my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

2023年10月 読書の記録(絵本)

2023-11-21 17:41:28 | 好きな絵本

10月は友への誕生日プレゼントの本を探す月。
贈りはじめの頃は自分が読んできた絵本の中から、
だったのが、いつの間にか、贈りたい絵本を探す、
に、変わってきて‥。
どれがよいかな、どれだったら気に入って
貰えるだろうと、色々読み比べるのが楽しいです。



石津ちひろさんの詩集か、絵本はどうだろうと
探して、辿り着いたのがこの絵本。



早口言葉や韻を踏んだ詩に、絵を描いたのは
あの、ピアニストのフジコヘミングさんと知って
驚きました。




友だちのインスタで、たぶん、知った絵本。
これを機会にまずは図書館で借りて読んでみました。


スコットランドの北西、セント・キルダ諸島。
荒れる海に囲まれた「世界のはての島」で、
人々は生きるための工夫をこらし、協力していましたが、
1930年を最後に島は無人に。5歳で島をはなれた少年の目を
とおして描かれた絵本。控えめな色が哀愁を誘いました。




こちらもインスタから。バイクに乗ってる女性が表紙を
飾っている絵本って、どんな内容なのだろう?と‥。



三蔵さんの、リアルシトロンで、実際に手に取り
読むことができました。

「いろんな場所へ行ってみたい。世界じゅうを旅したい」
1973 年、バイクに少しの荷物を積んだアンヌはパリをはなれ、
カナダ、アラスカ、日本、インド、アフガニスタンと心の
おもむくままに走りました。そこで出会った美しい風景、
心優しき人々との交流を、アンヌ自身が実際に旅した時の
記録や写真とともに「絵本」という形で、私たちも追体験
しているような気持ちにさせてくれます。

もしかして
わたしたちの20,000キロの旅は
とうに半分を越え、ゴールが見えてきているのかも
しれないけれど。

美しいものをみたい、美しいものに触れていたい
という思いがあれば、テープを切る瞬間まで
自分らしくいられるのかも、と裏表紙を閉じたあとに
思いました。久しぶりにドキドキしながら
ページをめくった絵本。




同じく。リアルシトロンで見つけた詩集。



絵本もいいけど、なぜか今年は詩の本を贈りたいと
思ったので、見つけられてよかった。
(表紙の絵とレイアウトもいいですよね~)


かみぶくろ

ゆすりあげて
腕の中の
不安なかたちを整える

その中ほどに
ひとつは水の音をつくって
うすい紙のふちを落ち
底におさまるもののすべてを
わたくしだけがそらで言える

ちいさいふくろのふくらみのへり
ささえきれるだけの重さを
胸高にかかえこむと
中身のどのひとつも
生きものになれもせずに
帰り道をひとしく揺れた

長い坂道をのぼりつめると
また立ち止まり
ゆすりあげて
きつくたばねられたねぎの
その青いところを抱きしめるのだ


この詩集とアンヌの旅の絵本を贈りました。









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推し(または最近買った絵本)

2020-06-27 12:38:50 | 好きな絵本

少し前から?だいぶ前から?「推し」って言葉よく
聞きますよねー。
推しのメンバー→推しメン→推しになったらしいですけど。
箱推し」っていうのを最近知って、面白いなあと思い
なかなか気にいってます。(対義語は単推しだって)

そういう変遷を知ると、この使い方はちょっと違いますね。

絵本界における私の「推し」笑‥そして最近買った絵本。

 今月号の「こどものとも」

 こちらの方も早く買わねば。




とても美しい水彩画。りすが、とにかく可愛い。
昨年の6月は西荻のウレシカさんで植田さんに会えました。
6月は、植田さん月間だなー)

あと最近買ってはいないけど、ささめやゆきさんも推し。

八生さんの絵本も2冊買ったので、載せておこう。

 


そしてさらに、ぜんぜん絵本ではないけど。




こうやって並べてみると、好きな絵本や読みたい本が色々あって、
私のまいにち楽しいじゃん、って感じです(笑)。

わりと強引な締め方ですが、本日6月27日ブログ誕生記念日でした。

始めなければなにも始まらなかったわけなので、
ほんとうに(もう何年前かわからないけど)ブログ始めて、
よかったです。ありがとうございます。
これからも‥


望み叶うパラレルな世界へ
明日はちょこっと違う景色書き加えていこう 

スピッツ新曲猫ちぐら」より。


の気持ちで、続けていきます。

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Tea Port というお茶の缶 山の切手

2019-06-27 16:18:32 | 好きな絵本

ひとつのタイトルから、二人の絵描きがインスピレーションを受けて
それぞれ絵を描いたり、合作したり、互いにタイトルを出し合ったり‥という
みたことがありましたが、二人の作家が、互いに文と絵を交換して、独立した1冊の
絵本であるのに、2冊続けて読むことで、繋がりを感じることができ、なおかつ、
両方を繰り返し読むことで、2冊のセカイがぐっと深まっていく、静かだけれど、
とても心躍る絵本に出会いました。



みなとまちから

nakabanさんが書いた文に、植田真さんの絵。



ぼくは長旅を終えて、港に着きました。とても しずかな みなとです
今にも雨が降り出しそうだけど、ぼくは こんな そらも すきだな 
と思います。

浜辺で小石や貝殻を拾っていたら、とうとう雨が降り出しました。
町をぐるぐる歩き、お店で雨宿りをし、走って行ったら夕焼けに間に合いました。
そして夜、宿に落ち着き、ゆっくりと てがみを かきはじめました


とおいまちのこと

植田真さんの文に、nakabanさんの絵



ぼくがお茶を飲もうとしていると、手紙が届きます。
外は今にも雨が降り出しそう。

ぼくが飲んでいる紅茶の缶には「Tea Port Calm Blend」の文字と
港の絵。
ぼくは手紙のことを思い出し、青い封筒を手に取るとそこにはきれいな
山の絵の切手が貼ってあり、中からはピンク色の薄い貝殻が出てきました‥。

雨の匂い、お茶の香り‥手紙の最初は 

とても とても しずかです
ぼくは みなとに います



お二人は2014年の2人展を契機に、5年間という時間をかけて、絵本製作を
おこなってきたそうです。
それを植田さんは、例えばジャズでいうところの「インタープレイ」‥
相手の鳴らした音に応えるようにアクションを起こし、相手もこちらの鳴らした
音に反応してアクションを起こす‥だと、「発刊にあたって」の中で書き、鳴らされた
音の余韻を味わいながら、2冊の絵本を自由に楽しんでもらえたら、と結んでいます。

一方nakabanさんは、それぞれが住んで居る広島と神戸の町の物理的な距離感が
面白く、海と山の要素がその「距離」から生じたと、書いています。






私はこの2冊を、少し前に西荻のウレシカさんでの原画展の時に買ったのですが、
2冊一緒に購入すると、こんなすてきなケースにいれてもらえたのでした。
  

本棚にはしまわず、このまま飾ってあります。

そして、表紙裏にはサインが入っています。

  

ダブルネームですね~


そして、なんと私が原画展に行った日は植田さんの在廊日だったようで‥名前を入れて
貰ったのでした。嬉しい。
すこしだけお話もしました。さらに嬉しい。

アルファベットで書かれた自分の名前がこんなに素敵に見えたこと、
未だかつてあったでしょうか!!笑

この2冊はたからものになりました。




::::



本日6月27日は、このブログの誕生日。何歳になったのか、もはやわかりませんが、
こんなすてきな絵本に出会えたのも、ブログをはじめたからこそかなーと思っています。

昨年の今日に、こんないいこと書いていたこともすっかり忘れていましたが、
6月27日がやってくるたびに思い出したいと思いました。
そして、願わくば、体の内側ココロの淵は、月を映す水のように揺れたり躍ったり
していられますように。






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たのしいしりとり

2018-07-31 18:15:04 | 好きな絵本

シンプルな作りなのに、繰り返しいつまでも遊べて。
遊びに飽きた時は、ただそこに描かれている絵を眺めるだけでも
ちっとも飽きない。

安野さんの、このしりとりの絵本は、今までありそうでなかった
とっても優れものだと、しみじみ思いました。




まず見開きの絵の中から、好きなものを選んで、しりとり開始。
ページをめくって、それに続くものを選んだら、またその次のページへ。
そして、最後まで辿り着いて、ちゃんと「〇ん」で終われたら上がり!だけど、
もしも、その言葉に行かれなかったら‥はい、最初に戻ってはじめから。
というしくみなんです。



私は、神田駅から電車に乗って、川口駅で降りるまで、4回くらいチャレンジして
やっと上がることができました(笑)。

家に帰って、さっそく娘に紹介したら、やってみるやってみると大乗り気。
もうすぐ22歳になる子とも、しりとりで遊べるなんて、さすが安野さんです。

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10月に贈った絵本

2017-11-02 17:03:23 | 好きな絵本

中に何が書いてあるか知るだけではなく、描かれているものを
眺めるだけでは満足できず‥。

本が好き、と一度でも思ったことがあるあなたなら、本そのものを
手にとり、指で触り心地を確かめ、わくわくしながら表紙をめくり、
見返しに使われている色に驚き、そしてそっと本を顔に近づけ、
紙の匂いをかぐことでしょう。

新しい絵本をみかけたとき、みつけたとき、自分の思っていることを
(絵本に対する期待みたいな?)その本が越えていて、そして、それを
贈りたいと思う人の顔がすぐに浮かんだとしたら、それはもう何たる喜び!



ことしも受けとり手にふさわしい絵本を見つけることができました。
(そうして、友も喜んでくれたことがわかりひとあんしん)



10月9日の末盛さんの講演会の時に、まだ書店に並ぶ前の本が会場で売られて
いたのでした。


原書が出版されてから30周年を記念して、今年スイスで新装版が刊行されたのを機に、
日本語版も装いをあらたに「末盛千枝子ブックス」シリーズの1冊として、現代企画室から
復刊されたのだそうです。

恥ずかしながら、コルビジュエといえば、上野にある西洋美術館を作った人‥くらいしか
知らなかった私は、この本に色々おしえてもらいました。
鉄筋コンクリート様式の建物を考案したとか、都市そのものから立案計画していたとか‥。

あとがきで、建築家の原広司氏がこう書いています。

なぜ、ル・コルビジュエは、あたらしい時代をきりひらくことができたのでしょうか。
答えはふたつあり、そのひとつは15億の人びとが「みな同じように」幸せになれる
ための
建築を、考え、実現しようとしたから。
もうひとつは、建築や都市も「童話」や「お伽ばなし」のように、自由に、美しく
つくりあげるものだと考えていたからです。



私にとっても贈った友にとっても、すてきな1冊の本ですが、絵本はやはり
ちいさいひとのためのもの。
この絵本が多くのちいさいひと、わかいひとの目に留まるといいなあと思います。


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お祭りの原点ってこういうことかも

2017-09-20 17:18:54 | 好きな絵本

今週金曜日に、5年生のクラスで読む絵本を探しに図書館へ行き、
偶然見かけたこの絵本。
中谷千代子さんの絵が素晴らしいなあと思い、借りてきました。



表紙からわかることは‥動物が「他の動物」のお面をつけている???




お話の主人公はけんちゃん
おとうさん、おかあさん、犬のタロとともに牧場で暮らしています。
けんちゃんの朝のシゴト(お手伝い)は、カネを鳴らして、牛たちに朝ごはんの時間だと
教えること。そしてそのあとに、めんようと やぎは、うらのもりの いりぐちに 
つないでやります。
そこには、やわらかいくさが たくさん はえています。 

お手伝いがおわるとけんちゃんはタロと一緒に森へ行きます。広場までいってみると、
いちばんおおきな きのねもとに、ひとりの おじいさんが やすんでいました。

おじいさんの持っているかごの中には、森の恵みがたくさん。そしておじいさんは、
けんちゃんに言いました。

「こんやは、もりのどうぶつたちが あつまって、おまつりを するんだよ。(中略)
そうだ、ぼうやも いっしょに あそぼう。つきがでたら、ぼうやのうちの どうぶつたちを
つれておいで」

けんちゃんは、約束通り、牛や豚やめん羊やヤギを連れて、森へ行きました。
そこで一行を待っていたのは、おじいさんと森の動物たち。

くま りす きつね いたちや たぬき うさぎたちが、たきびを かこんでいます。

みんなでごちそうを食べ、おなかがいっぱいになると、おじいさんが、くさむらから
お面を出してきて言いました。
「さあ、これは わしのつくった おめんだよ。
こんやは、みんなで すきなおめんを かぶっておどろう」

牛は虎のお面をかぶり、豚は象の、きつねは馬になり、タロは牛になり、けんちゃんも
ライオンになりました。そして‥
みんなは、たきびを かこんで おどりつづけました。



中谷千代子さんの描く動物たちはとても愛らしく、ごちそうを食べ終わり、お面をつける
あたりからは、すべての動物が2本の足で立ち上がるのですが、それさえも無理のない(?)
可愛らしさです。
が、(それにしても)動物が、他の動物のお面をつけている、というのは、なかなかシュール。
たき火を囲んで踊り続けるうちに、どうぶつたちも けんちゃんも、もっと このまま おどって
いたいと 思うのですから、もうトランス状態になっていると思われます笑。

本文にはありませんでしたが、きっとみんなで歌っていますよね?

月夜の晩に、森の恵みを、楽しい仲間たちと一緒に食べ、そして、たき火を囲んで皆で
踊り明かす。(プラス、お面を付けることによって現れる非日常的世界)
それがお祭りの原点なのかもしれないなあと、ふわっと思いました。

子供たちの前では、読んだことがないので、ぜひ一度共有してみたいとも思いました。










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わたしのたからもの

2017-05-22 16:39:34 | 好きな絵本

週末から始まった、大野八生さんの『庭とアトリエ』展@ギャラリーらふと


※画像は工房からの風サイトよりお借りしました

こちらのページでギャラリー内の様子を見ることができますが、ほんとに
素晴らしい展示でした。
特にね‥ガラスのフレームに入った絵は両面から見ることができて‥
うらおもてうらおもてと返してタイトルを見て‥ぐっとくるしかけ?になってます。



大野さんが手掛けた絵本が何冊も置いてありまして、私は今回その中から
今年1月に出版されたこの絵本を買いました。



某販売サイトには、編集担当からのおすすめ情報として、このような記述が!

植物に関する確かな知識に裏打ちされた内容はもちろん、大野八生氏の好感度の高い
イラストは、
眺めるだけでも(!)、十分に自然と親しんだ気分にもなれます。

たしかにその通りなんですけどね。
でも、それだけじゃないですよもちろん。

絵本の構成といいますか、組み立て方といいますか‥四季を通して楽しめるように
なっている植物絵本は、今までにもいろいろあったし、ステキな絵を眺めているだけで
満足というあまり実用的でないようなものを買ったこともありましたが。
この『庭のたからもの』は、構成が実に素晴らしいと思うのです。そしてとても
わかりやすくポイントをおさえてあるのです。

目次はないのですが、各ページのタイトルを並べてみますと‥。

春いちばんの黄色の花たち
クローバーをさがしにいこう
ハーブをもっと楽しもう
ツツジのみりょくをしる
植物をもっと元気に
薬味を育ててみよう
夏の収穫を楽しむベリーガーデン
真夏の夜にかおる花たち
春をまつ秋植えの球根
秋の実りを観察しよう
街路樹を見にいこう
クリスマスをいろどる植物
冬の庭観察
スミレからの春のたより

ね? タイトル読んだだけで、この絵本を手にとってページを開いてみたくなりますよね。
ささやかな自分の家の庭やプランター目をむけて、慈しみたくなりますよね。
なんでもない道を歩いたり、公園の木の根元を見たり、空を仰いだり、空気の匂いを
かいだり、やってくる次の季節を楽しみに思ったりしたくなりますよね?

(ちょっとおおげさだけど)生きてることって、いいな、わたしのじんせいもいいなと
思えてくるから不思議です。


表紙の画像をあらためてみると、季節の植物と子供たちで大きなリースになって
ます。裏表紙はどうなってると思いますか?教えたいけどヒミツです。



最後に、昨日のらふとのお庭の写真を載せておきます。
大野さんと庭人さんが丹精されているお庭です。





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10冊の絵本

2016-08-31 17:41:57 | 好きな絵本

今日で8月も終わるので、その前にこれだけは書いておかねばと
思った「10冊の絵本」のこと。


2007年 娘が11歳の誕生日を迎える少し前に、
これから毎年、誕生日には、絵本を贈ろうと決めました。

11歳といえば、小学5年。
絵本はとっくに卒業していたけれど、いや、卒業していたからこそ、
そう思いついたのかもしれません。

11歳~20歳までの10年間、10冊の絵本。
ことり文庫さんで選んだものです。



2007年 11歳  



2008年 12歳  



2009年 13歳  



2010年 14歳    



2011年 15歳  



2012年 16歳  

 

2013年 17歳  

 

2014年 18歳  



2015年  19歳



そして今年 2016年  20歳




::  ::  ::  ::


今年のケーキ(少し崩れてしまいました)

 
    

20歳のお誕生日なんだからシャンパンでしょ!と気張りました(笑)


 
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なんだわたし

2016-05-19 18:06:17 | 好きな絵本

webでなんか検索すると、次々に関連商品をすすめられますよね。

世界のだっことおんぶの絵本』というのを、みたあとに、すすめられた
絵本の中にこんなのがあって。
 

内容も面白そうだけど、なんかこの絵、好きかも~と思って、
イラスト描いたエミリー・サットンさんを調べたら‥。


なーんだ、なんだー。



去年のクリスマスに買おうかどうか最後まで迷ったこの絵本↑や、



 
2月に買った、この絵本↑の絵を描いた人でした。



なあんだ、わたし。 

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夏読書

2015-08-11 11:26:08 | 好きな絵本

先週の(前の記事で書いた)吹奏楽コンクール。
娘の母校は、みごと金賞をとり、西関東大会へ出場を決めました。
昨年の会場は山梨県でしたが、今年は埼玉が会場で、所沢での開催です。

さて、夏読書。

知人から以前に借りていたものと、図書館での予約本を並べたら、
なんか8月っぽいラインナップだなーと思い、並行して読むことにしました。



   


 

それとこの雑誌も発売翌日に買ったけど、読まずにとってあるし。



その時の勢いで、未読だったこの本も買ってしまったのです。


果たして、夏が終わる前にこんなに読めるのでしょうかー。












 







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アイデンティティ

2015-07-08 18:07:26 | 好きな絵本

今年5月に、たくさんのふしぎ傑作集として出版された本ですが、
初出は1995年7月の月刊「たくさんのふしぎ」。
私はそのころ、子どもを持っていなかったので、福音館書店の月刊誌の
ことを何も知りませんでした。

今、こうして単行本として、この本に出会うことができて、ほんとうに
よかったなと思っています。
教科書や歴史の本やもっと難しい本を何冊も読むよりも、いろんなことを
思うきっかけを、この絵本が与えてくれるのですから。



内容紹介ページには下のように記されています。

著者の鶴見俊輔さんは哲学者。「思想の科学」創刊などで著名な、戦後思想界の巨人です。
15歳で渡米し、太平洋戦争が始まったときはハーバード大学に在学中でした。
敵国人として留置場に入れられた後、交換船で日本に帰国した鶴見さん。アメリカにいても、
日本に帰ってからも、自分を「外人」だと感じて生きてきました。その頼りない気分が今も残っていて、
自分のくらしを支える力になっていると言います。



交換船で日本に帰る前、同級生だったアメリカ人の友人がこう言ったそうです。

「戦争がはじまった。これから憎みあうことになると思う。しかし、
それをこえて、わたしたちのつながりが生きのびることを祈る」

作者、鶴見さんはその続きに、こう書いています。

しかし、日本にもどってからも、わたしはアメリカ人を憎むことが
できないでいました。自分が撃沈か空襲で死ぬとしても、
憎むことはないだろうと思いました。

日米開戦という緊迫した状況であるにも関わらず、作者の語り口は
あくまでも穏やかで、FBIの取り調べの最中に脇を触られ、思わず
笑いだしてしまう場面や、刑事が行きつけの酒場でサンドイッチをごちそう
してくれたことなども描かれています。
作者にとってのアメリカは、そんなふうに思い出される場所だったのだなと
私は想像してみるのです。

そして、帰国した後すぐに受けさせられた徴兵検査、その後の海軍への志願。
淡々と語られる任務とジャワ島での生活と二度の手術と、敗戦と‥。
静かに文章が運ばれていくほどに、作者の胸のうちに折り重なっているであろう
ものを思い、読み進める私は胸がふさがっていくようでした。

作者は本が終わりに近づいたときに、こう記します。

わたしは、アメリカにいた時、外人でした。戦争中の日本にもどると、
日本人を外人と感じて毎日すごしました。それでは、日本人のなかで
外人として生きていたことになります。今は、わたしは外人ではないのか。
自分の底にむかっておりてゆくと、今もわたしは外人です。




この絵本は、大学1年になった娘にぜひ読んでもらいたいと思っています。



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まるで映画のワンシーン

2015-07-03 19:45:05 | 好きな絵本

6月の、「はじめましての絵本たち」で紹介してもらった絵本で、
さらにじっくり読みたいと思ったものを、図書館で予約して借りました。
(今回、なんだか響いてくる絵本が多かったのです)

その中の1冊。
 

宮沢賢治が、妹トシを亡くした翌年の大正12年8月、樺太へ向かう旅の
途中で旭川を訪れたことを書き記した詩が残されていて、
その「旭川。」という詩をもとにして、あべ弘士さんが、あらたに創作を
加えた絵本です。 

裏表紙の見返しに、宮沢賢治直筆の詩が載っていますが、その一篇の詩を
ただ読むよりも、あべさんの「創作」で、賢治自身と御者との会話を中心とした
散文と、さらにあべさんの絵が加わることで、とても上質のドラマか、まるで映画を
観ているような気持ちなったのでした。
夏の朝の、爽やかな空気の匂いまで紙面から立ち昇ってくる気がしました。


  パカポコゆれる
  馬車の振動のこころよさ。
  こんな小さな軽やかな馬を、
  朝はやくから私は街をかけさす。
  天にものぼる気分だ。

そして、ポプラ並木を抜け、そのむこうに官舎が見えてきて…


  「つきましたよ」
  「農場試験場はやっていますかね」
  「聞いてきましょう」

という御者との静かな会話…。


目当ての農場試験場は別の場所に移っていて、御者は賢治に

  「お役にたてませんで…」
  「いえいえ、お世話になりました。
   とてもさわやかな街でした。
   好きになりました」

空を舞うオオジシギは樺太まで飛んでいくやつもいるらしいと教えてもらい、

  「樺太ですか……。
   むこうでまた会えるとうれしいなあ」

と、こたえる(絵本の登場人物の)賢治が、詩の作者の宮沢賢治よりも、
私は、読み終わった後に、確実に好きになっていました。 


 

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よるのにおい、そして10年

2015-06-27 12:19:48 | 好きな絵本

頭で考えてから、好きになったり欲しくなったりする本が多い昨今、
この絵本は、三蔵さんが開いてページを見せてくれている間に、
両腕あたりがぞわっとしてきて、好きだなと思いました。



たくさん遊んで眠たくなってしまったうさぎのぼうやが
お母さんにだっこされて、夜の街を、帰ります。
途中でお父さんも迎えにきてくれて、眠たいぼんやりとした頭で、
店じまいをする本屋さんや、窓の向こうで電話をする人を見たり、
漂ってくる夕ご飯の匂いや、ひっそりとした道に、昼間とはまるで違う
夜の街を感じます。

 よるって とても しずかだな
 いつもと ちがって だあれも いない

 ・・・・・


 いつもの よる
 とくべつな よる
 みんな いえに かえって
 ねむりに つく

 おやすみなさい

最後は、ぼうやが自分のベッドで眠りにつくところで終わります。

安らかで、静かで‥眠りにつく前に読んだらとてもよい本ですが、
紹介してもらっている時に、最初に私の頭に浮かんできたのは、
なぜか、『オーケストラの105人』という絵本でした。※
(オーケストラの団員が、夜の演奏会のために、出かける支度をする場面が
丁寧に描かれているお話です)

何年か前に、「絵本の栞」の中で、夜の街へ出ていく人と、その人を
見送り、家に残る人たちの間にある1枚のドアのことを書いたので、それが
自分の中に残っていたからかもしれません。


見送る側にとって、扉の向こうに広がる夜の街はとても特別。
開け放たれたドアからは夜の匂いが入り込み、いってらっしゃい、気を付けてね、
と見送られた方の人は、一歩二歩とドアから遠ざかるほどに、「外の人」の顔に
なっていきます。

夕暮れ時が過ぎ、夜のカーテンで空が覆われていくのを、たいていの場合
私は家の窓から眺める側なので、お店をしめる準備をしている店主さんも、
これから仕事に行こうとしている人の足音も知りません。
「こちら側」から眺める「向こう側」は、未知の場所で、窓から入る空気の匂いが
それは特別であることを教えてくれるのです。

懐かしいのは、どちらなのかなと思います。
そのむかしの残業や遅番‥で夜の街を知っていたことなのか、
閉じまりする前に仰いだ空、肺を満たした空気の匂いにびくっとしたことかー。


いずれにしても、いまこのときに、よい絵本に巡り合えたなあと思っています。


※『オーケストラの105人』は、『105人のすてきなしごと』と題名と訳者が
 変わって販売されています。




   :::     :::     :::



すっかり忘れていましたが、本日6月27日はこのブログの誕生日でした。
2005年に始めたので、ちょうど10年!です。びっくり。

この10年、ありがとうございました。
また新たな気持ちで、細々とでも綴っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。 





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ラズベリーだより

2015-06-18 18:11:36 | 好きな絵本

木曜日は娘の休講日なので、たいてい3人で昼食を食べています。
今日も、うどんを食べた後、ヨーグルトを食べようとしていたら、
今朝採ってきて洗ったあったラズベリーを、ヨーグルトに入れて食べようかなと
夫が言いだしました。

それはチャレンジャー過ぎるでしょ、と私。
美味しくないよね、と娘。

うちのほったらかしのラズベリーの木、毎年律儀にこの時期に実をつけて
くれるのですが、生で食べるのはどうかなーという感じなのです。
せっせと毎日採って、洗って、冷凍して、貯めておいたものを、ジャムにして
から食べるとおいしいのですが。

そこからなぜかヘビイチゴの話になって、それからこの絵本が家にあった
ことを思い出しました。



なんだかとても懐かしいです。
ことり便で届いた絵本ですね、きっと。
開いてみたら、なんと「ベランダ木いちご農園のこうめ」さんからの
お便りが入っていました。




絵本の本文も、りすのりすえさんから、くまのくまたくん宛ての手紙とか、
うさよさんへの、めえこさんからの手紙とか。
サンタクロースむらとなりに住んでいるトナカイのヤンソンさんからの
カードとか‥それぞれ動物たちが自分の身近な場所にあるきいちごを
おたよりで教えてくれる構成になっています。とっても楽しい。



うちのラズベリーは10年以上も前に、寄居に住む友人宅から貰い受けた
ものなんですが‥調べてみたらこれに似ているので、インディアンレッドという
種類のラズベリーなんだと思います。



『きいちごだより』の中にある、ありたろうくんが作った表で調べていくと、
「えびがらいちご」が近いかなーって感じなんですが、実が上を向いて
つくところと、花の色がピンクというのが違っていました。

 

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気になった絵本

2015-05-07 18:52:45 | 好きな絵本

GW中、思ってもみなかった嬉しかったことは、絵本に親しむ時間が
案外あったということです。
気になった絵本、忘れないように載せておくことにしました。



 

写真ではわかりませんが、小さくて細長い形がなんとも新鮮でした。
昨年の9月に出ていたんですね~初めて手に取りました。
ゆめさんワールド、いいですね。



 

まったくノーマークというか、作者も絵本も初めて見ました。
おはなしは、トリニダード・ドバコの民話をもとにしたとのことですが、
とても面白かったです。
すごく好きな感じのはなしでした。見ての通り、オオカミとヤギが
描かれていて、タイトル「ゆうだち」なので、なんか「ともだち」の
パロディものなのかなーと思ったのですが、私の予想なんか
軽く裏切られました。
ヤギって、オオカミよりも「耳がいい」というのがポイントですね。
2012年6月には出ていたんですね、知りませんでした。






ピーター・シスの棚を見ていたら、読んだことがなかった絵本を
見つけたので、開いてみました。
ヨーロッパから極北の地に旅した人が、暮らしていく様子や
原住民とヨーロッパからの商人との間の貿易を取り持った ことなどを
とても詳しく解説してあるところと、それのどこまでが真実でどこからが
ほら話かわからないと、二重構造になっているところが面白かったです。


クレヨンハウスでこの3冊をみて、そのあとにワタリウム美術館で、
「ここより北へ」という、奈良美智さんと石川直樹さんの二人展を観たのですが、
シスの絵本を見つけたこととシンクロしているようで、ひとり心の中で
にこにこしてしまいました。

コメント
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