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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

もしも江戸の町に生まれたら

2017-01-10 11:47:05 | 好きなもの・音楽や本

近くに住んでいる、ちょうど20歳年上の男の人(Iさん)から、
「今ね、あさのあつこの本を読んでるんだけど、それがおもしろくてさ」と
言われた時には、驚きました。

「え、あの『バッテリー』の作者ですよねえ?」と訊き返し、そうそう、と頷かれ
そこで話はなんとなく途切れてしまったのですが、それから1週間くらいのちに、
家を訪ねる機会があって、そこで「持ってく?」と渡されたカバー付文庫本の
表紙めくってみたら、こんな表紙が現れました。



あさのあつこさん、こういう小説も書かれていたとは!
(不勉強でお恥ずかしいです)


「小説宝石」に連載していた小説が、光文社時代小説文庫から出ていて、
最新作でもう5作目とのこと。

近所に住むIさんが教えてくれなければ、決して自分からは探せなかったなー
と思いながら、お正月休みに、この1作目と、その次の『夜叉桜』を読み、
三連休で、3作目の『古練柿』を5分の4くらい読みました。


北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎
岡っ引の伊佐治親分
小間物問屋「遠野屋」の清之介

一筋縄ではいかない面々が、江戸の町で起こる事件の渦中で、
悩みながら、絡んだ糸をほぐし、真相を明らかにしていく様子は
読み飛ばしたり、読み急いだりできない「手ごたえ」を感じました。
ただの、推理ものでも、捕物帳でもなく、三者三様の「人生」がきちんと
描かれているから面白いのだと思います。




生まれたときから身分も将来の職業も決まっている江戸の世に、
もしも自分が居たとしたら‥ふとそんなことを思ってみました(笑)。

もしも、そうだったら。

そうだ、小間物屋遠野屋で働きたい、赤い襷をかけて、おくみちゃんと
一緒に奉公しよう、と思いました。

遠野屋さんって、こんなお店なんです‥。

吹き込んでくる風に涼やかに鳴る風鈴。季節に合わせた小物をずらりと
並べた棚。毛氈の上で煌めく簪、櫛、笄。丁稚の安吉と末助が店先を掃いている。
帳場では喜之助が大福帳を睨み、その後ろを信三が急ぎ足にすり抜けていく。
おくみが赤い襷をかけ、おしのに茶を運んでいた。



江戸の町娘になってみたいと思うのも、読書の楽しみ♪
今年も、いろんな本に出会って、いろんなセカイに飛びたいですねー。 

コメント (2)
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