8日の日曜日。雨の降り出しを心配をしながら、はじめて
世田谷文学館へ行きました。
ずっと楽しみにしていた
荒井良二さんの展覧会見るためです。
昨年12月の
ミニトークショーでも、この文学館での展示や
チラシについてのアイデアの話が出ていたので‥その通りに
なったのかどうかを、早く見てみたいという気持ちでした。
チラシは、後からでも活用できるように「袋」にしたい、と
おっしゃっていったのは、見事そのとおりになっていて‥
それを持っていくと小学生200円のところが、無料になります。
(文学館の受付にも置いてありました)
展示の中にキヨスクみたいな小屋を作って、そこの中に
入ってみたい‥というアイデアは、ひとり展望小屋というものに
変わっていました(ちょっと残念)。
全体の構成は、5つにわかれていて‥
①絵本の仕事(
えほんのこども・
たいようオルガン きょうというひ・
ルフラン ルフランの原画)
②創作環境(アトリエに飾られている小物や旅のスケッチなど)
③マガジンワークス(その昔の『Hanako』『Olive』のイラスト)
④新作(屏風絵とか、かなり大きな絵)
⑤キオスク(ひとり展望小屋)
私はその日、娘を含む女子3人で出かけたのですが、3人とも
②の小物群に大きく惹かれました。たぶんそこを見ていた
時間が一番長かったと思います・笑
だってかわいいものが満載だし、むかし懐かし、修学旅行の
おみやげと思われる「光る華厳の滝」とかあるんです。
自作の陶器もあったし、リンドグレーン賞の授賞式のときに
ななめがけしていた刺繍のポシェットも、飾ってありました。
これをまた、元の場所に戻すの大変だろうね~と
いらぬ心配までしたりして。
旅のスケッチブックもステキでした。
写真など撮らないで、バスの中からみたものを、たまたま
掴んだ色鉛筆のその色で、サササーとデッサンしていくのが、
一番好きと、前述のトークショーで言っていたことを
思いだしました。
バスといえば‥
またバスですか、とか また黄色ですか、とか言われるけど、
自分はそれが好きで描いているので、全然飽きてないし
マンネリだなんて思っていない。
マンネリじゃなくって、コダワリなんだよ。
その日のトークイベントの中で、そうおっしゃっていました。
好きで描いているほうは、いくらでもそれが描きたい。
見ている側がマンネリだと感じるだけ。
音楽作っている人だってそう思ってるんじゃないかな。
なんかわかるような気がします。
イベントとして「一日店長」案とかあったみたいですが‥
もうそんな、のんびりしたことはできないですね。
サインだって、グッズを買った人に、となっていたのが、
整理券を配布 に変わっていたし、午後3時からのトークイベント
には、300人くらいの人があの場所に居たらしいです。
(もちろん私たちもその中の3人です)
飛行機に乗ってやってきたファンの方がいたり、質問の中で
「子供の絵の才能を伸ばしてあげるためには、先生は
どうすればよいとお考えですか?」と、尋ねられたり‥
(すかさず、オレ先生じゃないから、と返していましたが)
知名度がグンと高くなり、絵本作家としての地位が確立すれば
すれほど、絵本作家じゃない、と言いたくなる気持ちやも
なんかわかるなあと‥生意気なようですが‥思うのでした。
(絵本作家と限定したくない気持ちは、今回の図録に書いて
ありました)
帰宅して、その夜、ひさしぶりに『たいようオルガン』とか
『ルフラン ルフラン』とかを開いてみました。
本が出たときには、もう膝の上で一緒に読むような子供は
いなかったので、本はとてもきれいなままです。
正直なところ、片手で数えられるくらいしか、読んでいないと
思います。
コレクションとしてはいいのかもしれないけど、絵本としては
ちょっとかわいそうだし、もったいないですよね。
何度読んだかわからないくらい開いて、ページの隅の、筋とは
関係ない絵をみたり、お決まりのセリフを言い合ったり‥
そんな時間の積み重ねが、絵本には、必要だし
またよく似合うのです‥‥
でも、そんなこと思っていても。
荒井さんの新作が出たら、やはり【要】チェックだし、これからも
【進める】荒井良二さんの、進んでいく先を、楽しみにしているのです。