昨日6月17日は、先日このブログでもお知らせしたとおり、荒井良二さんの新刊『たいようオルガン』
刊行記念のイベントが、青山ブックセンターでありました。
14時半開場、15時から17時まで。その後サイン会あり。
14時すこし前にブックセンターに着いて、まずは店内ギャラリーで、『たいようオルガン』の
原画を見ました。
少し前に、本が出て、本屋さんで平積みになっていましたが、今日のために、1ページたりとも
ページを開かず、なるべく書評なども読まないようにして、この日を待った甲斐は十分にあった
素晴らしい原画でした。
こんな色も、こんな風景も、荒井さんは先日のテレビのオンエア中に描かれたように、どんどん
色を塗っていって、どんどん色を重ねていって、頭が考えるよりも先に、手を動かしていったのかなと
その様子を思い浮かべながら、見入りました。
(‥あ、でもこのほんとに雨が降っているような、鉛筆の線は、最後に鉛筆を細く細く削って、慎重に
でもスピードは落とさずに描いたんじゃないかなあ‥とか、色々細かく思いながら。)
イベントホールに行ってみると、受付準備中の机のところにはまだ誰もおらず、でも、通路の反対側の
キャンセル待ちのラインには、もうお二方いらっしゃったので、並ぶともなく机の横に立っていたら、
なんと、私が整理券番号001となりました。
よかったです、001番。そのおかげでとってもいい席に座ることができ、トーク中の荒井さんと
何度もお話してしまいました♪ 隣に座ったrも、荒井さんに2度程問い掛けられ、その度に、
返事に困っていました。こんなときに、大きな声でおもしろいこと言えるような子だったら、その場的
にもよかったのでしょうが、まあ、しかたないですよね。
ほぼ、時間通りに始まった「トーク」は、今思い返してみると、大きく4つに分けられます。
その1 新作『たいようオルガン』製作秘話。
その2 新潟の新津美術館で、巨大なオブジェを作った話。
その3 同じく新津美術館で、作曲家の野村誠さんと行ったワークショップの話。
その4 質問に答えるコーナー。
開場にはプロジェクターが用意されていて、新津美術館でのオブジェ制作や、ワークショップの
様子は写真で見ることができました。関連記事が載っているかも、と思い美術館のサイトを見て
みたら、スタッフの方のブログを発見し、そこで期間中に行われたイベントや、ワークショップの
詳細を読むことができました。リンク貼っておきますね。 ★&☆
このリンク先の記事と、野村誠さんのブログを読むと、昨日荒井さんがされたお話がほぼ忠実に
再現されます。こどもたちとのワークショップの話をしている時が、一番楽しそうだったし、一番
荒井さんご自身も、盛り上がっていたかも。
その中で、こんな印象的な言葉も、聞くことができました。
「ピアノに好き勝手に色塗っていいよなんて、一生のうちであるかないかのことじゃない?
だから、こどもも興奮状態になるわけよ。もう夢中になって、手形とかつけちゃって。
それで俺に怒られるわけ。おまえら、手形なんかかっこわるいぞ、やめとけとか。すると
いつのまにか手形は終わってて、また、夢中で塗りだして‥‥
で。そういうことって、忘れちゃっていいかなと思うわけ。全然忘れてもらって構わない。
だけど、いつかそいつが大きくなって、ある日ふと、あ、俺むかしピアノに色塗ったことがある、
とか、記憶の蓋がぱかんと空いて‥それでいいかなあって」
(jasuminさん、私の記憶あってますか? ふふふ。昨日会場でjasuminさんとお会いしたんです)
うんうん、わかるわかる、わかりますその感じ。
そういう顔で私は聞き入っていたと思います。おんなじおんなじ、と言うのは、あまりにも
畏れ多いようだけど、私が、「小学校の教室で絵本を読む」ということに対して思っているのも、
ほんとにそういう気持ちなんです。
今日のこととか、絵本の題名とか内容とか、本を読みにきたおばさんのこととかすっかり
忘れちゃってかまわない。だけど、ある日ある時、あれこれどこかで聞いたことあるかも。
こんなようなフレーズ、どこかで聞いたことあるかも、とふと思い出してくれたらなあと…。
荒井良二さん。とっても魅力的な人だと、再確認しました。
それと、すごく親近感というか、全然知らない人じゃないみたいに思っている自分自身にも、
再度驚いています。(私の知人に青森県出身の男性が居て、その人の話し方が、なんかすごく
荒井さんに似ていて、そのせいだと思うのですが、まるでずっと昔から知っている人のように
ずうずうしくも感じています。)
そうそう、質問コーナーでの話をいくつか。
「好きな色は何色ですか?」 この質問が3人の方から寄せられていました。
「赤です」 (←この日も赤いシャツに赤い靴でした)
「好きな野菜は何ですか?」
「え~野菜?? 野菜…あ、あれあれ、しゃきしゃきっとしてて、夏の時期だけで、
その土地によって呼ばれ方が違って、あれなんだけっけ? つけ菜かな、つけ菜」
「自分以外の絵本で、好きな絵本は何ですか?」
「ん~たくさんあるから…。あ、スウェーデンの作家でヨックム・ノードストリュームの
セーラーとペッカのシリーズはおもしろいね。」
「最近買ったCDは何ですか?」
「ん~なんだったかなあ。酔っぱらうとさあ、下北沢の中古CD屋に行って、まとめて
買っちゃうんだよね。ん~なんだろう。なんだっただろう」
トークショー終了後、サイン会に。
001番を持っている私は、一番目です、嬉しい。
娘の名前をすごく気に入ってくださって…「ほんとにいい名前だと思って、
漢字だったらどう書くの?
こどもの名前褒められるのって、かわいい子だねえ、とか、賢そうと言われるのより、
もしかしたら、一番うれしいかも。
荒井良二さま。
ぜひ次の機会まで、その名気に入ったこと、忘れないでいてくださいね。