my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

くわずにょうぼう ほね

2023-05-26 16:55:03 | ひらきよみ(読み聞かせ)

本日は4年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。

最初に読んだのはこちら


前にも読んだことがあるような気がしていましたが、
ペアで入った方が読んでくれたのを聴いていただけのようで
自分で読むのは初めてだったみたいです。

5月にこの絵本が選ばれた理由の一つは、「しょうぶ」が
お話のキーになっているからでしょう。

おかしなことには しょうぶが はえたところにくると、
「だめだ、かたなが はえてて おっかねえ」
と、まわりみちしていく。

しょうぶの葉っぱは細く先が尖っているので、それが日本刀の
ように見えるのですね。
運ばれる途中に、おにばばの苦手に気づいたよくばりのおとこは、
しょうぶの茂った中に隠れることで一命を取り留めます‥。

このお話知ってる?と4年生に問いかけたところ、三分の一
くらいは頷いていて、それがちょっと意外に感じました。
それにしても、赤羽末吉さんの絵は本当に素晴らしいです。



もう1冊はこの絵本
 絵も文も堀内誠一さん

こちらは知っている、読んだことがある、という子は
ひとりもいませんでした。1974年10月1日発行の「かがくのとも」
で、1981年に単行本として出版された絵本ですが、私自身も
家で、娘に読んだこと、ありませんでした。

マーカー(と思われる)で描かれた絵はわかりやすく、
骨の役割や、骨が組み合わさって「骨格」が作られ、脊椎動物は
全体の形は違っていても、骨格は似ていることを、こうもりを
例に挙げて説明してくれています。大人が読んでもふむふむ
そうか‥となりますね~。
もっと続きがあればいいのに、と思いながら読みました。

こういう絵本をきっかけに、のちのち興味がわいてくれたら
いいなあと思いました。




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2023年4月 読書の記録

2023-05-25 17:45:32 | 好きなもの・音楽や本

図書館で見つけて、3月に読んだ『約束された移動』
『砂漠』とともに借りてきていた、伊藤比呂美作
『たそがれてゆく子さん』
婦人公論に連載していたらしい。

伊藤本は未読のものが見つかるたびに読んできたので、
作者の人生を、よく知っているような気になっていて‥
どんな人と結婚して、ポーランドに住んでいた
こともあって、いつの間にか離婚していて、今度は
年の離れたアメリカ人と結婚して(入籍はなし)、
その人の子どもも産んで、熊本には年老いた両親が居て、
介護でたびたび日本に帰ってきてたけど、その両親も
亡くなって‥そしてこのたび(この本で)、アメリカ人の
夫も年老いて、ついに死んでしまったことを、彼女の
文章によって知ることになった。

読み進めていくうちに、そうそうこうだった、こういうふうに
この人はすべてを語り尽くしていくのだった‥と思っていたら、
次女のサラ子のことだけは、どうしても書くことができなかった
と知り、ものすごく驚いた。
伊藤さんは文中でこんなふうに振り返っている。

いつだってサラ子は、人前に立つと表情がなくなった。
棒みたいに突っ立っているばかりだった。それを引き取りに、
何度も何度も、小学校や中学校や(高校のときはマシだった)
大学に行ったもんだ。ああ、苦労した。苦労した。
貝がむき身で太平洋の荒波をわたるような、ジェットコースター
でシートベルトなしに振り回されるような、そんな苦労だった。
(中略)
サラ子については、あたしはそれを書けなかった。それほど
悩み抜いていた。あたしがそうなんだから、本人はどれだけ
苦しんだろう。
わかっている。こんなところに連れてきて振り回した親のせいだ。

このあとは、三女トメの結婚式で、立派に人前で挨拶をした
サラ子と、それを見て泣いた伊藤さんの描写が続き、読みながら
私も一緒に泣きました。

渡米を決断した理由のひとつに、コヨーテを見てみたかった
とあり‥。
大きな犬と共に、果てしなく広いカリフォルニアの大地を
毎日歩いている伊藤さんを思い浮かべることができ(そこでは
遠吠えのコヨーテの声も聞こえて‥)この本に出会えて、
よかったと思うのでした。








あのこは貴族
映画化作品を@WOWOWで観て、原作は読んでなかったのですが、
娘のiBOOKとシェアできることがわかり、電車の中で、と自分に
限定して読んでみました。
映画は原作に基づいてとても丁寧に作られていたし、キャストも
本の雰囲気にぴったりだったとわかりました。

都内に実家があり、閉じられた環境で守られながら育ってきた人が
「貴族」だとして‥地方からの「上京組」は何をしても太刀打ち
できないという構図とともに、女性の敵は女性であり、敵対する
ように仕向けられているので、賢い女はそれに乗せられては
ならない‥がさらりと語られていてよかったです。







4月には楽しみにしていた春樹氏の新刊が届きました。
街とその不確かな壁

ここ数年はラジオ番組を続けているし、その流れで企画した
ライヴコンサートの進行役で顔出しもしているし、
もしかしてもう小説は書いていないのでは???とひとり
思ってました。が、こうしてきちんと仕事をしていたのですね。

春樹作品を読んできた人なら、「街」と「壁」と聞けば

 
『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の
「世界の終り」で語られてきた街を思い浮かべるはずで、さらには、
その元になったかつて文藝誌に掲載された『街と、その不確かな壁』
を思い出していたはず。(もちろん私もそうです)

何が同じで、何が違うのか‥謎を解くような、間違い探しの絵を
見比べるような気持ちもどこかにありつつ、読み進めました。
(今までは新刊が出ると、早くその物語が知りたくて、先へ先へ
と急いだものでしたが、今回は3週間くらいかかりました)

読後最初の感想は、とても長い話だった、です。
主人公は高校生だったのに、いつのまにか中年と呼ばれる年齢に
なっていたので、その人の半生を駆け足で見たような気持ちに
なったかと思えば、「壁」の内側の「街」に居たときは、日々同じ
ことが繰り返されるばかりで、人も季節もどこへ向かって進んで
いるのかわからず‥。私は自分自身の時間をも、いつの間にか
含めて読んでいたので(20歳の頃から春樹作品を読んできた
その思い出)、その結果「長い話」と感じたわけです、きっと。

街、壁、影、深い穴(時には枯れた井戸)10代で出会った女の子、
図書館や図書館で働く人‥。
春樹作品におなじみのモチーフが続々と現れ、それは何かの
メタファというより、作者のココロの奥底にいつでも「ある」
もので、作者は、『街とその~』の何人かの登場人物のように、
「そこ」と「ここ」を無意識のうちに行ったりきたりしているの
ではないかと思ったりします。
そして、↓に記したような美しい文章も、そんな無意識下から
うまれてくるのではないかな。

 そこに一人で立っていると、私はいつも悲しい気持ちになった。
それはずいぶん昔に味わった覚えのある、深い悲しみだった。
私はその悲しみのことをとてもよく覚えていた。それは言葉では
説明しようのない、また時とともに消え去ることもない種類の
深い悲しみだ。目に見えない傷を、目に見えない場所にそっと
残していく悲しみだ。目に見えないものを、いったいどのように
扱えばいいのだろう?
 私は顔を上げ、川の流れの音が聞こえないものかと、もう一度
注意深く耳を澄ませた。しかしどんな音も聞こえなかった。風
さえ吹いていない。雲は空のひとつの場所にじっといつまでも
留まっていた。私は静かに目を閉じ、そして温かい涙が溢れ、
流れるのを待った。しかしその目に見えない悲しみは私に、
涙さえ与えてはくれなかった。




また近いうちに二度目を読み始めると思います。

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あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま くうき

2023-05-22 17:44:52 | ひらきよみ(読み聞かせ)

今年度の小学校での活動(絵本の読み聞かせ)が19日より
始まりました。
子どもたちは床に座って、読み手は椅子で‥コロナ禍以前の
形態にやっと戻ることができました。(マスクは任意)

5年生へ「届ける絵本」は『あかてぬぐいのおくさんと7人の
なかま


5年生から、家庭科が始まりお裁縫箱を使い始めるので、
この絵本が好まれるというか、選ばれることが多いようです。
私も2017年5月に5年生の教室で読んでいました。

韓国の、むかしの御針仕事の様子がとても趣があり、
おくさんとそのなかまたちの衣装もとても素敵です。




もう1冊は、この季節にぴったりな、というか、5月に読む
ことができてとてもうれしい『くうき

2019年に6年生3年生 のクラスで読んでいました。

詩人のまどみちおさん知ってる?と、読む前に5年生に
問いかけたところ、ほとんどの子が大きく頷いていて‥
まどさんの知名度を再確認。
(私自身は小学生の頃、きっとまどさんのお名前とか
知らなかったのでは‥?と思いました)


余談ですが。担任の先生が居ないのに、机を後ろに下げて
準備万端だったので、「えらいね~みんなだけでやったの?」と
廊下近くに居た子に聞いたところ、「先生はいつも保育園に
自分の子どもを送ってから来るからちょっと遅れるの」とのこと。
ふふふ。そうなんだー。
なんかそういうのっていいな、そういうのもこれからは
アリだよね、と思いました。

 

 

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2023年4月~2024年3月

2023-05-21 17:45:43 | 読み聞かせ記録

5月19日   5年

あかてぬぐいのおくさんと7にんのなかま
くうき



5月26日   4年

くわずにょうぼう
ほね



6月9日   1年

ちいさなヒッポ
およぐ




6月30日   6年

おおきくなりすぎたくま





7月14日   3年

はちうえはぼくにまかせて
わたし






9月15日   2年

しょうぼうじどうしゃじぷた
やさいのおなか





9月22日   6年

なんでも見える鏡
ぞうからかうぞ





9月30日   3年

パンのかけらとちいさなあくま
どうやってみをまもるのかな





10月13日   1年

おおきなおおきなおいも
14ひきのおつきみ




11月17日   5年

ゼラルダと人喰い鬼
アフリカの音





12月8日    3年

かちかちやま
なにのあしあとかな




12月15日   6年

うまかたやまんば
光の旅かげの旅




2月9日    4年

ゆきむすめ
おかしなゆきふしぎなこおり



2月16日    2年

おなかのかわ
にているね⁉



3月8日   5年

ロバのシルベスターとまほうのこいし





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2023年4月に観た映画

2023-05-18 16:17:36 | 好きなもの・映画やDVD

4月はWOWOWで3本、映画館で1本観ました。

 昨年の5月末から劇場公開だったので
1年待たずに@WOWOW で観られるのはだいぶ早いですねー。
とっても面白かったという人と、どこがおもしろいのか
わからないよーという人に二分されるのが、ハリウッドトツプ
スター主演映画の常なのかなーと思いますが。。

わたしは‥どちらかと言えば前者かな。
特にトム・クルーズのファンではないけど、彼が、自分のための
映画で、えーそんなことできるはずないよー!とか、そんな
都合よくそんなことが起こる??!!という映画を観るのは
けっこう好きなので(笑)。

アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」
シナリオにあったみたいな任務がセカイのどこかで、今も
行われているのでしょうね。。。それを思うとなんだか
凄いです。






一度予告を劇場で観てなんとなく
気になっていたら‥@WOWOW で放送があったので。

「マエストロ!」のさそうあきら氏による同名音楽マンガの実写映画化。
井之脇海と山崎育三郎が異母兄弟役で、他に松本穂香も出ています。
京都にある芸術大学が舞台になっていて、河原で奏でる音楽やその
景色がとても美しかったです。タイトルの「ミュジコフィリア」とは
「音楽に情熱を注ぐ者たち」を意味してるそう。








劇場公開は2018年4月末~もう5年も前
なのですねー。@WOWOW

ティモシー・シャラメの名前と評判をこの映画で知りましたが、
見逃していて‥その間に、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』とか
フレンチディスパッチ』に出ているシャラメを先に観てしまったので
なんか、素直な気持ちで、瑞々しい彼の演技と美しさを楽しめなかった
ような気もしつつ。

舞台は1983年のイタリア郊外。原作の設定は1987年だが、「エイズ
以前」を描きたかったので、映画では83年にしたとのこと。

自身の過去の苦い思い出を息子に語り、その痛みも苦しみも
喜びと共にすべて受け入れて、決して忘れるなと語る父親の場面は
とてもよかったです。
美しい風景の合間に描かれる、ハエ 桃 鼻血 嘔吐等が、物語に
奥行を与えていたと思いました。







公開された週に、ひとりで
MOVIX川口 に観に行きました。

ここ数年は劇場版を欠かさず観ていて、昨年の予告で
今年のキーは哀ちゃんと黒の組織だと知っていたのですが‥
それに加え、主題歌をスピッツが担当するということで、
楽しみは100倍膨れ上がり(笑)、そして私の期待を軽く
越えたストーリーであり、主題歌でした。
(曲の方は映画公開週の月曜日から解禁になったので
夜中に目が覚めたときにひとり暗闇で聴いてみたのですが、
予告で聴いていたサビの部分からは想像できない始まり方で、
スピッツ恐るべし‥と思っていたのです)

前にもどこかで書いたかもしれませんが、コナンのアニメが
テレビで放送され始めたほぼ最初から、なんとなく観ていて。
(もともと探偵ものとか好きなんです)
ずっと好きなもののと、同じくずっとずっと大好きなスピッツ
のコラボが実現する日が来るなんて!とひとり感激し続けてます(笑)



4月は初めて「東京ガーデンシアター」で、ボブ・ディランの演奏を
聴きました。会場が大きかろうが、聴いてる人がどこの国の人たち
だろうが、俺らは俺らの演奏をただするだけ。と言われているような
コンサートでした。(まるでジャズのライブハウスのようなセットで)
ギターのかわりに、ずっとグランドピアノの前に居て、彼の周りを
かこんでいるギターやドラムやホーンに紛れることなく、終始ピアノと
歌声が響き渡っておりました。





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