my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

2023年9月 読書の記録

2023-10-31 17:59:11 | 好きなもの・音楽や本

友だちのインスタで見つけて、印象的なタイトルと
表紙に惹かれてー。8月の終り頃から読み始めて、
9月1日に読了。



なんとも言えない後味の悪さを感じながら、表紙を
見返えして‥あ、と気が付く。
この絵にミスリードされていたに違いない、と。

物語は「わたし」の一人称で、ジェイクのことばかりを
語って進んでいく。ジェイクの両親に会うために
彼がかつて住んでいた農場までの退屈なドライブ。
その車の中で、「わたし」は「もう終わりにしよう」と
何度も何度も頭の中で言い続ける。

両親の住む農場→不穏
帰り道で突然レモネードを買おうとジェイクが言い出し、
その紙コップを捨てるためにわざわざ近くの学校へ寄る
→不穏増幅

一人で車に残された「わたし」、一人で校内へ入って
行ったジェイク‥。本編の途中、太字で何度か記されていた
会話は、最後のシーンの悲惨さを表していたのだと、
読者(=私)は知らされ、そして不完全燃焼の苦い気持ちの
まま表紙をじっと見て、やれらた、と思ったのでした。
「わたし」=ジェイクだったんだよ、きっと。

ジェイクの孤独に同情するよりも、変な話だったという
気持ちの方が強いけれど、読後2か月くらいたった今も
なんだか気になってしかたがない小説なのは確か。
いつかこの作者の別の本も読んでみよう。





この本もインスタから「仕入れた」情報で。
ヨーロッパを代表する漫画家
マヌエレ・フィオールの恋愛漫画ついに初邦訳
とあり、作者の名前をどこかで見たような‥と思ったら
図書館で偶然見つけて借りた『クリスマスを探偵と』の
イラストを描いた方でした。


まず、タイトルが素敵です。

書名の『秒速5000km』は、オスロ(ノルウェーの首都)と
エジプトの発掘現場の物理的な距離=5000kmと、
国際電話のタイムラグ=1秒に由来して いるとのこと。

主要人物は一人の少女と二人の少年。
イタリアで出会った三人は、その後ノルウェー、エジプトと
場所を変えながら、20年の歳月を経てまたイタリアで
再会する‥。

説明の文章はなく、すべてセリフで構成されている
大人のコミックス。面白かったよ、と娘にすすんで勧めて
よいのかどうか迷う描写あり(笑)。




こちらの美しい表紙の本も9月に読み始めてはいるのですが、
どうにも進まず。やっと主人公が目的の家に辿り着いたところ
でとまっています。






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2022年9月に観た映画

2023-10-27 17:25:17 | 好きなもの・映画やDVD

9月は@WOWOWで2本。映画館で2本観ました。


予備知識もなく、原作も知らず(ポール・ギャリコ作だと
後から知りました)、軽い気持ちで観始めたのですが、
思いのほか良い映画でした。

舞台は1967年のイギリス。主人公は夫が戦地に行ったきり
消息不明の60歳ちょっと前の女性。家政婦として働いています。
仕事先の御屋敷でクリスチャン・ディオールの美しいドレスを
見たことで、所有欲がむくむくと‥。
なんとかお金を工面してパリに行ってはみたものの、オーダーで、
ドレスを作るしくみもわからず。労働者のストライキ中で
パリの街はごみだらけ。でも、持ち前の性格と、周りの助けで
なんとかドレス注文に成功。それでお話は終了、と思いきや、
そのあとの展開がとてもよかったです。

チラシの中で彼女が来ているグリーンのドレスは「最初の」
もの。それほど似合ってるとは思わないなーと思っていたら、
思わぬことから「次の」が手に入ることに!
めでたしめでたしでした。






ウェス・アンダーソン監督の映画!ということで、
家族三人で、映画館へ。

色のトーンが揃っていて、とても美しかったというのが
一番印象に残っています。

お話は、難しいのか難しくないのか、面白いのか
そうでもないのか、正直よくわからないかな(笑)。








ケイト・ブランシェット主演!ということで、
とても楽しみにして、一人で観に行きました。
(ラジオの映画紹介コーナーで知ったのでした)

5月に観た『ター』よりも、こちらの方が、アメリカでの
公開は先だったようです。オリジナルタイトルは
Where'd You Go, Bernadette 

周りと上手くやって行かれず、家を突然飛び出して
行方不明になった、というよりも、仕事を辞めて、
シアトルへ来てからの20年間の自分を、自分で探していた
という意味がタイトルに込めれているのかなーと
思いました。

あなたはいったいどこへ行こうとしていたの? と。

コメディ映画のジャンルでも、ケイト・ブランシェットは
とても魅力的で、子供のために生きよう、子供の為なら
どんなことでも我慢する、という母のせつなさもとても
上手く演じていた。車の中で一緒に歌ったり、犬を助けたり、
苦手な旅行にもOKを出したり‥。
そんな母親の気持ちを娘も感じ取り、「ママが一番の親友」
と言い切るシーンでは不覚にも、泣きそうになり、
それ以上の誉め言葉って存在するかなーと思いました。
ハッピーエンドの、ケイトの映画、全然ありでした。






@WOWOW で放映があったのをテレビ録画で
観ました。(映画館で予告観たときに気になってたので)

「ある男」って、いったい誰?

原作は平野啓一郎氏の小説だそうですが、まったく知らず。
亡くなってから自分の夫の身元がまったくの別人のものだと
わかり、ミステリーを読み解くような気持ちで、追っていると
それを追っていた弁護士自身にも、自分はいったい誰なのだ?
という疑問が自分の中に芽生え始める‥とてもせつなくて、
とてもうまく出来ていて、出演者の方々の演技がとても素晴らしい
映画でした。
冒頭と、ラストに、出てくる絵画はルネ・マグリットの作品
「複製禁止」なんとも意味深。

細かいストーリー忘れたときの自分と、ネタばれOKの方には
こんな記事



9月は、@川口リリア「リトグリコンサート」あり、
@大阪城ホール「ロックロックこんにちは」からの、
神戸旅行あり、で、とても楽しい思い出がたくさん♬




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おおきなおおきなおいも 14ひきのおつきみ

2023-10-23 17:31:22 | ひらきよみ(読み聞かせ)

10月13日金曜日は1年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
9月は3回連続であったけど、10月はこの1度きり。

課題の(届ける)絵本は『おおきなおおきなおいも』


2018年にも1年生の教室で読んでました

雨で芋ほり遠足が延期になり、その間にお芋はどんどん
大きくなるのよ、と教えられた園児たちが、先生に紙と絵具を
もらって、大きな大きなお芋の絵を描いていく場面が
この日の教室では、一番盛り上がってました。
紙をどんどん継ぎ足して、まだ まだ まだまだ と描いて‥
ものすごーく大きいお芋が完成。

そのお芋を運ぶ手段を考えたり、どうやって遊びに使うか
思い描いたり、遊びに飽きたら、最後はどんどん料理して、
どんどん食べて‥。すごく楽しそうでした。


もう1冊はー。


おいもの絵本は面白いけど、小さくて、色のついてない
ページもあるので、絵が美しく季節的にもぴったりな
『14ひきのおつきみ』を選びました。

終わりの方で、お月様がのぼってくる場面に、1年生も
ちょっと感動(?)しているように見えました。





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2023年8月 読書の記録

2023-10-11 17:15:24 | 好きなもの・音楽や本

もう10月も半ば近くになりというのに、8月の記録も
アップできないまま‥となんかひとりで焦っています。

この本は、友だちがインスタで感想を書いていたのを
読んで、そんな本があるんだーと、図書館で探しました。



話は、大学時代に主人公の二人が作った映画が賞をもらった
ことがきっかけで、一人は名のある映画監督の元で働くすべを
得て、もう一人は自分の撮りたいものを漠然と探っているうちに、
YOUTUBEと配信動画のセカイへなんとなく入ることになり、
それぞれの仕事と生活を描くことで、対照的な二つのセカイを
読者も自然に知ることができるようになっていて。
(たとえば映画館上映にこだわる監督の気持ちとか、たとえば
YOUTUBEで生活している人のしくみとか‥)
知らないことがたくさんあったので、感心しながら面白く
読みました。

映画に限らず、音楽も、たぶん文学(というか文章書くこと)も、
同じような葛藤とジレンマを抱えているのだろうなーと思い、
こだわりだけではやっていけないし、今に乗ることばかりでも
「今」は先へ先へと進んでいくから辛くなるし。
結局送り手側は受け手のことを思いながら、心をこめて
ひとつひとつ作っていく、という当たり前で、でも一番難しい
ことを真摯にやってゆくしかないのでしょうね。。。


タイトルの「スター」。
いつになったら「スター」が出てくるのだろうと思いながら
読んでいて‥。
でも、主人公二人の大学の後輩が、中盤過ぎたあたりで、
二人は大学時代、賞をとったことでスターだったじゃないですか、
みたいなことを言うところがあったので、そうか、そういう意味での
「スター」なの?と一時は納得しかけたのですが。
最近、何かで、この「スター」というタイトルはレビューとかで
簡単に評価される ☆☆☆☆☆ のこと、と書いてる人が居て‥
あー!そうか、きっとその意味もかぶせてあるよねー、となったのでした。
(☆の数にもう惑わされるべきではない、という会話が、ラスト近くに
あったなあと思い出しました)



久しぶりの伊坂本。
友だちが「難しくてよくわかんない」と言っていたので、
では私はどうかなーと思って読み始めました。



活劇風のイラストが、挿絵というよりも、もっと
重要な役目を持っている、面白い趣向の小説。

コロナ禍以前に書かれていたのに、まるで予言のように、
鳥インフルエンザが蔓延後のパンデミックを描いていること
にまず驚き、「クジラアタマの王様」とは一体誰のこと?
いつになったら現われるのかなーと、考えながら
読み進めました。

現実と夢。リアルと非リアル。
夢の中での戦いが現実世界とリンクしていたら‥?
まったくありえない設定なのに、全然、変とか不思議
とか思わなくなってきたのは、伊坂ワールドにそれだけ
馴染んできたから??と思ったりして‥とても面白かったです。

ハシビロコウ。

そうか、そうだよね、ハシビロコウから始まった物語
ですものね。




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パンのかけらとちさなあくま どうやってみをまもるのかな

2023-10-03 16:49:31 | ひらきよみ(読み聞かせ)

9月30日金曜日も「読み聞かせ」の当番でした。
3週続けていくことはめったにないのですが‥
9月はなかなか頑張りました。

3年生の教室で2冊読んできました。
最初はこちら。



2018年にも同じく3年生で読んでました

いたずらココロで、きこりのパンを盗んだ小さな悪魔の子を
きちんと叱る悪魔ファミリーが、素晴らしいし、イメージと
違っていて、「面白ポイント」の、お話です。
この日の3年生も、そこに気が付き感心していたようでした。
こういう物語の絵本は、いつ読んでもほんとうに楽しいです。


2冊目はこちら。



幼児絵本シリーズとして2歳~4歳向き、となってますが
薮内さんの絵がとても繊細で精巧なので、小学生でも
十分に対応できると感じました。

すずめではなくて、コチドリのひな のように、
それほど身近でなない動物が描かれているのも面白かった
です。

マダラスカンクはどうやって身を守るか知ってますか。

さかだちして
おしりからくさいしるを
あびせます

臭い匂いを出すのではなくって、「汁を浴びせる」って💦
すごいですよねー教室の3年生もどよめいていました。




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