナーで働いているスタッフが皆、お揃いのTシャツを着ているところを
想像すると、それが自分の頭の中にしかないものだとしても、とても心躍る作業でした。

Tシャツって、同じ気持ちで、一つの作業に当たる人たちに、
最適のユニフォームだと思っています。


そして、話は戻りますがー。

明日、会場に着いたら、真っ先に向かう場所のひとつが、トキニワカフェなんです。

工房から風が開催されている二日間だけ、お庭にカフェが現れますよね。
ほんのちょっとだけ、そのトキニワカフェに、今回関わらせていただいたのです。
トキニワカフェって、サブマリン・ダイナーの延長線上にあるというか、
サブマリン・ダイナーの具現化?みたいに私には思えて、それに関わる作業は
はじめからおわりまで、とても楽しいものでした。

BOOTS&STICKS は、店長のデザインでTシャツを作る、というのが
大前提なので、「チームのオリジナルTシャツ」みたいなのは
営業メニューにはないのですが、工房からの風に、(どんな形であれ)
関われるというのであれば、話は全然別なのでした。



今晩あたり、director's voice で紹介してくれたらいいなあと、願っています。
ここまで書いたら、どんな絵柄で、どんな風によいか、
もっとお知らせしたくなってしまったし・笑。




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続きもの

2009-10-15 15:54:31 | 好きなもの・音楽や本
晴れていてとても気持ちのよい午後です。

今日は木曜日、ちょっとうれしい日です。
それはERの新シリーズが、先週の木曜日から始まったから
なのですが。
なんともう14シリーズ目なのです。

ERを観てない方にとっては何のこっちゃ?だと思いますが
14シリーズということは、簡単に言うと、放送が始まって14年も
たったということなのです。
(アメリカでの本放送は2008年に15シリーズで終わっているそうです)
14年前といったら、まだrも生まれていない頃です。
なんか年月の重みと同時に、よく見続けたなあとちょっと感慨深くなったりして・笑

第1回目の放送から出続けているメインの俳優さんはいないのですが、
看護師役の人なんかはずっとおんなじ人が続けているので、とても説得力が
ありますね~
今はとても有名になったジョージ・クルーニーも、女好きの小児科医だったし。
(最後は、ロサンゼルスへ行ってしまい、彼の、双子の女の子を産んだ看護師さんと
ハッピーエンドになりました)


で。
ERのことをつらつら考えていたら、私って、続きものが結構好きかもと
思えてきました。

絵本でも、やなぎむらシリーズに代表されるような‥同じ舞台で数年後に
続きの話が出るのはとっても好きだし、
主人公だけが同じで、シチュエーションが変わっていくっていうのもとても好きです。
(過去記事でもなことや、なこと、も書いてました)

児童書での楽しみといえば、魔女の宅急便の〈6〉がついに発売されましたよね。
(あ、ことり文庫さんに頼まなくちゃ)
キキがおかあさんになっているらしいですねー。これで終わってしまうのは
ちょっとさびしいけど、早く読んでみたいです。



それと、「大草原の小さな家」の、ローラのかあさんの話があるの、ご存じですか?
そのシリーズ、クワイナー一家の物語も〈6〉まで出ていて、
次の〈7〉でおしまいなんです。





あ、つるばら村シリーズもありましたねーかなり好きでした。


ファンタジーは「続きもの」たくさんありますよね。
ナルニア国ものがたり、ゲド戦記、指輪物語、ハリーポッター、ギフトの3部作‥は
読みましたが、ほかにはなんでしょう?RDGシリーズでしょうか?

小説は、今のところの楽しみは、来年初夏に発売が決まったらしい
「1Q84」のBOOK3ですね。



他にはなにかないかなあと考えていて‥

そういえば、遠いむかしの少女だったころ、赤毛のアンシリーズが
好きだったこと思い出しました。
村岡花子さんの訳の新潮文庫を、何巻まで買ったでしょう‥?
けれど、情けないことに、そのストーリーのほとんどを忘れています。
その後くらいに読んだ「風と共に去りぬ」の方は、覚えているのですが‥。

プリンス・エドワード島の穏やかな暮らしの中の出来事よりも、南北戦争時の
波乱万丈な展開の方がやはり印象深かったってことなんでしょうか。
その頃からアメリカの歴史に惹かれるものが(自分の中に)、あったのでしょうかねぇ。




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patti smith dream of life@シアターN渋谷

2009-10-08 16:39:05 | 好きなもの・映画やDVD
もう1週間も前になりますが、公開をずっと楽しみにしていた映画を、
上映期間終わり近くになって、やっと観に行くことができました。

ロックミュージシャンであり、詩人であり、最近では活動家とも
言われている、パティ・スミスの11年間を、写真家のスティーブン・セブリングが
カメラを自らまわし続けて撮った、ドキュメンタリー映画です。

patti smith dream of life


ライブでのパフォーマンス、舞台裏での表情、インタビュー、家族との時間、
両親の家、日本へのツアー、尊敬する詩人の墓前で‥

膨大なフィルムは、撮り終えたのち、2年間をかけて編集され、パティ自身の
即興のナレーションがつけられて、完成作品となったそうです。



飾らない自分とか、ありのままの私とか、そういう言葉って、口に出したり、
文字にしたりすると、あまりにもカンタン過ぎるなあと思えてきます。

なりたい私になる、も、私らしく生きたい、も、なんだか風に吹かれて
飛んでいってしまいそうです。


むかし、20代の頃、今の自分の年齢の女性たちが、ひどく大人に
思えたものでした。
あれから20年以上がたち、その時憧れていた人も60代‥
私の気持ちは、固まったところもあれば、その周りで、いまだふわふわしている
ところもあって。
こういう映画に共鳴するのは、ふわふわなところなのかといえば、そうでもなく、
私の中の固く踏みしめられたところに、じーんと深く、音や言葉が染み込みます。

好きなシーン、印象的なシーンはいくつもありましたが、パティが部屋の中で
自分の大切にしているものを、ひとつひとつカメラの前で、見せていくところが一番よかった。

息子が小さいときに着ていたシミだらけのTシャツ。
親友であり恋人でもあったロバート・メープルソープから貰ったタンバリン。
ペルシャの骨董だという小さな壺(壜?)から出てきたのは、
なんとロバートの遺骨でした。
「どこへでも持っていかれることができるから、これはとてもいいアイデア」と言ってましたね‥

メープルソープとパティ・スミス。

私は最初に「セット」で、知ったので、もっともっと映画の中で、彼についての
思い出が語られることを期待していましたが、出てきたのはタンバリンと
ペルシャの壜と、彼が撮った昔々のパティの写真‥くらいだったでしょうか。

記事を書く前に、検索したブログを色々読んでいたら、今のボーイフレンドは、
20歳くらい年下らしい、と書いてあるのを見つけました。

かっこよすぎるな。

プラダとコムデギャルソンの服が似合う60代に、私もなっていきたいです。

このアルバムのジャケット写真を
撮ったのがメープルソープ

twelve」というカバーアルバム。
何も知らないで買ったのですが、このタンバリンが、メープルソープから
貰ったタンバリンだったのでした。




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ブックマーク

2009-10-08 16:38:34 | このblogについて
長い間放置していたブログ左側の「ブックマーク」に少し手を入れました。

いつの間にか「長いお休み」に入ってしまった方を、PCのブラウザの
お気に入りに入れ、
最近、お付き合いさせていただくようになった方を、このブログのブックマークに
追記させていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。

                             
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つながってる

2009-10-03 19:27:14 | 好きなもの・ちいさないえ
今週はじめに、大きめの封筒が届きました。
送ってくれた方は、おともだちだけど、でも、何故この時期にと
?が3つくらいつきました。

で。

いそいそと開けてみたら‥↑の写真の「ちいさいいえ」が
入っていたのです。

う、うれしい。

そして、なんてかわいいのでしょう。お隣どうしが繋がっています。


「いえ」の下に敷いてあるのは、コースターではなくって
裏返し、順番に並べると、手紙になっているのです。
そのアイデアもなんてかわいいんでしょ。(ここにもその写真あります)

そして、とっても嬉しかったのは、どこかで小さい家を見かけると
私のことを思い出す、とその手紙に記されていたことです。

こういう気持ちのつながりって、すごく大切で、すごくあたたかいです。
思い出したから、それが直接何かになるわけではないけれど、
このお店、J子さん好きだろうなあとか、Hさんだったら、この本を
買うかも、とか。
この国は、この夏に、Y子さんがご主人と旅行に行ったところだよねとか。
こんなふうに思い出したり、思いやったりすることって、自分の気持ちを
潤わせてくれたり、ふかふかにしてくれたりすると思うのです。



細くても、途切れないしなやかさー。

繋がっていると、思える人と出会えて幸せだなあと思います。

ちいさないえ、を、どうもありがとう。
つながりを、ありがとう。



※このおうち、箸置きとして、作られたものだそうです。


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