my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

今日の花

2007-01-31 15:30:44 | 日々のこと
 今年は、その日の花と花言葉が記された「誕生日の花カレンダー」というのを使っています。

 
 本日1月31日(水)のお花はギョリュウバイ フトモモ科、花言葉は蜜月です。

 フトモモ科って、なんでしょう???


 年のはじめから、娘が「えっ?フトモモ科って、ふともも=太腿のこと?」ってうるさいんです。
 なにせ、彼女は赤ちゃんの頃からたいそう立派な太腿の持ち主でして、うちでは、太腿のことを「モモモモ」と呼んでは、「素晴らしいね~ rちゃんのモモモモ!」と言い続けてきました。なので、とてもひとごととは、思えなかったのでは?と推察しています。

 

 1月も最後の日になって、やっと ギョリュウバイ フトモモ科について調べてみました。

 ギョリュウバイは、名前の感じからして、バイは梅のことで、中国の木だったりして、なんて思っていましたが、英名は、broom tea tree で、なんとニュージーランドの国花でした。

 フトモモ科について、wikipediaを見ていたら、その名もずばり、フトモモという植物があることがわかりました。東南アジア原産の果樹で、漢字では蒲桃と記すようです。中国語のプータオからきているとのこと。英語名はrose apple。夏に黄色く熟し、味は薄いけれど、バラのような芳香があって食べられるのだそうです。写真が載っていないのが残念でした。


 1月31日生まれのみなさま、お誕生日おめでとうございます。






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まゆとおに―やまんばのむすめまゆのおはなし

2007-01-30 17:45:43 | ひらきよみ(読み聞かせ)
 もう2週間くらい前ですが、今年初めての『開き読み』がありました。

 この季節に読みたいのは、やはり雪のお話ですが、それと並んで、なんとなく「鬼もの」も気になります。

 3年生のクラスだったので、 『だいくとおにろく』いいかもと思っていましたが、図書館へ行く時間がなくって‥。でも、家の本棚から↓の絵本を見つけました。

 うちにも、いい「鬼もの」があったのでした。


   まゆとおに(福音館書店)
  
    『まゆとおに』
  富安陽子 文 降矢なな 絵


 表紙に描かれたかわいい女の子が、主人公のまゆです。
 まゆは、きたの おやまの てっぺんの さんぼんすぎのしたにのっぽの やまんばかあさんと住んでいます。

 あるひ まゆは、ぞうきばやしのおくで、
 とんでもなく おおきな ひとに あいました。

 
まゆは、おおきなひとが、鬼だとは知らなかったので、「あなたの あたまの てっぺんに ついているのは、たんこぶなの?」と聞いたりします。これくらいの年の子どもは、好奇心の固まりですよね~。

 おなかがすいていた鬼は、まゆがやまんばの娘とも知らず、「じょうちゃん、ちっと うちへ あそびに こないかね?」とまゆを誘います。大鍋で煮て、食ってやろうと企んでいたのです。

    ‥‥‥

 無心にお手伝いをするまゆと、下心ありありの鬼とのやりとりがおもしろく、めでたしめでたしのエンディングも昔話のようでほっとします。


 
 『まゆとおに』は、1999年4月号「こどものとも」からのハードカバー化ですが、それより前に同コンビの作品で『やまんば山のモッコたち』があったようです。説明を読むと、富安陽子さんのデビュー作と書いてありました。機会を見つけて読んでみようと思っています。

 まゆのおはなしは、その後「こどものとも」2004年3月号の『まゆとりゅう』があり、第3作の『まゆとうりんこ』を、今年の2月号の「こどものとも」で発見しました。

 3つのお話を並べてみると、小さなまゆと、おおきなもの‥鬼だったり、龍だったり、猪のお母さんだったり‥との対比がおもしろく、どれも、降矢ななさんの、大胆な構図のスピード感あふれる絵が、お話のおもしろさを倍増させているなあと思いました。

 降矢ななさんと言えば‥私が初めてその絵の魅力を知ったのは、1998年9月号「年少版こどものとも」の『ねえ どっちがすき?』です。(2003年にハードカバー版も出たのですね)
 男の子ときつねが、好きなものを選びあっていくお話ですが‥降矢さんの絵には、なぜきつねなのでしょう? 『まゆとおに』にも、場面の端々に、まゆを心配するかのようにきつねが顔を覗かせています。




 『まゆとおに』について、書きたかったことは以上のようなことで、ここで終わりにしてもよかったのですが‥。この本についての、忘れられない思い出というか、想いがあって、それもこの本を選んだことの「一部」になっていると思うので記しておくことにしました。

 昨年のことだか、2年前のことだか、そのへんのことはわかりませんが、小学校低学年の女の子が続けて誘拐された後、無残な姿で発見されたという事件がありました。一人の子は、たしか犯人が外国人で、もう一人の子は、犯人が写真付きのメールを母親宛てに送りつけたという大変卑劣なものでした。
 私は、何も知らない無垢なまゆが、その女の子たちに重なり、言葉巧みに誘った鬼が、どうしても犯人と重なって見えて、しかたがなかったのでした。物語の世界と現実の世界が違うことはもちろんよーくわかっているし、物語の展開は、思わず笑みがこぼれる素敵なものなのに、それでもひっかかった刺はなかなか取れず、一時、この絵本を棚から取り出すことができませんでした。
 昨年の開き読みのパートナーのAさんが、この絵本を読もうと思うと持ってきた時も、自分の声がいつもより低くなっているのを感じました。でも、実際にAさんが、教室の子どもたちに向かって本を読み、くすくす笑う子どもたちを見た時に、自分の心が固くなり過ぎていただけなのを知りました。余計なことを考えず、Aさんの声に耳を傾け、絵を追っていると、ほんとうにおもしろい話なのです。
 
 それから、時間がたち‥。今回本棚から、すっとこの絵本を手に取ることができました。よかったと思っています。






 
 
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新作ラインナップ

2007-01-29 15:50:25 | 好きなもの・音楽や本

 福音館書店のHPを見ていたら、4月からの月刊絵本の予定が出ていました。

 
 娘の成長とともに、大変お世話になった月刊誌ですが、昨年9月号の「おおきなポケット」を最後に、うちでの定期購読はお休みというか‥もうおわりかなと思っています。

 しかし、シリーズものの続きや、好きな作家さんの新作があるので、やはり「こどものとも」からは目が離せません。
 特に、私が期待しているのは、カズコ・G・ストーンさんの「やなぎむらシリーズ」なのですが‥残念ながら2007年4月から2008年3月の間には、新作はないようでした。

 でも、でも 「こどものとも0、1、2」8月号では、ささめやゆきさんが、絵を描くみたいだし。

 「こどものとも年少版」にはいくつもの気になるタイトルが並んでいました。
 4月号『くまさん おでかけ』 なかがわりえこ 文 
                  なかがわそうや 絵

 5月号『パンツのはきかた』 岸田今日子 文
                  佐野 洋子 絵

 8月号『うみはひろいな おおきいな』 湯村輝彦 絵

 3月号『ちいさなくろい いし』 マレーク・ベロニカ 作
                   石津 ちひろ 訳

 「こどものとも」4月号は、きつねのきっこの新作ですね。
 『おべんともって おはなみに』 こいでやすこ 作


 「ちいさなかがくのとも」 「かがくのとも」でも、沢田としきさんが絵を描いている作品や、ばばばあちゃんの新作も予定に入っていました。


 
 新しい年度の始まり、楽しみです。
 こどものともを支えているのは、子どもがとっくに「卒業」した後の、絵本好きのおかあさん方だったりして、なんて思ってしまいます。


※新しくでる月刊誌の題名はすべて仮題で予定は変更になることがあるそうです。




 

 

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重なって繋がって‥

2007-01-24 15:10:53 | 好きな絵本

 図書館の新着図書のコーナーで見つけ、背表紙に惹かれて手にとりました。

 あけるな と言われても、「谷川俊太郎 作 安野光雅 絵」 だったら、
絶対に開いてみたくなりますよね。


  あけるな
        『あけるな』
     谷川俊太郎 文 安野光雅 絵


 本のページをあけてみたら‥こんなやりとり。
 
 
 あけるなったら
 
 へんな とびらだなあ
 これが あけずに いられるかい

 あけるとたいへん

 とびらってのはね
 あけるために あるんだよ

 あけてはいけない

 おどかしたって だめさ
 さあ あけるぞ!

 あけるなと
 いっているのに 



 

 
 だめと言われれば言われるほど、いけないことだと知れば知るほど、その先に
進んでいきたくなりませんか。


 我慢しようと思ったことを、我慢できるほうだとは思うのです。すこしくらい痛くたって
泣かないし、出産の時も、「冷静な人はスムーズに進みますね」なんて言われたし。
 でも、そういうことと「堪える」というのとは、また別なのかなと思います。

 そこに扉があって、扉の向こうに何があるか知りたいとちらっとでも思ったら、私はきっと
扉を開けてしまいます。それがいけないことだとわかっていても、たぶん、きっと、開けてしまう。
 扉の前で、深く考える賢さや、踏みとどまる勇気に欠けているのかもしれません。
それとも、好奇心が断然勝る、ということにしておきましょうか。
  
 

 ところで。

 暮れからお正月にかけて『ナル二ア国ものがたり』を読んでいました。最終巻の
「さいごの戦い」では、扉がキーワードになっているのです。現実の世界からアスランの
居るナル二アへと通じている扉。終焉を迎えるナル二アから、新たな世界へと繋がっている扉‥。
 大地に忽然と現われた扉を抜けて、彼らはどこへ行こうとしているのかー。
その「扉」のイメージが頭の片隅に残っていました。

 それとはまったく別で。

 窓辺に置かれたお人形が、別のお人形に恋をする、短いお話を読み終えたばかりでした。

 そんな時に、図書館で見つけた本がこの『あけるな』だったので、読み進めていった私は
びっくり。気になっていた言葉が二つとも、そこに重要なモチーフとして描かれてあったのですから。
そういえば、夜中に少しづつ読んでいた本の題名も『十一月の扉』‥でした!

 これも、シンクロニシティ&セレンディビティでしょうか?

 シンクロニシティは、意味ある偶然のことで、私たちに何かを伝えるために、導くために、
偶然を装い、必然的に訪れるというもので、そして偶然から何かを発見する力のことを
セレンディビティというのだそうです。 ※のコメント欄を通して、珊瑚さんが教えてくださいました。
 

 いろんなことがどこかで重なったり、繋がったり。
 ひとつのイメージが別のイメージへと導かれ、本を通しての楽しみは尽きることがありません。


 
 『あけるな』は1976年に銀河社より発行された「あけるな」を底本に、昨年の11月
ブッキングより復刊されたそうです。
 70年代にはあった絵本なのですね~。当時読んだことも見たこともなかったけれど、
どうりで懐かしい匂いがしてきたわけです。





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ボクシングな日?

2007-01-22 16:00:49 | 日々のこと

 ただの偶然といってしまえばそれまでですが‥偶然にしてはあまりに絶妙なタイミングで物事が起こったり、何かを見つけたり、何かと何かが繋がっていたりすることって、ありますよね。

 
 
 1月は、気持ちだけでなく、いろんなところの「ひきしめ強化月間」なので(笑)、昨日、スポーツクラブで初めてボディコンバットというのに挑戦してみました。
 
 いつもの「踏み台エアロビクス(30分)」+マシントレーニング(15分)+「やさしいエアロビクス(45分)」を、「踏み台~」+「ボディパンプ(45分)」+「ボディコンバット(30分)」に変えてみたのです。
 ボディパンプは、音楽に合わせてバーベルを使うエクササイズで‥しばらくご無沙汰しているうちに、30分の初心者クラスから、45分の初級クラスに変わっていました。(キツカッタ)
 ボディコンバットの動きは、エアロビクス+格闘技(空手やキックボクシングなど)‥というのはなんとなく知っていたのですが、いつもは時間のことや、できるかなあという心配もありで、横目でスタジオを見ながら帰っていました。でも、何しろ今月は「強化月間」だし、時間の制約も昨日はなかったので、見よう見まねでとにかくやってみることにしたのです。
 全体的は構えはボクシングで、曲と曲の間の息を整えるところで、空手の型のような?太極拳のような動作が入ります。

 鏡に映った自分‥かなりへなちょこでした。でも、へなちょこながらも、前に進みながらパンチ・パンチ・パンチ+膝蹴り、なんてのを繰り返していると、ちょっとだけ気持ちが「戦闘モード」に入ってくるのがわかります。そんなアッパーじゃ効かないよ~もっと強く、もっと強く~ほら、今のは効いたあ。なんていうインストラクターの声にも煽られたりして。

 
 そして、午後。
 珍しく夫と二人だったので、テレビ録画で、残っている映画を見ようということになって‥。 『ミリオンダラーベイビー』を見たのです。クリント・イーストウッドがボクシングの名トレーナーで、無名の女性ボクサー(ヒラリー・スワンク)をチャンピオンが狙えるまでに育て上げる話です。

 
 初めてボディコンバットをやった日に、ボクシング映画。
 どっちも娘rが不在だったゆえに、実現したメニューという共通要素はあったものの、その「偶然」具合がなんかおもしろくって。
 自分がほんの一瞬でも「戦闘モード」に入ったことや、その時の気持ちの昂ぶりを、主人公のマギーに反映させたりなんかして‥。映画を観終わったときに家族が居なければ、鏡の前でフックやアッパーの練習してたかもしれません。(それはないかなあ‥)

 
 ボクシングはスポーツというより、生き方そのものですね。

 映画も、ただのボクシング映画ではなく、生きることの意味を問う内容でした。たったひとりで、殴りあうために、リングの真ん中へ進んでいくのですから、後ろに信頼できる人の声やまなざしがないとやっていられません。

 

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はやかわさん

2007-01-19 16:10:13 | 好きな絵本

 先週、定形外の郵便が2通着きました。

 ひとつは、夫と私の連名で、もうひとつは娘の名前で。誰からだろうと、裏返して
見るまでもなく、表に「のぞきみ人形在中」の文字が‥。
 昨年の11月14日にマルプギャラリーで、絵本作家の早川純子さんに教えてもらいながら
作った指人形が、返ってきたのです。

 開けてみた封筒の中味に感動を覚えつつも‥その時買って帰った早川さんの絵本の
こと、まだここに書いていないのを、再度思い出しました。指人形を作った時の記事(※)
読み返してみたら、サインが入った絵本を選んだとありましたが、題名さえも記して
いなかった!(すぐにでも紹介するつもりでいたのです‥)

 ギャラリーに置いてあった、早川さんの絵本と挿絵を描いた本の中から、私が選んだのは
こちらです。
 すごく色がきれいで‥そして、タイトルがとっても魅力的。

  まよなかさん
       『まよなかさん』
        早川純子 作


  まよなかさんは 夜中のコーヒー屋さんです。
  夕方になると、お店をあける よういを はじめます。


 
表紙の真ん中で、オールを持っているのがまよなかさんで、まよなかさんは、
「まよなかや」というコーヒーのお店をやっています。
 夜中が開店なので、仕込みは夕方からですね。1ページ目を開くと、それはそれは
きれいな夕焼け雲の下を、トンガリさん(新鮮な牛乳を運んできてくれる牛さんです)が、}まよなかやを目指して歩いてくるシーンが描かれています。お店の屋根というか、
屋上?には、カップにたっぷりのコーヒーが‥。丸い看板の文字の下には、コーヒーカップ
から顔を出しているうさぎさん‥?

 まよなかさんは、うさぎなのかな、それともシカだったりして。
 そこのところが、読み返すたびにいつもひっかかる楽しいところです。耳が長いので、
おそらくうさぎなのでしょうが、体の色と模様、そしてきびきびとした動作が、なんとなくシカのイメージ?

 
 まよなかさんまんまる島で行われるかんそく会〈満月コーヒー〉を持っていくのです。
ポットにたっぷり煎れ立てのコーヒーをつめて、そのポットを出前用の(?)乗り物に乗せて。

 表紙の絵では、その乗り物、「船」の役目を果たしていますが、地上では、真ん中から
まよなかさんの足が出て、まよなかさんは、おなかのまわりにその乗り物を「巻きつけた」
ような格好で、ひたすら走っていくのです。オールは一体どこに内蔵されていたんだ???
という疑問は残りますが‥。この「乗り物」、コーヒーをカップに注ぐときにはテーブルにもなる
という優れもので、しかもとってもかわいいです。




 冒頭に書いた「のぞきみ人形在中」の封筒には、人形本体のほかに、手紙と写真と
ポストカードが入っていました。それが下の写真です。
  

  

 それと、娘の分を別の封筒にしてくれた理由は「自分の名前で届くと嬉しいのでは?」
という配慮と、指人形を作った時に使った原毛(の残り)を入れてくれたからなのです。
手紙もちゃんと添えられていて、またなんか作ってみてね、というようなことが
書かれていました。嬉しいですね~こういうの。娘も喜んでました。

 
 お知らせがあと2つ。

 ★早川さんの版画(↑のポストカードもそうですが)、すごくいいのです。版画で、
毎年作っているカレンダー、HPで見ることができますし、トムズボックスでも販売もされて
いるそうです。

 ★★もうすぐ新刊が出るそうです。ほるぷ出版の[おうち絵本シリーズ」の第3弾。
楽しみですね。

 

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ナル二ア読み終わる その2

2007-01-17 15:00:00 | 好きな本
 昨日の続き、ナル二ア国ものがたり全7巻を読み終えた話の後半です。

 が、その前に‥。邦訳では「ナル二ア国ものがたり」ですが、原題は、The Chronicles of Narnia ナル二ア国年代記ですね。年代記という日本語があまり馴染みなく、それよりは物語としたほうが親しみやすかったからかと思いますが。私は、原題が「ザ クロニクルズ オブ ナル二ア」だと知って初めて、すごく読んでみたい気持ちになったのです。繰り返し各巻の冒頭で述べられているように、物語は、順を追って進んでいるわけではなく、ある時代、時代を切り出して、お話としてまとめあげ、そうして全部(全7巻)を読んでみて始めて、ああそういうことだったのか、とわかるようになっています。そう説明されているのだから、「物語」でも「年代記」でもいいのかもしれませんが、それでも、なんか自分の気持ちがまるで違ってきたから不思議でした。私はナル二ア年代記の、今ここを読んでいるんだ、という意識のしかたで、おもしろさが倍増したと感じています。

 
 さて、本題に戻って。
 5,6,7巻は、 『ライオンと魔女』のDVDをお正月に観たことで加速がつき、どんどん読んでしまいました。

 
 第5巻『馬と少年』は、シリーズの中の1冊ではなく、読みきりのお話として楽しめたし 『ライオンと魔女』しか読んでいなかったとしても、時代が重なっている(ピーターたち兄弟姉妹が王様と女王様の時代)ので、おもしろいのではないでしょうか‥?
 飼っていた馬が、ある日突然、「そうなんです、私はもの言う馬なんです。ナル二アには私のように、もの言う動物が他にもたくさんいますよ」なんて言ったら、ほんとはすごーく驚くだろうけど、絶対にそんなことはない、と思えなくなってくるのが、この作品のすごいところです。

 

 第6巻『魔術師のおい』。
 この作品は、ふむふむなるほどね~でした。そういうふうにして、ナル二アは創られたのね、です。
 世界と世界の間の林 という言葉が素敵です。私たちのこの世界から、ナル二ア国が存在する別の世界は、隣りあって在るのだとばかり思っていたのですが、どうやらそれは違っていて、部屋から部屋を繋いでいる廊下のような役目をする場所が、ひとつの世界と別の世界の間にあるそうなんです。

 世界と世界の間の林

 この言葉をもしも子ども時代に知っていたら、どうだっただろうなあと思ってしまいました。 『ルフランルフラン2』の、本のあいだの国 ということばにあんなにビビッと来なかったかも、免疫ができていただろうから‥。それを考えると、悔しいやら悲しいやら。かえってよかったのかも、と思うやら、です。
 
 そうそう、『ライオンと魔女』で出てきた、あの有名な衣装箪笥の謎も、この巻で解けます。それと、第6、7巻は、聖書の色が濃くでているので、聖書をよく知っていて読むと、また違ったおもしろさが味わえるのかなと思いました。 
 

 最終巻『さいごの戦い』
 勇ましいタイトルとはちょっと不釣合いな感じの場面から、話が始まります。ナル二アの森の奥に住んでいる、腹黒い大猿と、気の弱いロバの暮らしぶりです。
 原作では、このふたりは何と呼ばれているのでしょうね。邦訳では、猿の名はヨコシマで、ロバの名はトマドイです。第4巻の泥足にがえもんも、相当いい名前だと思いましたが、この二人には負けてしまいます。邪=ヨコシマと戸惑い=トマドイですもの。こんなに名は体を現しちゃっていいのでしょか?瀬田貞二さんはほんとうにすごいです。

 こっちの世界からナル二アへ行った人たちが、ほとんど全部出てきますが。スーザンは大人になってしまって、ナル二アのことをもう信じていないし、ナル二アでかつて女王だった自分を夢の世界のこととしているので、もう行くことができませんでした。

 ヨコシマの邪悪な計画が進み、タイトル通り、ナル二アの地で戦いが繰り広げられていきます。かつての子どもたちは、どのようにナル二ア最後の王チリアンを助けたのか、戦いの後、みんながどうなったか、ナル二ア世界がどうなったかは、もちろん、読んだ人だけのお楽しみです。

 すごくよい終わり方だったという人がいれば、そうかなと首を傾ける人もいるでしょう。第7巻だけみても、全巻の締めくくりとしてみても、どちらにしても意見は分かれると思います。

 私はどちらかな。感想は色々持っていますが、よいわるいはないし、好きかそうでもないかだったら、好きの方です。

 
 『ゲド戦記』も読んだし、『ナル二ア』も終わったので、次はいよいよ『指輪物語』読破ですね。昨年一度図書館で借りたのですが、期日までに1冊目が読み終わりませんでした。なので、全巻持っている友達に連絡をとって、貸してもらうところから始めようと思っています。

 でも、その前に『ホビットの冒険』を読んでからにしようかな。




 

 
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ナルニア読み終わる その1

2007-01-16 17:05:53 | 好きな本
 『ライオンと魔女』を去年の7月に初めて読み(※)、続いて『カスピアン王子のつのぶえ』も読み(※)、いっきにナル二ア読破!!を目指していたのですが、娘が第3巻の『朝びらき丸東の海へで止まってしまったため、私もそこから後を読み進めることができませんでした。元々、彼女のためと思い買った本なので。

 でも、11月頃に、「どんなお話だったかを絶対に言わない」という条件付きで、『朝びらき丸~』以降を娘よりも先に、全部読んでもよいということになりました。
 
 第3巻でナル二アへ行かれたのは、エドマンドとルーシィとそしていとこのユースチス。3人が、カスピアン王の船「朝びらき丸」に乗って、東へ東へと航海していく話です。ストーリーに伴う冒険と、ダメダメ君だったユースチスが、航海の終わりに見違えるような少年に成長していく様が読みどころかなと、思いました。

 
 続く第4巻『銀のいす』、とても楽しみにしていました。というのは、blog「ゆきてかえりしひび」のjesterさんが、ご自身のブログか、あるいは他の方のコメント欄で「銀のいすが一番好き」と書いてらしたからです。
 jesterさんは子どもの頃より、ナル二アにとても親しんでいて、『ライオンと魔女』の映画も、映画館で2回観て、2回とも涙が止まらなかったそうなんです。それほど、思い入れている方が『銀のいす』を一番に推しているのですから、私の期待も高まりました。

 そしてそして、期待を裏切らず、『銀のいす』は、私にとってもナル二アクロニクルの中で、一番おもしろくて、一番好きな話になりました。

 ルーシィたち兄弟は誰も登場せず、すっかり成長したユースチスと彼の同級生ジルが、この話の主役です。それと、沼人の泥足にがえもん。この3人が、カスピアン王の息子の、リリアン王子を捜しに旅をするのが、第4巻なんです。

 泥足にがえもんって、おもしろい名前ですよね。背が高くて痩せていて、性格はペシミスト。なんとなくカエル人間?って、登場シーンでは思ってしまったのですが、それは大変失礼な誤解でした。
 フォーンのタムナスさんが、あくまでもフォーン(決して山羊人間でなかったように)の、タムナスさんであったように、泥足にがえもんは、沼人の、泥足にがえもん以外の何者でもないのです。

 アスランが、リリアン王子を見つけだすために、ジルに4つのヒントをあらかじめ与えてくれたのですが、なかなかその通りには行かず、何度も危ない目に合う3人‥。地底に住む魔女の力の前に屈してしまいそうになるのですが、そこで泥足にがえもんが、最高に素晴らしいことを言うのです。

 「よろしいか、あたしらがみな夢を見ているだけで、ああいうものがみなーつまり、木々や草や、太陽や月や星々や、アスランその方さえ、頭の中につくりだされたものにすぎないと、いたしましょう。たしかにそうかもしれませんよ。だとしても、その場合ただあたしにいえることは、心につくりだしたものこそ、じっさいにあるものよりも、はるかに大切なものに思えるということでさ。」

 
地底の魔女は、繰り返します。地下にあるこの世界こそ唯一絶対であって、空があり太陽が輝いている外の世界なんてまやかしに過ぎない、見たような、そこに居たような気がしているだけだって。アスランなんて存在していない、存在していたようにみんなが思っているだけだって。

 そう言われても、泥足にがえもんは言い切ります。

 「たとえいまみちびいてくれるアスランという方が存在しなくても、それでもあたしは、ナル二アがどこにもないということになっても、やっぱりナル二ア人として生きていくつもりでさ」


 
この「アスラン」や「ナル二ア」を、ほかの人の名前や、ほかのものに置き換えてもおんなじですね。
 
 本当に、自分が心から愛している人や、とても大切に思っているものだったら、たとえ目には見えなくても、すぐに会うことができなくても、もしかしたら生きている間にはもう二度とその手に触れることさえできなくても、でも、愛する気持ちをなくしたり、なかったことにはできないのです。その人や、そのものが「好きで好きでしかたなかった自分」として、生きていくしかないのです。

 大人になってから、泥足にがえもんのこの言葉を読んだ私は、こんなふうに思ったのでした。



 第4巻を熱く語ってしまったので、第5巻以降は、「その2」に続きます。

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200字ワールド

2007-01-12 16:40:27 | 好きな絵本

 冬晴れの日が続いています。

 休み明けの、つらい1週間がやっと終わりに近づきました。

 
 今年最初に紹介するこの本は、昨年の夏、京都の恵文社一乗寺店で買いました。
さらっと一読して、そのまま本棚にしまわず、なぜか机に積んだままで数ヶ月が過ぎ‥。
年末になんとなく手にして再読してみたら、しみじみとしたおもしろさがわいてきて、
本の帯に書かれていたコピーの通りだと感心してしまいました。

 ‥こんなふうに書かれていたんです。

 100人が1回読む本ではなく、
 10人が10回読んでほしい
 そんな本ができました。

    モザイクの馬(講談社)

     『モザイクの馬』
    小薗江圭子 文 和田誠 絵


 文庫本よりすこし大きいくらいのサイズに、18のお話がおさめられています。
そのどれもが200文字で完結していて、どのお話にもすべて「馬」が関係しているのです。
 見開きの右ページに、200字でできたお話。左ページには、どれもそのお話にぴったりの
和田誠さんの絵。

 たとえば、表題作の「モザイクの馬」は、14番目にある、こういうお話です。
(お正月なのでお話ひとつまるごと載せてしまいます)


 モザイクの馬

 王宮の南の壁は、モザイクの馬で飾られて
います。何世紀もそこにいた馬は、たいくつ
しきっていました。ある日、同じようにたい
くつしていたクモが、馬の鼻先で、大きなた
め息をつき、馬はクシュンとやりました。す
ると、なにぶんにも古い馬なんで、バラバラ
になってしまいました。翌日、修理に来たタ
イル屋さんは、まちがえて、目をしっぽの先
につけました。おかげで馬は、ちがう窓の景
色が見られるようになりました。



 
他にも、縞馬あり、ペガサスあり、ユニコーンあり、回転木馬あり、王さまの馬あり、
木馬あり、ぬいぐるみの馬あり‥。
 よく「馬」だけで、18個ものお話が作れたなあと、思っていましたが、ひとつひとつこうして
挙げてみると、そのどれもが、その名だけで、なんとなくドラマチックに思えてくるから
不思議です。


 200字といえば、原稿用紙の半分です。そこの升目を埋めた文字だけで、こんなに
豊なイメージを広げることができるのです。しかも、心のつぶやきのような「言葉の断片」
ではなく、「お話」としてちゃんと完結しています。



 今年の1冊目にこの本を選んだのは、指針と掲げておきたかったからかもしれません。



 

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ちくちく【その6】

2007-01-09 16:00:14 | 好きなもの・ちくちく

 お正月休み。ユザワヤに行ったことで、ちくちく心が刺激され、巾着型ポーチと、すっごくちっちゃいビク型ポーチを作りました。

 お店で立ち読みしていた手芸の本の中に、ポーチの下の部分を生成りの綿の糸で編んで、その上に、パッチワークした布をつけているとってもかわいいのが、載っていたのです。膨大な数の毛糸の中から、季節外れのコットンの糸を見つけ出すことができず、諦めかけたのですが、家に帰ってからそうだあの糸がまだあったはずと思い出し、ちょっと編んでみたところ、丸い底の部分がなんとなく編めたので気を良くして取りかかりました。

  
  
 
 
 赤い布は、娘の服をよく買っていたお店から「バースデープレゼント」として貰ったジグソーパズルが入っていた巾着袋だったのです。お財布を入れたりして愛用していたのですが、今回思い切って、他の布とあわせてみることにしました。
 生成りの布は、ハギレのワゴンからの掘り出し物です。

 ビク型の方は、娘の自転車の鍵用。(スイミングスクールに行く時のビニールバッグには、ポケットがないので、そういう時にこれに入れてからバッグの中へ)
 巾着型の方は、私のお財布専用です。(写真がうまく撮れなかったので、2枚載せてみました・笑)

 


 こんなことを毎日していたら‥今日から仕事に戻るのが嫌になっている自分に気がつきました。それって、「明日から学校行くのやだなあ」と言っている、うちの娘とまるでおんなじ。現実逃避なわけではないけれど、3人で過す休みが楽しいので(それと朝寝坊ができるので)、いつまでもいつまでもそれが続けばいいなあと思ってしまうのですね。

 でもでも。

 ちゃんと始業式はやってくるし、仕事始めもやってきました。昨年は「字を丁寧に書く」とか「1日1回声を出して笑う」とか「行きたいところには積極的に出かけていこう」とか、色々思いましたが、今年は特にないかなあ。のうさぎさんのように、とすでに年末に目標が定まっているからかもしれません。



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今年のカレンダー

2007-01-04 14:37:00 | 日々のこと
 今日もこの辺りはとても穏やかで良い天気です。

 ふいにできた「冬休み」をどう使おうかなと思っていましたが、昨日はユザワヤへ行き、麻生地&小物を買いました。 
 10年ものの皮ソファーの座面がかなりくたびれているので、そこだけ、リネンですっぽり包んでしまおうと思いたったのです。うまくいくといいのですが‥。  

 クリスマス前に、さらに手作りオーナメントを20個くらい作り、友だちやいとこに贈りました。喜んでもらえたのがすごく嬉しかったので、さらに「何か作りたい心」が刺激されて、娘のマフラーを編みました。毛糸代さえけちらずに、おもしろいものを選べば、あとは、ざくざく編んでいくだけなので、とても簡単だし、失敗もありません。  


 ところで、今年のカレンダーの話ですが。 
 昨年は、雑誌クーヨンの付録の「絵本カレンダー」でかなり楽しむことができたので、今年のも、毎日なにかしらの「コメント付き」がいいなあと思っていたのです。
 
 書店で「ラジオ深夜便」の誕生日の花カレンダーというのを見つけ、どうしようかなあと迷いましたが、1月2日になって、やっぱり買う事に決めました。  
 その日その日のお花の絵と、花の名前と、何科に属しているかと花言葉が記されています。たとえば、村上春樹氏の誕生日の1月12日だったら、「カンザクラ・バラ科・気まぐれ」といった感じです。(ちなみに私の誕生日の花は、ヤマハハコ・キク科花言葉は純情でした)  

 1年後、今よりも多く、花の名前を言えるようになっていればいいなあと思っています。  


 そうそう、騒いで買った「手帳」の方も昨年12月より愛用しています。購入の決め手の一つだった「月の満ち欠け」の絵。せっかくなので(?)、満月の晩は、どこでその満月を見たのか(あるいは見る事ができなかったのか)記しておくことにしました。まあ、たいていの場合、家の近所で、だと思いますが、予期せぬ場所で、予期せぬ相手と‥のこともないわけではないと思うので。  

 楽しみですね~(笑)。



  
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健やかに

2007-01-02 12:05:32 | 日々のこと
 新年あけましておめでとうございます。

 ほんとうは、というか、予定では今頃東京駅を出発する新幹線に乗っているはずでしたが、妹の嫁ぎ先のお父様が急に亡くなられ、帰省旅行をキャンセルすることになりました。
 お正月にどこへも行かないのは、10年ぶりなので、ぽっかり空いた時間を、すこしだけどうしようかなあとと思っています。  



 年末にいそいで書いた年賀状。気がつけば、その多くに「健やかに」と記していました。
 
 そう、願いは、健やかな体と、健やかな心です。  

 元気がなければ、楽しいことも思い付けないし、いろんな人にも会えないし、行きたい場所へも行かれません。

 2007年。

 みなさまの毎日が健やかなでありますように。
 そして、今年もどうぞよろしくお願い致します。
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